第67話 作戦会議
「皆さん未熟者ではありますが、どうかよろしくお願いします!竜王ダイヤの娘デリラです。」
ダイヤの娘が俺らに挨拶する。ダイヤと違って快活で明るい女の子という印象だ。
俺らは赤龍アドネスに連れられ、兵舎の一角に連れていかれた。どうやらここでこれからのことや邪教について話すようだ。
「さて、情報を共有すると言っても我らも調査を始めたばかりで、あまり持っている情報は多くない。まず、邪教の名前は神龍新世界教。伝説の神龍 イータルを神として崇め、いずれ神龍 イータルが再びこの世界に降り立ち、他の種族と世界を滅ぼし新しい世界で龍族が支配する新世界を作るという邪教だ。国内に拠点は複数あると思われ、すでに数箇所は発見し、殲滅している。敵は我らと同じ龍種で手強い。今のところ全体数も教祖も不明。信徒を捕まえようとしても、逃げられるか自害されているのが現状だ。今は地道に邪教の痕跡から調査している。」
「うーん、なるほど。情報を整理するか。まず、神龍イータルは自分で出てくるのではなく、邪教の儀式によって召喚される。したがって向こうの勝利条件は儀式の成功だ。俺らの勝利条件は儀式の阻止または邪教の壊滅。では、俺たちはなにを目標にすればいいと思う?ルーファ君。」
このままのやり方では、かなり時間がかかりそうだ。まず俺たちのやることを明確にする必要がある。
「敵の目的は儀式を成功させること。ならば、儀式をできなくして仕舞えばいい。だから、我らがすることは術者を探すことだな。」
「うん、いい線いっているぞ。でも、それだけでは、70点だ。」
「では、なにが足りないんだ?」
ルーファが首を傾げる。
「祭場とかですか?神龍を呼び出すほどの大きな儀式です。おそらく大きな祭場が必要でしょう?」
ダイヤの娘デリラが手を挙げて答える。
「王女様は聡明でいらっしゃる。でも、それでも80点です。」
まぁ、それもあるが、祭場は潰しても他にいくらでも整えられるだろう。もっと致命傷を敵に与えなくてはならない。
「では、なんなのだ?」
ルーファが痺れを切らして、俺に言う。
「神龍イータルを呼び出す程の大きな儀式にはそれなりの代償が必要だ。つまり、生贄が大量に必要になるはず。そして、その大量の生贄を竜王ダイヤのお膝元であるここで調達することは非常に困難。つまり国外に生贄を調達する拠点があり、こちらに輸送しているのだろう。そして、ハシャ曰く、イータルを召喚しようとする召喚魔法が発動されているのはこのハクアからだ。」
「なるほど!話が読めたぞ。生贄の補給を断つわけか。そうすれば儀式は行えない。そんな大量の生贄の人々を地上で輸送していたらすぐにバレてしまうよな…ならば、輸送手段は転移魔法しかないだろう。転移魔法などの高位魔法を使える術者は限られてくる!」
さすがルーファだな。話が早い。
まぁ、もっと言えば、敵はこの竜王ダイヤのお膝元である1番リスクの高いハクアでしか儀式を行えない。つまり、召喚できる術者は1人しかおらず、術者はハクアから簡単に移動することができない人物ということになる。
「いや、古代の魔道具を使っている可能性もある、一概に転移魔法を使えるものが邪教徒と断定するわけにもいかないが、転移魔法を使えるものと魔道具の取引歴を洗ってみよう。」
アドネスもなにをするべきかわかって来たな。
「そうだな。そして、捜査範囲はハクアにのみ縮小して戦力を集めよう。」
「あぁ、今までハクア以外にも派遣していた兵を集められ、何十倍もの戦力で調査できるはずだ。」
アドネスがハッとしたように答える。
「何十人何百人規模の生贄を必要とするのであれば、人目があるところに生贄を転移させる訳には行きませんよね?ということは生贄の転移されている拠点の場所は限られて来ますね…僕はこの辺りを一回探ってみます。」
アリが顎に手を当て考えるとある一区画を指差した。
たしかにそのポイントはあやしいなさすがアリだ。鋭い。
「転移の術者や魔道具はとても希少だ。それを抑えて仕舞えばもうしばらくは儀式を行えないだろう。そして、イータルを召喚しようとしている術者もこのハクアにいるはずだ。」
ルーファが顎に手を当てて考えながら言った。
やっぱり、ルーファとアリを連れて来たのは正解だった。この残念コンビは頭も切れるし実力もある、実はかなり優秀な人材なのだ。
話し合いが上手くまとまるし、調査も早く進みそうだな。
これなら2ヶ月も掛からず終わりそうかも知れないな。
ルーファとアリの2人は本当はすごく優秀なんです。やる気が致命的にないだけで…笑
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