第68話 拠点急襲
「ビンゴ!やっぱりここらへんだったか。」
アリは夜闇に紛れて大きな倉庫に忍び込み、倉庫の天井から次々と召喚陣が描かれている魔道具から縛られて出てくる人間や亜人を息を潜めて見る。
「古代の魔道具を使って召喚している感じかな。じゃあ、あれを抑えればこちらの勝ち?一回戻ってジンさんとアドネスさんに報告しよう。」
アリは息を潜めて報告するために来た道を戻った。
「なるほど、拠点を変えられる前に、すぐに兵を集めて制圧しよう。」
アリの報告を受けたアドネスがすぐに部下に慌ただしく命令し始めた。
「さすがアリだな。お手柄だ。」
俺はアリを褒めた。
アリは強くはないが、こう言った調査や潜伏などはかなりレベルが高い。
アリがいなければ拠点の発見はもっと時間がかかっていたことだろう。
「ほんと死ぬかと思いましたよ。見つかれば殺されてますからね?」
「たしかにそこらへんの見張りに見つかってもアリはやられるだろうな。」
ルーファがアリを揶揄うように言った。
アリは事実のため言い返さずジト目でルーファを見つめる。
「さぁ、今夜中にこの任務はほぼ終わりかも知れないぞ?」
こうして俺たちは準備を整えアドネスの部隊とともに邪教の拠点に強襲を仕掛けた。
アドネスの部隊がべらぼうに強くあっという間に拠点は制圧された。
俺たちはただ後ろからみていただけだ。本当にあっという間だった。
「やられたな。これは情報が漏れていたと考えていい。」
俺は拠点の急襲が一段落したあとそう呟く。
肝心の転移魔法陣の魔道具がどこにもないのだ。こんなに早く動いて勘づかれたと言うことはないだろう。
情報が漏れていて俺たちが来る前に急いで持ち出したのだろう。
「くっ、急いで周辺を探れ!かなり魔道具は大きなものだった。龍化して持って行ったら目立つから馬車かなにかで輸送しているはずだ。そう遠くには行っていないはず!逃げるならおそらく街の外だろう、すぐに街の門を閉めるように通達しろ!夜中に馬車が門を出ていないかも調べるんだ。」
アドネスが部下を急いで市街地に放った。
「…追跡の精霊よ、我が道を示せ!」
ルーファが呪文を唱えるとルーファの周りに小さな光たちが現れ始める。
そして、その光はルーファを導くように動き始めた。
「精霊術師?」
ルーファの術を見てリーナが首を傾げて言う。
「まさか精霊術師だったとは。確か精霊術師とは、エルフの中でも稀有な才能を持つ者が長年の精霊との交信を行うことで精霊の力を借りて術を行使できる者と聞くが?」
アドネスがルーファに言った。
「はい、私は攻撃する術こそあまり習得していませんが、精霊術の心得があります。さぁ、この子たちの後を追いましょう。ここに残っている強力な魔道具の痕跡をこの子達が探して我らを導いてくれます。」
ルーファの魔法の使える魔法は普通の魔法だけではない。精霊術と呼ばれるエルフ特有の術を使うことができる。精霊術を使えるのはエルフだけであるが、精霊術に適性があるエルフは本当に少なく稀である。そして、ルーファのように精霊が素直に言うことを聞いてくれるまでには相当な年月の修練と精霊との交信が必要となるだろう。
普通、精霊術を使えるエルフは大切に里で匿われる。どこに出かけるにしても護衛をつけ、里から出ることは許されない。
…こいつなに食わぬ顔で冒険者をしているが、たぶん里からの逃亡者で間違いないだろう。
俺たちは敵は魔道具を持ってハクアの外に向かって逃亡していると思っていた。
だが、精霊達が向かっていくのは中央の竜王ダイヤの居城 ハクア城だった。
内通者は誰だ!?笑
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