第0話
初心者が書いていますのでグダグダになるかもしれません。
あと時間がある時に書いているので不定期になります。
暇つぶしにでも読んでいただけると幸いです。
――――――――――**********」
何処とも知れない薄暗い祭壇とも、実験室ともとれる場所で、深紫色のローブを纏った人物が一人で儀式を行っている。
辺りには怪しげな薬品や古ぼけて煤けてしまっている書物が雑然と置いてあり、壁には解読できない文字や何処かの神話の怪物をモチーフにしたであろう絵が彫りこまれていたり、さらには得体のしれない動物の標本や骨までおいてある。
中でも一際目立つのは儀式の中央で不気味に光る魔法陣――の中に存在している真っ赤な心臓のような不気味に脈動する物体であろう。
一心不乱に呪文を唱え、祈祷を行うその人物の姿には何処か鬼気迫るものがあり、傍から見るとまるで悪魔や邪神でも召喚しそうな勢いである。
(――やめろ)
否、そこには一人ではなかった。
(やめろ!離せ!ここから出せ!)
..
もっとも、彼は今も儀式を続ける人物の協力者などではないようである。
(おい!ここは何処だ!何をしているんだ!)
もがく
もがく
あがく
あがく
(畜生!何で出来てやがるんだこの布?は!全然ほどけねぇ!
・・・・
こうなったらアレを使うしか――能力分配:ATK600 DEF400!)
すると女性とも男性ともとれない中性的な声が彼の頭に響いてきた。
*能力分配 行使===失敗
警告:身体が崩壊する危険性あり
...
(クソッこの体じゃダメだったか…!)
彼の頼みの綱は切れた。
彼を縛る拘束からは未だ抜け出せない。
それでも彼はもがき、あがく。
しかしながら実際のところ彼が縛られていると思っているものは彼を拘束しているわけではなくただ包み込んでいるだけに過ぎない。
何故、彼はそこから抜け出すことが出来ないのだろうか。
何故なら―――
・・・
――何故なら彼は齢2歳にもならない赤ん坊であるからだ。
正確に言うならば彼の「体は」であるが。
急に辺りが静かになった。
先ほどから呪文を唱えていた人物が黙ったからだ。
つまり行っていた儀式が最終段階に入ったということであろう。
するとその人物は彼を抱きかかえ、完成し明滅する魔法陣へと近づいていき、脈動する赤い物体の側に置いた。
(――女?)
頬がこけ憔悴し目の下に隈を作っていていなければ美人の部類に入るであろうその人物―彼女の顔には儀式が完成する喜びかもしくは自らの願いが叶うからか、目は潤み頬は紅潮し恍惚の表情が浮かんでいる。
そして彼女はおもむろに腰に下げていたポーチから真っ黒な短剣を取り出すと――
――脈動する物体へ思い切り振り下ろした。
(!)
短剣が突き刺さったその物体からはどす黒い液体が吹き出し、横にいた無防備な彼に降り注いだ。
(ぐああぁぁッ!なんだ⁉あ、熱い!痛い!体が焼ける!)
黒い液体がかかったところからは身を焼くような激しい痛みが襲い、ただでさえ幼い彼は狂ったように泣き叫んだ。
痛い、痛い、痛い!熱い、熱い、熱い!
絶え間なく激痛に襲われる彼の体は激しく痙攣する。
また彼も必死でもがき抵抗するがやはり何も出来ないまま液体を浴びることしかできなかった。
身体からはどんどん感覚が無くなっていき同時に彼の意識も薄れていった。
嫌だ、まだ、まだ死にたくない!
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だいやだ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だヤダ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だイヤ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だイヤダ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だイヤダ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だいやだ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だイや嫌だ 嫌だ嫌だ
嫌だ嫌だいや、イヤダイヤダ いや マダ ま 死にたくなしニタく
無慈悲にも黒い液体は彼の体に降り注ぎ続け、彼の体を黒く染め上げ――
やがて彼は黒い塊となった。
...
こうしてこの赤ん坊の二度目の人生は幕を閉じた。
よろしくお願いします。
完結まで書けるよう努力します。