第66話 ダイヤへの謁見
俺たちは身支度を整えて城に向かう。
「待て!ここから先は許された者以外立ち入ることができない。貴様らは何者だ?」
城に入ろうとしたら門兵の龍人に捕まった。
そりゃそうだ。
「すまない、邪教について依頼を受けてここまで来た。現在龍の国で掴んでいる情報を知りたい。誰か詳しいものに取り次いでくれないか?」
「あぁ!?誰の依頼だ!?」
門兵が威圧的に答える。
「荒野の覇者のハシャだ。」
「なんだ、そのふざけた名前は?バカにしてるのか?劣等種が!」
やっぱり龍種って、すっごい感じ悪いな。
いや、こいつは龍人か?
ガコンッ!
後ろから現れた赤髪の鎧を着た女性が現れ、怒鳴り散らかしている門兵の頭を殴った。
「いたっ!誰だ!!って、赤龍 アドネス将軍!?」
「愚か者が。荒野の覇者殿を知らないのか?それになんだその態度は?貴様、名はなんという?どこの隊長の所属だ?」
「す、すみません!どうかお許しを!!!」
門兵の龍人は土下座でその将軍に謝る。
「ふん、まぁよい。すまない客人よ。それで?邪教についての依頼を荒野の覇者殿より受けていると言ったな?」
「あぁ。」
「私は龍の国 四龍が1人 赤龍 アドネス。今回邪教の壊滅の任を竜王様より賜っている。」
「四龍って!龍の国の大将軍じゃないですか!?あわわっ!」
アリが慌てている。いや、アリだけではない。ルーファもリーナも緊張している。四龍っていうのはかなり有名みたいだな。
うん、たしかにこいつ強いな。魔王クラスか?
「俺たちはクーリッヒの冒険者、パーティー クローバーだ。荒地の覇者のハシャの依頼で邪教の調査に来た。これは依頼書と協力依頼のハシャからの手紙だ。」
俺はそう言ってアドネスに依頼書と手紙を渡す。
「拝見する…確かに正式な依頼のようだ。だが、邪教のことは国家機密だ。一度、竜王様にお伺いを立てなければいけない。少し別室で待ってて貰えないだろうか。」
「わかった、待とう。」
「おい、お前ら客人を国賓室に案内しろ。」
「た、ただの冒険者を国賓室にですか!?」
アドネスに命令された先ほどの門兵が驚く。
「はぁ、この者たちは荒野の覇者からの言わば使者だ。丁寧に協力を依頼する文書までしたためている。絶対に失礼のないようにしろ。外交問題に発展しかねないんだぞ。」
門番はどんどん青ざめて震え出してしまった。
しばらく案内された豪華な国賓室でくつろいでいると、アドネスが入って来た。
「竜王様直々にお会いになるそうだ。」
俺らは玉座の間に通される。
ちなみに、俺以外の3人は緊張でガチガチだ。
それはそうだろう。これから三大王の1人と会うことになるのだから。
豪華な玉座に竜王ダイヤが足を組んで座っており、隣に王妃だろうか?綺麗な龍人の女性が座っている。
そして、豪華なドレスを着ているダイヤと同じ黒い髪の龍人の若い女性も隣で立って控えていた。
これはダイヤの娘かな?
「我は大魔王にして竜王 ダイヤだ。お前らがハシャからの使者か?」
「迷宮都市クーリッヒから参りました。冒険者パーティーのクローバーのジンです。後ろの者達は私の仲間です。荒野の覇者より邪教の調査の依頼を受け参りました。」
「…たしかに人間にしては手練れのようだ。しかし、ハシャの使者はお前らだけなのか?」
ダイヤはじっと俺らを見てからそう言った。
「はい。ハシャから依頼を受けているのは私たちだけです。」
「ふん!役に立たぬな。これだけしか送れぬところを見ると余程ルーとの戦いで痛手を負ったと見える。確かにやつの実力は本物であった。しかし、ルーとルーの大軍勢の実力もまた強大。噂では、ルーが大敗したと聞いてはいるが、ハシャも無傷という訳にもいなかいだろう。」
「は、はぁ?」
なに言ったんだこいつ?
「先にルーと戦って消耗したハシャを叩くのもアリかもしれんな?ハシャを潰し、ゆっくりと自国の問題を解決すればいい。そう思わないか?使者殿?」
あぁ、そうか。こいつ挑発しているのか。
挑発して少しでもハシャの戦力の情報を引き出そうという魂胆か。まぁ、いいだろう。用意してある戦力を教えてやるか、その方が話が早いだろう。
「…私には答えかねます。しかし、ハシャは100万の大軍と、それを率いるSSランクモンスターの将軍をすでに用意しており、いつでもこちらに出陣できる状態にあるとだけ伝えろと言われております。」
「な、なんだと!?SSランクモンスター!?SSランクモンスターなど神話の化け物だぞ?それに100万の大軍だと?一体どこにそんな戦力があるというのだ!?ハッタリを!!」
ダイヤは驚いたように答える。
「期限はあと2ヶ月程度です。ゆめゆめ忘れることなきよう。」
「ば、ばか!竜王になんて口を聞くんだ!」「ジンさん!やめてください!殺されちゃいますよ!?」
ルーファとアリが後ろから小声で必死に訴えてくる。
「貴様。まさか、俺を脅そうと言うのか?」
案の定ダイヤの機嫌をそこない、ダイヤの強力な魔力が吹き荒れる。
ダイヤの濃密な魔力に後ろの三人が苦しそうに汗をダラダラ垂らしながらじっと耐えている。
「貴方、攻めてくれば返り討ちにすればいいのです。それよりも、せっかく優秀そうな者どもが来たのです。早く情報を渡して調査をさせましょう。」
隣の王妃がダイヤを鎮める。
ふむ。優秀そうな王妃だ。ダイヤの妻はさぞ大変だろう。
「…むぅ、そうだな。赤龍!こいつらも使って調査を進めろ。」
「はっ!」
「お父様、私もこの者たちに付き添ってこの国のために解決に尽力したいです!」
なんと、王女ぽい子が急にそんなことを言い出した。
「デリラ、邪教は思ったより手強い。危険だ、やめろと言っているだろう。」
どうやら王女はデリラという子らしい。
「私は竜王の娘としてこの国のために戦いたいのです!それでも、だめとおっしゃるのなら私は私で独自に調査を進めます!誰がなんと言おうとも!」
「はぁ、…アドネス、デリラも調査に加えろ。」
「よろしいので?」
「勝手に1人で動かれるよりましだ。」
「ふふっ、誰に似たのかしら?」
王妃が口を隠して上品に笑う。
「では、貴殿らに我らが掴んでいる情報を共有するよろしく頼む。」
アドネスが俺たちにそう言って一緒に玉座の間から退出した。
こうして俺らの調査が始まった。
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