第78話 衝突
「さて、平野まで進軍してきましたが…パンドラ様の予想通り龍の国の軍勢はここで我らを迎え撃つようですね。」
ザラキエルの正面には龍の国の軍勢20万が展開されている。
龍の国の軍勢は様々な種族が入り混じっているが、将兵は龍人が多いように見える。
「トゥルーアンデット。」
ザラキエルがSランクモンスターの将軍を呼ぶ。
「はっ、ザラキエル様。ここに。」
ザラキエルとトゥルーアンデットはランク的には同じだが、ザラキエルはこの軍の副将だ。そして何よりジンから直接名を賜っている。
立場上はザラキエルが上だ。
「敵と同数の20万を率いて敵軍と真正面からぶつかりなさい。」
「了解しました。」
トゥルーアンデットはそういうと剣を抜き、20万を率いて敵軍に向かって行った。
「我が名は四龍が1人 赤龍 アドネス!貴様らはここで灰となれ!!」
空から巨大な龍達がアドネスに率いられて飛来する。その数は数百匹。あれがあちらの主力であろう。
トゥルーアンデットが率いている20万の大群にアドネスに率いられている龍の一匹一匹がドラゴンブレスを吐き、味方を燃やしていく。
その熱は凄まじくあっという間にこちらの軍の数を減らしていく。
「これは確かに凄まじいですね。三大王の軍勢だけはあります。あの赤い龍が敵の大将でしょう。竜王ダイヤはきていないようですね。」
ドラゴンブレスをくらっているトゥルーアンデットの軍は数を減らしながらも敵軍とぶつかり、混戦となる。
そうなると、前線への攻撃をやめ、今度はアドネスに率いられた数百の龍たちはこちらの本陣に向けて真っ直ぐ向かってくる。
「まぁ、そうなりますよね。ハイリッチども、編成した魔法部隊と共に防御壁を展開しなさい。ジャイアントアンデットヒーロー!矢面に立ってドラゴンブレスを受けなさい。」
命令されたハイリッチたちは編成された魔法部隊とともに強力な魔法の防御障壁を張る。
そして、ジャイアントアンデットヒーローが軍の先頭に立った。
「バカめ!我らのドラゴンブレスをまともにくらう気か?灰にしてくれる!!」
アドネスはそう言うとジャイアントアンデットヒーローに向けて強力なドラゴンブレスを放つ。
率いられている龍達も敵軍にドラゴンブレスを放った。
ジャイアントアンデットヒーローは手を広げて放たれたドラゴンブレスを受け、それを握りつぶした。そしてそのまま手を伸ばして、1匹の龍を捕まえて引きちぎった。
他の龍たちの放ったドラゴンブレスも魔法の障壁に阻まれた。
「化け物か!?皆のもの、旋回し、再度ドラゴンブレスを放つぞ!」
アドネスは旋回し、再度ドラゴンブレスの一斉放射を放とうとする。
「こんにちは、赤い龍よ。私は副将ザラキエル。お相手願います。」
大きな鎌をもったザラキエルが空を飛べる兵を大勢従えてアドネスが率いている龍達が旋回しようとした方向に展開し、阻む。
「くっ!我が名は四龍が一人 赤龍 アドネス!その首貰い受ける。皆のもの!敵を滅ぼせ!」
アドネスは龍達を率いてザラキエルに向かっていった。
「者ども、動くすべてを殺し尽くせ!」
敵軍にたどり着いたトゥルーアンデットはそう言い、敵を次々と切り倒していく。
「貴様がこの軍の将か!?我が名は青龍を祖にもつ龍人 オアニ!貴様の首、貰い受ける。」
そう言って青い鱗の龍人の将兵がトゥルーアンデットに切り掛かる。
トゥルーアンデットはそれをわざと斬られて見せる。
「感じない。痛みもなにも。」
トゥルーアンデットの身体は切られたそばから一瞬の内に再生していく。
「なっ!ば、ばけも!?」
トゥルーアンデットは龍人の驚いた顔を凄まじい力で掴む。
そして、龍人の顔を握り潰した。
「ただ一つだけ確かに感じられるのは命を絶やす愉悦のみ。ふははっ!」
トゥルーアンデットは龍人の返り血を浴びてそう言って大きく笑う。
そして、敵軍に切り進んでいく。
ドラゴンブレスを受けたトゥルーアンデットの軍は大きく数を減らし、20万から5万程に減っていた。
アドネス率いる数百の巨龍の大部隊のドラゴンブレスによって実に15万の戦力を削っていたのだ。どれだけ強力なブレスだったのか想像に容易いだろう。普通の軍であればこれで勝負がついている。それほどアドネスが率いていた龍たちのドラゴンブレスの一斉掃射は強力だった。
20万対5万。どう見てもトゥルーアンデット側が不利である。
しかし、トゥルーアンデットの圧倒的な武力によって敵軍の20万は敗走に追い詰められていくのだった。
三大王クラスの猛者がこんなにいたら止められませんよね…
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