第89話 アリアの序章
アリアは実家に帰って来てまもなく街に護衛もつけずに抜け出した。
もちろん止めたがアリアは止まらない。
その足で街の冒険者ギルドに依頼を受けに行った。
あーあ、今日これからピアノの先生来るって言ってたのに…
「スケさん、この依頼を受けましょう!」
アリアが持って来た依頼はコボルトの討伐だった。ゴブリン討伐とほぼ変わらない依頼だな。
しいていうなら、コボルトの方が群れで動いてることが多いことくらいか。
—アリア、帰ったらどうする気だ?怒られちゃうよ?—
「民を守るのにピアノの授業はいりませんわ!悪しきモンスターを討伐するほうが有用ではありません?」
—でも、勉強はしておいた方がいいと思うぞ?この世界は誰でもできるわけじゃないんだ—
そう、この世界はだれでも勉強ができるわけではない。もちろん、前の世界でもだれでも勉強できるわけではないが、この世界で勉強できるのはもちろん、金を持っているやつだけだ。
せっかく親が家庭教師をつけているんだから勉強した方がいいと思う。
「私は筆よりも剣を取りますわ!だってそっちの方が力になりますもの!」
—いいかいアリア、時に剣よりも筆が勝るときもあるんだよ—
「スケさんは勉強いっぱいして来たんですか?」
アリアは純朴な目で俺を見て首を傾げる。
—さぁ、アリア。コボルトを倒しに行こう!—
「…これはしてませんわぁ!」
ポカポカと俺を殴りながら依頼された森に俺たちは向かった。
「あれだな、コボルト。」
二足歩行の大型犬のようなモンスター、コボルトが3匹森を歩いているのを発見した。
「えぇ、居ましたわね!スケさん!」
—おう!—
俺はあっという間にコボルト3匹を倒した。
そして俺はふと思った。
あれ、これ俺が戦ってるだけじゃね?と。
—アリア、お前も戦わないと強くならなくないか?—
「えっ?だってスケさんは私の召喚したテイムモンスターなんですからスケさんが強くなれば私も強くなってると言っても過言ではないのではないですか?」
確かにそうだが…それはなんか違う。
だって、俺はもともと強くてレベルを落としてスケさんにしてるのだ。これ以上強くなるつもりはない。強くなろうと思えばどこまでも強くなれてしまうし。
そういう成長ではなくて、俺が見たいのはもともと弱いやつが強くなって行く様だ。
んー。アリアには俺の他に使役するモンスターが必要だな。
—アリア、モンスターをテイムしに行こうか—
「スケさん…」
—ん?なんだ?—
「他のモンスターを召喚する魔力はありませんわぁ。スケさん1匹召喚するので精一杯ですの!」
あぁ、そうだった。
魔力問題があるのね。
魔力は長い年月をかけて増やしていくものだ。
アリアはまだ幼い。
一応俺を毎日召喚していたりと結構魔力を使って魔力は他の子よりも多いだろう。だけど、スケルトン1匹を召喚するコストなんてたかが知れている。
アリアは召喚術師として強くなるには魔力が圧倒的に足りなかった。
んー、俺は近くで見ていたいし。どうしようかな?あんまり待つのもいやだしなぁ。
なら、与えてしまえばいいか。
また主人公のアリア贔屓が始まりました笑笑
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