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アスナの受難 3

「アスナ………。その様子は、システムに何かされたんですね。大丈夫ですか?」


 心配げにアルフレッドは私の左手首を取るとすっと唇を寄せてくる。


「態度と発言からすると~。このあとの未来を見せられたって感じかな~?よしよし~。」


 右手はロークに取られて指を絡められてフワリと頭を撫でられ。


「くそシステムめ、酷いことしやがる。まじで平気か?」


 正面からケインが様子を伺うように覗き込む。頬を両手で押さえられて。


 みんな。心配してくれ………てるんだよな………。何か、すっごい距離感近いけどっ!それに、プレビューの後のこのスキンシップは、……………ううっ、意識してしまう。


 私はいつもと変わらない?はずの彼らにバクバクする心音がばれないように必死で押さえ込む。そんな私の耳にアルフレッドとロークはそれぞれ唇を寄せて、首もとにはケインが顔を寄せてきた。


「「「で、誰が1番よかった?」」」


 3人から同時にチュッとキスとともに甘い声で囁かれる。


 「えっ、や。そこまで見てないっ。」


 あからさまに何聞いてくるんだっ。それにどさくさに紛れてキスしよったぁ!私は更なる恥ずかしさに体中の血が沸いたんじゃないかと思うほど熱くなる。反射的に彼らから離れようとして逃げられなくなっていることにここでやっと気付いた。左腕をアルフレッドに右腕をロークにさりげなくやんわりとだけど動かせない力で掴まれ、ケインにはそっと両頬に置かれている手で顔を固定されている。


 う………ぇ?…………あれ?…………逃げれな…………どゆこと???


 もう、何が何やらわからない。ぐらんぐらんする私の脳は著しく機能低下をおこしていた。そんな状態の私に彼らはまだ話しかけて来る。


「そうですか。でも、今宵どうなるのか………。さわりの部分は見ましたよね…。」

「キスもしたんだし~、男としては次のステップに上がりたいと思うわけで~。」

「僕たちかなり待ったよな?いつまでも焦らされるのは耐えれねぇ。」

「「「だから、誰と寝たいか選んで。」」」

 

 3人が色気たっぷりにそれぞれ私の肌に唇を這わせて問いかけて来る。けど、こんな状況下で何かを判断するとか考えるとかなんて私にできるわけがない………。


「わ…………かん………ないっ」

 

