悪魔に魂を売った日
うん。若い子にはちょっと刺激つよすぎるかもん。
用心してよんでねねねねね♬
ワタシは、悪魔の子供だった――。
子供の時からとてもいじっぱりの無鉄砲で、ワタシは情けなくも損ばかりしていた。クラスの人たちからも罵られ、屈辱的ないじめを受けていた。
それでも、じっとワタシがいじめに耐え続けていたのは、当時好きだったヒトがいたからだ。一目惚れしてしまった、あのヒトが……。
けれども、ワタシは知ってしまった。あのヒトが影で、友達と一緒にワタシのコトを見下すように嘲笑っているところを……。
そうして、その日の真っ赤に燃えるかのような太陽が照り付けて来る夕方、ワタシは悪魔に魂を売った――。
……このまま無事に、今日が終わってくれればと願っていた。
日記に書き写した今日を、消しゴムでなぞるかのごとく。
暇な一日でも良い。
退屈な時間帯でも良い。
とにもかくにも、
一日中ぼぉっとしていられるような、
そんな時間が欲しかった……。
薄っすらとした暗闇の中で、可哀想な少女が悲しげな表情でこちらをしっかりと見つめて来る。
明日や昨日と言った過去や未来などよりも、本当に今日一日一日が無事平穏だったらばと、ワタシは願いたかった。
「ごめんなさい――」
「――」
返事のない彼女に、ワタシはそっと囁いてみる。
てか、返事の出来ない彼女に。がふさわしいのかもしれない。
「……別に、あなたが悪いわけじゃないんですよ?」
そう諭すも、彼女の瞳から恐怖は拭い去られない。
ま、当然と言えば当然だけど……。
「……大丈夫です。事が終われば、あなたは自由の身になれますから――」
そういった瞬間、彼女の顔が異常なまでに恐怖でひきつる。
「ダメです。ダメです。暴れたら、大変なことになりますよ?」
そう言うも、彼女は必死に抵抗しようとして見せる。
「イ、イヤッ……!!」
かすれた声で、彼女が嫌がってみせる。
だけどワタシはおかまいなしに、彼女にアレを持たせる。
その次の瞬間――。
「――っ!?」
ワタシは彼女を抱きしめて見せた。
ズブリ――
アレがワタシのお腹に深く刺さる……。
「ぐっ……!」
「ヤッッ――?!」
じわじわと、紅い汁が真白いカッターシャツを汚してくる。
ワタシはさらに彼女を深く、強く抱きしめて見せた。
ズブリ、ズブリ……。
「ダ、ダメェェッ!!」
彼女が思わず叫び声を張り上げてみせた。
けどさ、もう遅い……んだ。
ワタシはニヤリと笑いながら、力なくその場にうずくまってしまった――。