外伝 追放した者たちのその後
【レベル情報】
リード:395
ルート:320
ニール:310
ティファ―:340
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夜明け前。
王都郊外の訓練場。
剣を振る音が、
響く。
ルートの剣は、
重い。
一振り、
一振り。
地面が、
抉れる。
かつての彼なら、
考えられない力。
だが。
表情は、
暗い。
「……まだだ」
呟く。
汗が、
滴る。
脳裏に浮かぶのは、
一人の弓使い。
無口で。
目立たなくて。
追放された少年。
マルス。
「俺は、
間違えた」
剣を、
地面に突き刺す。
一方。
神殿。
ティファ―は、
祈っていた。
かつて。
癒やす側だった少女。
今は。
裁く側。
浄化の光が、
闇を消す。
だが。
心の闇は、
消えない。
「どうして、
止めなかったんだろう」
追放の時。
何も言えなかった。
勇者の判断に、
逆らえなかった。
弱さ。
それが、
胸を刺す。
ニールは、
書庫にいる。
分厚い魔導書。
否定耐性についての、
記録。
ほとんど、
存在しない。
「当たり前よね」
「神すら、
無効化するなんて」
本を、
閉じる。
「理解できなかった」
「だから、
捨てた」
自嘲。
リードは、
王都の屋上。
剣を、
膝に置く。
勇者の剣。
今では、
重い。
「マルス」
名前を、
呼ぶ。
返事は、
ない。
それぞれが、
思う。
あの時。
別の選択が、
あったのではないか。
答えは、
出ない。
だから。
進むしかない。
ルートは、
剣を握る。
「次に会う時は」
「胸を張れる俺で、
いよう」
ティファ―は、
祈りを変える。
「癒やすだけの、
聖女じゃない」
「守れる聖女に」
ニールは、
研究を続ける。
「否定じゃなく」
「理解へ」
リードは、
立ち上がる。
「勇者じゃなくても、
いい」
「俺は、
俺として戦う」
それぞれの、
道。
マルスと、
交わるかは、
わからない。
だが。
あの日の追放が、
終わりではなかった。
始まりだった。
それぞれの、
贖罪の。