 熱に浮かされたようになりながら搾り出した私の言葉に3人はため息を漏らす。それすらも私の肌をなぜて甘い吐息のようだった。


「いいのですか?選ばないと、大変なことになりますよ。」

「そうだよ~。一つにしないと~、全部になっちゃう~。」

「おまえが決めれねぇのが悪いんだからな。覚悟しとけよな。」


 スルリと3人の指が肌を滑らせて熱情的に見つめてくる。ザワザワと嫌な予感しかしないのに耳を塞ぐことすらできない。そして、………。

 私は最終通告を受けとった。


「「「強制的にハーレムルートに入るぞ。」」」


 は?言葉の意味はわかるのに脳が理解することを拒絶していた。反応しない私に彼らはさらに言葉を加えてくる。


「言っておきますが対象者は10人。あなたがまだ出会っていない者も含まれますよ。」

「私達はこの中でもまともな方だよ~。もっと悪趣味な奴もいるし~。」

「そうなったらキッッツイぜ?精神的にも肉体的にも………な。」

「「「それが嫌なら選ん………!!」」」


 私の中で一気に何かが爆発した。ガッと握られていた両腕を力任せに抜き取ると3人を軽くなぎ払い、素早く後ろに体を引いて彼らとの間をとる。


「無――理ーーー!!!10って、10人って!!どんだけだよ、なんだよそれ。そんなん無理ゲーだろがぁぁーー!!クッッソエロゲーーーー!!!」


 ワアッと頭を抱えて喚き散らす。


「だから、俺のルートを選んで欲しい…………なんて、聞いちゃいませんね。」

「やっべぇ。ハーレム引き合いに出したのまずったか。完全に追い詰めちまった。」

「照れるのが可愛くて、イジメ過ぎちゃいましたねぇ~。どうしましょう~。」


 キレた私に青ざめた顔で見てる彼らを構う余裕など無かった。とにかく、現状打破とばかりに後先考えず出した答えは。


「ぶっ壊す………。」


 宿屋の室内である事などすっかり忘れて剣を呼び出す。しかし、剣を手にした途端に体が1ミリも動かなくなった。かろうじて動かせる顔でその犯人を睨みつければ案の定、ロークがその視線にビクンと身体を跳ねさせた。


「ローク!!魔法解けっ!!」

「ま、待って下さい~。私達が言いたいのは……。」

「うっさい!!絶対エロゲーになど負けるものかぁぁーーー!!!」


 私は体の中心にぐっと力を込める。何故だかわからないが、ロークの魔法を壊せる確信があった。


 私の未来は、私が決めるんだっっ!!!ってか、リアルハーレム超怖いーーー!!!

 

 感情が大きなうねりとなって体内に充満した。すると、パンッと何かがはじけ飛ぶような感覚がして、すっと体が軽くなる。惚けながらも両手をみれば動かせるようになっていた。そして、さっきまでの強烈な感情も霧散してしまった。


「魔法が………解かれた。」

「力業でか?」

「いや、あれなのでは?」


 アルフレッドがロークとケインに指し示した先。そこには私の左腕にはまった銀のブレスレットがキラキラと光を纏っていた。そういえば、貰ったが戦闘で使ったことが無かったな。確か………シールドブレス?だっけ。私も気付いて眼前に手を掲げてマジマジとそれを見つめる。使えるのは戦闘時だけだったと記憶していたけど……。そんな私にシステム文字が反応を示した。


    シールドブレス(アイテム)

      戦闘時、MP消費により攻撃を一定時間防御する。


 うん。そうだったよね。知ってるよ?


 プカプカ浮かぶ文字に、だから何だと首を傾げると、ピッと文字が追加されていく。


      戦闘時以外も可。防御力は下がるが持続時間はMP全消費で

     10時間となる。


 はあ…………え??


 何故だか、わからんのか馬鹿と言われている気がする。私は顔を思いっきりしかめていたら、文字がまた追加されていく。


      就寝時使用で軽度の攻撃、過度の接触を防ぐ。


 ん~と。ロークやケインのローブみたいな役割をするってことだろうか?


 そう考えるとシステムが頷いたようだった。分かりにくい説明だなとぶちぶち文句をたれながら、ものは試しだとばかりに発動させてみる。ブレスよ、私を守ってお願い。祈るように唱えればシールドブレスは肌に染み込むようにその容姿を消した。


 できた………のかな。


 特にこれと言って見た目にも体にも変化はない。MPは表示されていないのでこれもわからない。このままでは心許ない私は実証してみることにした。


「ローク。さっきはありがとう。止めてくれて。ちょっとおかしくなっていたみたい………。」


 私は少しおののくロークに警戒させないように笑いかけるとそのまま胸に顔を埋めてみた。さっきの仕返しも兼ねて。


「アスナ…………。こちらこそ、手荒なことをしてすいませんでした。」


 ぎゅっと体をロークに抱きしめられる。しかし、なんの変化も起きない。おかしいなと思いながらローク見上げるとその瞳がかち合った。あ、やべ。ぼうっと……しない?!


