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第83話 交渉材料

「父は意識不明の重体だ。これよりは私が竜王代理だ。良いな?」

私はダイヤが座っていた玉座に深く座り、急遽竜王代理としてこの国の舵をとることにした。


今、ここ玉座の間にはこの国の有力者達を集められるだけ集めた。


「はっ!四龍が1人 地龍アミーは姫さまのため命を賭けます。」

アドネスが重体の今、最後に残っている四龍の1人の1人、地龍 アミーが膝をついて言う。

ちなみに、黄竜は地下牢にいる。


「それはいいけど。で、どうするの?僕の軍もほぼ壊滅状態だよ。竜王ダイヤ様には恩がある。出て来たはいいけど、一緒に死にたくはないかな?」

妖精王 ダークハイフェアリーのミンクが不貞腐れたように言う。


「現状敵に勝つこと不可能でしょう。我らは降伏します。」

私の発言にざわざわと玉座の間に不穏な空気が流れる。


「姫様!?待ってください、誇り高き我ら龍が敵に降るなど!!撤回してください。我らは死ぬ覚悟はできています。」

1番最初に反発したのはアミーだった。

クソ!さっき私に命を賭けると言っていたくせに。だから、龍はめんどくさいのだ。私はお前と一緒に死ぬなんてごめんだ。


私に賛成と反対の者は半々と言ったところか。


「僕はいいと思うよ。勝てないよあれ。竜王ダイヤ様もやられてしまったし、僕が戦った敵の大将格のゾンビやばかったよ?あれは三大王クラスの化け物だ。あの化け物が複数いるとして、兵力差も圧倒的に不利な状況。勝てるわけないよね?降伏一択だと思うよ。まぁ、相手が受け入れてくれるかどうかは別だけど。僕が敵だったらこのまま攻め落とすかな?」

ミンクが疲れたように言った。


「黙れ、部外者め!貴様に龍の誇りのなにがわかる!ここで貴様の息の根を止めてやろうか?」

アミーがミンクの言葉に激昂する。


「やってみろよトカゲ野郎。こっちは命懸けで手勢を率いて助けに来てやってるんだ、そんなこと言われる筋合いはない。」

ミンクは顔に青筋を浮かべてアミーと睨み合う。


「地龍アミー、やめなさい。魔王ミンク殿は自らの血を流し我らを助けてくれているのです。弁えなさい。」


アミーはまだ納得がいっていないようにミンクを睨みつける。


はぁ、まぁ、私がこいつらをまとめ上げられるわけないですよね。

さっさと話を進めますか。


「これは竜王代理としての私の決定です。我らは降伏します。異論は認めません!そして、そのためにまずは…母の処刑を行います。」


これには多くの反対の声が上がった。

やはり母の権力はすごかったらしい。色々な有力者から待ったがかかった。


しかし、それも母の一声で静まった。


「竜王の決定は龍の国では絶対です。それがたとえ代理といえどもね。」

奥から手錠を嵌められている母のロベアがそう言いながら歩いてきた。


「お、王妃様!」「王妃様だ!」「あぁ、王妃様なんということだ。」

次々に有力者たちが母に縋り付くような情けない声を上がる。


この国で竜王ダイヤの次に権力を持ち、力を持つものは母である王妃ロベアだ。だから、我らの邪教はここまで大きくなれた。


その母が私に賛成の意を示したことで私に反発する者はいなくなった。









 


そして、すぐに王妃ロベア処刑は滞りなく行われた。最後まで母は余裕そうな笑みを浮かべて行った。


「私がきょ…、私がじゅつ…狂え…。」

そして母は最後なにかつぶやいていた。





私は母の首を持ち、敵陣営に交渉しに行くのだった。

龍の国で最高の頭脳が失われました…


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