お母様みたいに
コンコン
「お父様……」
「…あぁ、アイリスか…入りなさい」
「し、失礼…します。」
どうしよう、怖い…声が震える。嫌われちゃったかな……。
でも、大丈夫……きっと大丈夫だって母もそう言ってくれたから…大丈夫、大丈夫。
「あの……お父様…さっきはm「すまなかった」……っへ?」
「さっきは…すまなかった。思えば私はお前にとても辛い想いをさせてしまっていたのかもしれない…お前なら大丈夫だと、ワガママも聞いてやれず、任せっきりになっていた…」
「…お父様………………」
お父様が私に謝っている?
……嫌われては…いないの?……よかった。
と、とても安心した
「……でもな、アイリス…一つ聞きたいことがあるんだよ……私は、別にシオンをお前の側に……従者…にするのに反対ではないが……どうして、シオンがいいと思ったのだい?」
「……それは……」
どうして?……そんなの分からない。
ただ、何故か信頼できたから…例え攻略キャラの1人だとしても、何故か、信頼出来るも思ったから…守りたいと、思ったから
正直にこの気持ちを言っていいのだろうか?曖昧な事を言っても納得してもらえないのかもしれない……でも
「…それは……信頼できると、信じたいと……おもったからです。それに、シオンを1人にしては行けないと、思ったから…理由…何故かなんてわかりませんが……私はシオンを守りたいです」
シオンを守りたい。それだけはハッキリとしていた。
「………ははっ……そうか、そうか…わかったよ、お前のワガママを聞こう。シオンを従者に、お前の傍に置けるようにしてみるよ。けどね、アイリス?従者は、主人を守るためにいるんだよ?だから……アイリスが守れるのは…シオンが何かを抱え込んだり、無理をしている時くらいだ…それでも、いいんだね?」
え……従者に?いいの……??
目を丸くしている私を見て優しく微笑む父。
「ッ……はい!!お父様、ありがとうございます!」
「……アイリス、君はお母さんによく似たよ……」
「いいえ、お母様みたいに、私は綺麗ではありませんし、強くないです」
そんな事ないさ……そうまた微笑み頭を撫でてくれる父。正直嬉しかった。でも、微笑んでいる父の顔は少し悲しそうな顔をしていた…なぜ?あぁ、そうか
お母様……お父様は、きっとあなたの命が残り少ないことを…きっと気づいていると思います。
お母様、貴方はとても愛されています。この屋敷の人々に、国の人々にも…お父様にも、私にも……
たとえ私が悪役令嬢役でも、私は…いつかきっとお母様のような素敵な女性になれるでしょうか……?
私は、お母様みたいな女性になりたいです