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第7章 白夜の羅針盤との再会


【レベル情報】

マルス:160

リード:380

ティファー:220

ルート:205

ニール:212


---


 要塞都市グランセル。


 巨大な城壁が、

 空を切り取っている。


 国家防衛戦。


 魔獣軍の大侵攻。


 各地から、

 精鋭が集められた。


 マルスは、

 城壁上に立つ。


 弓を構え、

 前方を見る。


 黒い波。


 魔獣の群れ。


 数だけなら、

 黒晶嵐域以上だ。


 角笛が、

 鳴る。


 戦闘開始。


 魔法が飛び、

 矢が雨のように降る。


 城壁が、

 震える。


 マルスは、

 淡々と撃つ。


 一射一殺。


 無駄がない。


 その時。


 背後で、

 聞き覚えのある声。


「……マルス?」


 振り向く。


 そこにいた。


 白夜の羅針盤。


 先頭に立つのは、

 リード。


 黄金の鎧。


 変わらない。


 だが。


 目が、

 揺れている。


「生きてたのか」


「死ぬ理由が、

 ないだけだ」


 短い返答。


 気まずい沈黙。


 ティファーが、

 一歩前に出る。


「……強くなったんだね」


 マルスは、

 答えない。


 話す時間は、

 ない。


 魔獣が、

 城壁に取り付く。


 マルスは、

 前へ出る。


 結晶装甲の魔獣。


 巨大な爪。


 振り下ろされる。


 マルスは、

 受ける。


 爪が、

 消える。


 存在ごと。


 白夜の羅針盤の面々が、

 凍り付く。


「……なにを、

 した?」


 ルートの声が、

 震える。


「否定しただけだ」


 それだけ。


 マルスは、

 矢を放つ。


 魔獣の頭が、

 弾ける。


 次。


 次。


 次。


 白夜の羅針盤は、

 援護に回る。


 いつの間にか、

 マルス中心の陣形。


 戦場が、

 安定する。


 ティファーが、

 回復魔法を飛ばす。


「……あの時、

 追放したのは、

 間違いだった」


 戦闘の合間。


 か細い声。


 マルスは、

 前を向いたまま言う。


「もう、

 関係ない」


 魔獣将級が、

 現れる。


 三体。


 城壁を越えようとする。


 リードが、

 剣を掲げる。


「俺が、

 斬る」


 飛び出す。


 勇者の剣。


 光を纏う。


 一体を、

 両断。


 だが、

 残り二体。


 マルスは、

 歩く。


 正面から。


 二体同時に、

 ブレス。


 マルスは、

 止まらない。


 ブレスが、

 消える。


 距離十メートル。


 矢を、

 二本同時に番える。


 放つ。


 両眼を、

 貫通。


 魔獣将が、

 崩れる。


 リードは、

 言葉を失う。


 戦いは、

 夜まで続いた。


 やがて。


 魔獣軍、

 撤退。


 城壁上に、

 疲労が広がる。


 白夜の羅針盤が、

 マルスの前に立つ。


 リードが、

 頭を下げる。


「……戻らないか」


 マルスは、

 首を振る。


「俺は、

 一人で行く」


 ルートが、

 苦笑する。


「昔とは、

 立場が逆だな」


 ニールが、

 小さく笑う。


「私たちが、

 後ろを守る側」


 ティファーは、

 涙を浮かべる。


「ごめんね」


 マルスは、

 何も言わない。


 憎んでいない。


 だが。


 戻る場所でも、

 ない。


 マルスは、

 弓を背負う。


 夜空に、

 星が浮かぶ。


 白夜の羅針盤。


 それは、

 過去だ。


 自分が進むのは、

 前だけ。


 マルスは、

 歩き出した。


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