生き残れますように
さぁ、ついに……この日が。
今日はゲームの中でヒロインが入学してくる日。
勿論シオンもいますよ?あぁ、まぁシオンが入学してきたのは去年の話なのだけど。
とりあえず今日の今の今まで特に大きな問題もなく日々を過ごしてきたのだが…ついに来てしまった、この日が…
ちなみに私は中等部の今日入学してくる、上がってくる1年生達の代表をする事になっている。
「シオン…なぜ私が代表なのかしら…」
「お嬢様の成績がトップだからだと…」
いやね、分かってたよ…ゲームの中でもそうだったもの。
流石に覚悟はしていなかった…
「貴方がやればいいじゃない。何しろ学力も戦闘術、魔法も大して差がないのだから…」
「俺はお嬢様の従者なので…ほら、始まりますよ、頑張ってくださいね?」
シオンがそう言うと同時に学園長が私の名前を呼ぶ…
はぁ、なるようになれ…まぁ、ゲーム内のアイリスのように虐めたり変な事をしなければいいだけだ。
ドクドクと鳴り響く心臓の音をなんとか抑えながらステージに上がり、マイクを手に取る。
「こんにちは、中等部1年生の代表を務めさせて頂きます、アイリス・オディベートです。この学園はとてもいい学園です、設備は整っていますし、先生方も熱心な方ばかり…それに、たくさんの仲間達もいます。
みんなで仲良く過ごして行きましょう。
あとそれから…自分の意志を持ち、時には大人達に逆らってみるのも、いいかもしれませんね?」
そう言うとザワッとざわめき出す生徒達。
学園長は…面白そうに笑いを堪えているけど。
まぁ。あまり考えたくはない…ただ私は自由にいたいだけだ。
失礼します。と言いステージから降りて自身の場所に戻る。
「…シオン、笑いすぎよ…」
「ふふッ…ははは!貴方は、本当に面白い…目立ちたくないのではないですか?」
「……私自身の意志をありのままに述べたまでよ…」
学年の違うシオンがなぜ私といるのかというと…答えは簡単、従者と主人の関係だからだ。
従者は主人の傍にいる資格、義務があるから集会の場でなら隣で座ることが出来るのだ。
ふと後ろから声を掛けられる、ガザニアにだ…
「アイリス!お昼は一緒に食べような!!」
「ガザニア様…はい、別にいいですけど…」
「俺も、従者として一緒に行きますね?」
「なっ!!俺はアイリスと2人でッ」
あーあ、始まったよ二人の口喧嘩…
最近ずっとこうだ。喧嘩なんかして疲れないのか……
どうやって2人を沈めようかと困っているとまたしても声を掛けられる。
「ん?3人で何を話しているんだい?」
「え?……パンセさま!どうしてここに」
高等部のパンセは普通中等部には来ないはずなのに…
周りを見ると…ぁ、いつの間にか終わっていたみたいで生徒はほとんどいなかった。
「ふふ、どうだいアイリス?久しぶりにお話しないか?あ、食堂でゆっくりお茶をしないかい?」
そこの2人は放っておいてね?と私の手を引き、紳士らしくエスコートしてくれるパンセ。
まぁ、その方がいいか
「えぇ、お言葉に甘えて」
食堂につく。
と同時にざわめきだす生徒達。
「パンセ様がいるわよ!?」
「カッコイイわね!!」
「幸せ…」
あぁ、そうだった…パンセは人気だった。
頭が良い、勉学も身体能力も、全てがほとんど完璧な少年。
ルックスもいい…そして高等部のいわゆる生徒会の会長様…そりゃ人気よね…
「はは、困ったなぁ…あ、特等席に行こうか?」
「特等席…ですか?」
「きっと気に入るさ」
そう言って連れてこられたのはなんか、庭?ぽいところ。どうやら生徒会しか使用のできない場所らしい。
「あの、私がこんなところにいていいのでしょうか?」
「ん?あぁ、良いんだよ…それに、アイリス…君のように美しい女性にはこっちの方が似合うよ?にしても、君はやはり男子生徒からも女子生徒からも評判がいいみたいだね?」
「…へ?それはどういう…」
どうしてだ?さっきの入学式?のとき以外は目立ったことをしていないし、目立たないようにしていたのに!?
「…おや、気付かなかったのかい?さっきの生徒達の会話の中には結構君についての会話も多かったのだけれど」
「…き、気づきませんでした……」
「そうかい、なら尚更…気をつけた方がいい。」
「…それはどう言う――」
どういう事か分からなくて聞こうとしたその言葉は大きな爆発音のお陰で聞こえなかった。
バンッ
「今の音はッ…パンセ様!!」
「あぁ、とりあえず言ってみる方がいいね…」