 え~、こんな効果なの~。でも、ロークの瞳をじっくり見つめられるのはいいな。………綺麗で神秘的で、すごく好きな色だ。


 ここぞとばかりにじっくりと眺めていたら、ロークの頬がほんのり赤くなっていく。


「明日奈。私を選んでくれるんですね………。」


 ロークがその魅惑的な瞳を細めて柔らかに微笑んだ顔を近づけてくる。


 ん?口づけられるっ!!と思った瞬間、バチンッと静電気が弾けたような音がして、驚いたようにロークが顔を引いた。


「な、何ですか………今の。」

「ほぉ………。これがシールドブレスの効果か。ぎりぎりじゃないと発動しないのね。ふうん。」

「えっ?!………アスナ??………ちょっ!!」

「うーん。私からの接触では効かない………と。」


 うろたえるロークにさらに擦り寄ってみたがバチンとはならないことを確認。ついでに首筋に唇をつけてみたがやはり結果は同じ。それ以上は………できないから確かめられないが、多分相手からの攻撃のみに有効なのだろう。


「シールドブレス、すっごぉい。このバリア?みたいな機能、最強じゃん。やったーーー!!!あぁ、システム、あんた神ね!!これで、セクハラも乙ゲーの危機も乗り越えられるーー!!」


 私はひょいとロークの腕から出ると1人ガッツポーズを決めた。もう、かなりのハイモードに入っていた私。その興奮を抑えられぬまま次のターゲット、ケインにガバリと抱き着く。


「え”っ、僕っ!ええっ?!」

「フフッ。よくも、散々弄んでくれたなぁ。日頃の恨み思い知れぇーー!!」


 私はワシャワシャと捕まえたままケインの脇腹をくすぐる。ケインは私から逃れようと身をよじるが調子に乗った勇者力は体力派ではない彼にはなかなか外せなかった。


「ハハッ、馬鹿っ。や、めろ!アハハッ、くすぐったいっ。」

「わあっはっはぁ!!!反撃できんだろー。」


 きゃいきゃいとケインにじゃれつく私を遠目に見ながらアルフレッドが呆然とするロークに話しかける。


「ローク。シールドブレスにあんな機能がありましたか?」

「はっ!………い、いや。確か戦闘用の大したことのないアイテムだよ~。こんな変則なバリアのような機能なんて聞いたことない~。」

「ですよね。俺の知識にもありません。となると、さっきアスナが言っていた通りシステムが関与したということに……?」

「元来ある機能に追加とか~。よろしくないね~。」

「ゲームが…………変化し始めてる?………おっ!!」


 ロークと話し込んでいるアルフレッドに私は後ろからタックルをかます。しかし、鍛えてあるからか不意打ちでもアルフレッドは軽くよろめく程度だった。


「へぇ。俺にもちょっかいかけてくれるのですか?…………アスナ」

「ひっ!!」


 しくったーーー!!!仲間外れは良くないと思って、悪のりし過ぎたぁーーー!!!


 にっこり笑って振り返るアルフレッドにゾクッと体が引けるが、前傾姿勢だったため反応が遅れた。アルフレッドに素早く手を取られてしまう。


「このくらいでは、弾かれないのですか。どこまで平気なのでしょうねぇ?」

「す、すいませんでしたっ!!」

「どうしたのですか?そんなに怯えて。折角なんですからブレスの効果を検証してみましょう。アスナも知りたいでしょう?」


 ノォォォーー!!助けを求めるようにロークとケインを見やればフワリと天井近くにまで浮いていて手が届かない場所にいた。


 自業自得。


 私はその言葉を痛感させられた。そう、アルフレッドは楽しそうに検証と称し、私の体の際どいところまで触って確かめられた。そして、わかった。このブレスレットは過度の接触の判断基準が非常に甘い事を。ほんとにギリッッギリとか、勘弁して欲しい。



「で、お部屋の手配はいかがいたしましょうか?」


 これだけの騒ぎをロビーで繰り広げて一段落したところに、淡々とした表情で宿屋の店主が話しかけてくる。さっきまでの出来事が何も無かったかのようなそのスルーっぷりに、モブすげぇなと私は心の中で妙に感心してしまった。

切り所がうまくいかなくて長くなった。とっ散らかってますね…………。

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