第80話 ハクア防衛戦
「まずい…龍軍すら破られただと!?龍の国の最強の部隊だぞ!」
デリアは瀕死のアドネスを見ながら悪態をつく。
アドネスも龍の国の大将軍の1人だ。それがこんな瀕死になって戻ってくるなんて…
正直舐めていた。
荒野の覇者が送ってくるという大軍勢を。
我が国ならば損害は出るだろうが跳ね返せると思っていた。竜王ダイヤならばなんとかするだろうと。
それがどうだ。敵軍は大軍にもかかわらず凄まじい進軍スピードでもう龍都 ハクアのすぐそばまで迫っている。
敵軍はハクアに至るまでの全ての砦や、都市、城を全て無視して進軍してきているのだ。
普通、攻略しなければ背後から撃たれる可能性もあるし、退路だって確保しなければならない。敵もそれはわかっているだろう。だが、敵軍は攻略せず一直線にハクアに向かってくる。
背後を撃つなら撃てと、退路など必要ないというばかりに。
竜王ダイヤは残された全軍25万と生き残った龍軍、大将軍である四龍の地龍 アミーと青龍 ブルーノスを率いて最終決戦に挑むつもりだ。もしもこれで敗れたら龍都 ハクアを守る戦力はいない。
そして、敵の戦力は目算で80万強。
絶望的な戦力差である。
私も今回の戦いには参戦する。もちろん積極的に戦いはしないが最悪の場合を考えなければならない。
「最悪の事態を考えなければ行けませんね。」
私は邪教徒の精鋭たちを侍らせて父である竜王ダイヤとともに戦場に向かった。
私達は龍軍に混ざり、竜王ダイヤ、青龍ブルーノスに率いられて参戦する。
地上の軍は地龍アミーが率いている。
「すごい数ね…」
凄まじい数の敵の大軍が隊列を組んで進軍してきている。
「お前達、恐るな!お前達にはこの竜王ダイヤがついている最強の軍である!敵の数に誤魔化されるな、我らは最強種の龍種だ!すべてを灰に変えてやろうぞ!!」
竜王ダイヤの号令とともに全軍が敵軍に向かっていく。
我ら龍軍は敵の大軍に向けて一斉にドラゴンブレスを吹きかける。
強力なドラゴンブレスの一斉掃射によって敵軍はみるみるうちに焼けて灰となる。
戦闘の序盤は我らの圧倒的有利に事が運んだ。
まず一つが優秀な我が国の将兵達が龍都ハクアに至るまで敵が無視して通過してきた城や砦や都市から軍をかき集め敵の背後を撃ったのだ。
その数30万。他国からの国防などほっぽり出してかき集めてくれたのだろう。
それだけ今は危機的状況だ。
これで我らは敵を挟撃する形となった。
もう一つは援軍の到来だ。我が国の危機を察知した魔王ミンクが五万の援軍を連れてやってきた。
妖精王であるミンクの活躍も凄まじく、敵軍の側面に突撃し、今もなお快進し続けており敵軍の深部へと突き進んでいる。
我らが完全に制空権を奪っていることも大きい。時々飛んでくる敵の部隊がいるが、竜王ダイヤと青龍ブルーノスに率いられた我ら龍軍の敵ではなく撃墜していく。
このまま我らが有利に進み、勝利の光が見えたかに見えた。
しかし、状況はある者の登場により一変した。
「やあやあ、君が竜王ダイヤかい?私はパンドラ、主様よりこの軍の総大将を任されている者だ。」
たった1人で我ら龍軍の前に立ち塞がって彼女はそう言った。
「貴様がこの軍の大将首か!!我が名は四龍が一人青龍ブルーノス!のこのこ1人で出てくるとは!その首、貰い受ける!」
そう言ってブルーノスが立ち塞がるパンドラに向かって行った。
「待て、ブルーノス!!」
竜王ダイヤが飛び出して行くブルーノスに声を張り上げて行った。
最後の抵抗を見せていますね。
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