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「‥‥はっ?」
ここどこ?
思わずパンを持ったまま回りを見渡す。
回りは全部自分より何mも高い木 木 木 木と果てしなく続いている土の道だけ。
何?どゆこと?
ただただ呆然と立ち尽くす。
空気は澄んでてちょっと緑臭いぐらいだし、
青々とした葉が太陽の光に照らされて、辺りが淡くキラキラ光ってる。まるで緑のカーテンだ。
目線を下にすると珍しく土で出来ている道はしっかり固められて、
都会とは違う靴の裏の感触が緩やかに蛇行しながら永遠に伸びていた。
おいおいおいちょっと待て俺こんなとこ知らんよ。
さっきまではこんなリフレッシュした所じゃなくてアスファルトジャングルだったはず。パン食いなが信号待ってて、渡ろうと一歩踏み出し‥‥
えっえっえっ えっ?!何で?!はっ?!
頭から血がさーっと引いた、気がした。
「誰かいませんかー?!おーい!」
辺りをキョロキョロしたり助けを呼んだりしながら約数十分。
イライラ イライラ
人は誰も居ないし進んでも進んでも木ばっか。
何だよ もー。迷子とか洒落にならん。
俺どうしたらいいの?持ってるのパンと少しの金が入った財布だけだしさーどうしよーもねーな。
何か疲れてきた‥‥まだ足は大丈夫だけど。
ジーンズなんか気にせず太い木の幹の根元に座り込む。
こんな太い木初めて見た どっしりしっかりしてて安定感抜群。そしてほんのり暖かい。さっきは焦ってて気付かなかったけどこうやってると安心する。
まずこれからの事を考えなくちゃなー
とりあえずは誰かに会おう。
ここはどこか聞いたり食べ物だとかをどうにかしなきゃ。
後は無いとは思うけどここが海外だった場合。言葉通じるかな?俺英語苦手なんだけど。ジェスチャー考えとこ。
とりあえず日本大使館まで連れてってもらおー
てかどうやってこんなとこまで来たんだよ。
そうだよ!どうやってきたんだろう?誘拐?記憶ないけど頭でも殴られたか?
それにしたって財布も盗らずに1人で放置とか何の目的?
わっかんねー。
でも絶対家に戻ったら警察沙汰だわ。家にも戻らない学校にも行けないとかもうそれ神隠しじゃね?
家にテレビとか来たりして‥‥うわあ何か考えるとゾッとする早く帰りたい。
まあとりあえず帰るには
「先に進むか‥‥」
名残惜しげに木を撫でてやっと立ち上がる。
少し体が軽くなった気がして上を見上げると、木々の影から綺麗な青空の欠片がみえた。
良し。
「何とか頑張ろ」