孤独は壷毒(ZERO)
久々に童話を書きました。
良いか悪いか自分でも判断つかないので
読者にお任せします。
孤独とは無臭の壷毒
泣いている あの子
身を粉にして
ガラクタを売っている
頭を撫でてやりたい
慰めてやりたい
しかし僕はZERO
愛情がZERO
孤独とは無臭の壷毒
泣いているあの子
身を粉にして
体を売っている
清めてやりたい
救ってやりたい
しかし僕はZERO
清廉さがZERO
かつていた仲間
みんな去っていった
僕は侵されている
孤独という名の壷毒に
ああ、太陽の前に曝されると
塵のように消えてなくなる
あの子達どこに行きどうやって暮らすのだろう
貧困な国家の実情
俺はそれを撮って来た
救いの手を差し伸べた事はなかった
ただ名前だけは教えた
すぐに覚えてくれた
十年後俺は日本で彼女達に偶然出会った
薔薇の様な芳香を放つ美女に成長していた
そのうちガラクタを売っていた女と
結婚した
その方が美しいし清らかだと思っていたから
しかし僕はZERO
甲斐性がZERO
体を売っていた女は日本でも同じ事をし
一日十万稼いでいた
ガラクタを売っていた女は日本でも同じ事をし
石のつぶてを百個稼いでいた
悲しい事にこれが日本の現実だ
妻は処女だった
こいつは何も知らない女なんだ
俺はカメラマン等辞めてサラリーマンになった
営業の仕事が意外と肌に合い
月々の稼ぎがかなり良くなった
俺は妻に綺麗な服を着せてあげたくて
たくさん買っていった
妻は言った 私こんなものいらない
あなたあの時と目の色変わった 「清貧」
あなたが教えてくれた言葉
でもお礼はしなきゃね
ランプを買って来てください
私は一度家に帰ります
数日後帰ってきた妻はランプに
見たことも無いような液体を入れ
沸かした
その香りを嗅ぐと
まるで天国にでもいるような心持ちだった
煙から羽根の生えた体長3㎝くらいの緑の服を着た
少年が現れた
少年は言う
「ふ~綺麗なランプは久々だな」
妻に、あの国の聖女の水を沸かしたのか?
と聞いた。
ええ、そう前はガラクタランプでゴメンナサイね
お願いがあるの 後二つ叶えられるんでしょう?
ああ 少年は言った
それでは前私の父が長生き出来ますようにとお願いしましたね
それと同じ願いをこの人にも叶えて上げて下さい
少年は言った 「ふーん150くらいだぞ
人間の考える事はわからんな」
私の宿主のランプよ この女の2つ目の願いを叶えたまえ
少年は言った 「願いは受理された」
では最後のお願いもついでに聞いて頂戴
私をこの世から消して下さい
俺は「何を言うんだ お前がいるから俺は働いて毎日幸せなんだ」
と止めた
妻は言った「サラリー貰える仕事も確かに良い でも私あの時の
あなたの澄んだ目忘れられない 父に捨てられた私はどんな男の人も
心から信じられない」
俺の事も?
いえ貴方は私の初めての人 愛しい
でもカメラマンやってほしい
私よりも不幸な人いる国たくさんある
それを日本の人達に伝えて
少年は言った「彼女はただの入れ物
本当は神の言葉を告げる乙女として生まれてくるはずだったんだ」
そんな・・・ 俺は絶句した
では最後の願いを叶える
「さようなら」
様々な色を纏いながら妻は消えていく
少年は言った「孤独は壷毒だ 確かに だからこそ見えるものもある
旅立て」そう言って消えた
俺は150歳で死ぬまで死ぬほど写真を撮った
149歳の時とある国で妻とそっくりな女を見て
思わずシャッターを切った
胸のロケットにその写真を入れて
「無念 孤独はやっぱり壷毒だった」
写真に涙が真珠の様にはじけ果てた
死後 彼の写真を見た物は口を揃えて絶賛し
国をも動かしたと言う
彼の人生は人より50年長いくらいだったが
決してZEROではなかった 晩年自伝本等出し
少し 売れた
どうでしたか?詩と物語が融合していれば良いのですが、
そうじゃないと少し読みづらかったかもしれません。
感想・評価等お待ちしております。