第87話 王妃ロベアの最後の暗示
俺は王妃の首を媒体に王妃の魂を呼び出した。
俺の術により王妃の魂が呼び寄せられる。
ロベアの首は半透明な黒き巨龍の姿となり、姿を現した。
だが、ところどころ身体は欠損しており、顔も苦しそうに苦悶の表情を浮かべている。
「お前は王妃ロベア、いや、邪教の教祖ロベアか?」
俺は現れた巨龍に問う。
「ぐぅああ!!!!」
ロベアは焦点が定まっておらず、吠える。
「ふむ。かなりな禁術に手を染めていたな。魂がボロボロだ。もう理性もないか。」
残念だ。この状態で俺に嘘はつけない。だから、真実を聞き出そうと思ったんだが…
こいつが術者であるという確証が持てない以上、龍の国は滅ぼしておいた方が無難か?
「に、憎い。こ、この、世界のす、全てが憎い!呪ってやる!の、のろ、…」
「お、まだ話せるだけの知性はあるか?お前は誰だ?」
「私がきょ…、私がじゅつ…狂え…。」
ボソボソとロベアがなにか言い始めた。
「ん?」
「私が教祖!!私が術者!!狂え!狂え!狂ってしまえぇ!!!」
ロベアは急に大声を出して狂い始めた。
「お前が邪教の教祖で、イータルを召喚しようとした術者か?」
俺はもう一度同じ質問をする。
「私が教祖!!私が術者!!世界を、私は、の、呪う!私すらも、のろ、う!全てをのろ、う!」
ロベアはただ同じようなことを繰り返す。
「そうか…」
「お、お母様…」
デリラは悲しそうに母を見つめていた。
「殺して、やる!!!」
ロベアは牙を剥き俺に向かって来た。
「ザラキエル。」
俺はザラキエルを呼ぶ。
「はっ!天上の光。」
ザラキエルは祈るように両手を組み、天より聖なる光を召喚した。
「あ、あぁ。」
聖なる光に浄化されてゆっくりとロベアが消えていく。
—ごめんなさい、デリラ…—
最後にそう言ってロベアは完全に消えていった。
「俺に呼び出された魂は決して嘘をつけない。つまり、これで教祖、いや術者は王妃であったと確証を得た。ここで終戦とする。ザラキエル軍の撤収を始めろ。」
「はいっ!!」
嬉しそうな表情でザラキエルが答える。
こいつ…おそらくこの侵攻には内心、反対だったのだろう。だからパンドラが降伏を断ろうとした時に反抗したんだろうな。
みんな個性が強くて困る…
まぁ、それも面白いのだがな。
「あっ、それと一つ忠告だ。もしも、次イータルを召喚できるような儀式をこちらで確認したら次は問答無用で龍の国は滅ぼす。そこには今回のような慈悲はない。竜王ダイヤにも目覚めたら伝えておけ。」
「は、はい。」
デリラは震えながら答えた。
その後龍の国は正式に敗北を宣言し、俺に多額の賠償金を支払った。
竜王ダイヤも一命を取り留め、大人しくしているらしい。
パンドラはたまに終末のモンスターとエンカウトしてやられている。
いつもアステリアが心配そうに見つめて蘇生もアステリアが行っている。助けに行きたそうにパンドラを見ているから面白い。
でも、パンドラもあの迷宮の玉座の間まで行ける頃には自分がいかに小さいかがわかるだろう。
まぁ、もうわかってるかもしれないが…
さて、龍の国の話は一旦ここでお終いだ。
イータルを召喚されそうになってかなりうざかったが、まぁ色々と面白かった。
そして今、アリアがとっても面白いことになっている。さて、どうなるかな?楽しみだ。
ロベアの最後の暗示、それはこの場を見越してかけていたのでしょう。魂の姿になっても解けない強力な暗示を。デリラに剣が向かないようにした母からの最後の餞別です。
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