第61話 間話 アイリスの限界
「はぁ!」
私はモンスターを切り裂き、ラストダンジョンを駆ける。
私はどこまで行ける冒険者なのか命を賭けて試してやるんだ、そして死のう無能なリーダーのために死んで行った哀れな仲間への償いのために。
みんなあの世で私を責めてくれ。それで少しはこの胸の重みが軽くなる気がする。
「ぐぅ!うあぁ!!」
中層に差し掛かりモンスターも強くなってくる。
無理な強行をしているため、今目の前にいる無数のDランクモンスターのアイアンゴーレムの一体の横薙ぎの拳が私にあたる。だが、腐っても私はS級冒険者。
これぐらいでは死にはしない。
私は雄叫びをあげて駆け出し、アイアンゴーレムの群れを抜けた。
「はぁ、はぁ、遂にここまで来れたのね。やるじゃない私。」
ついに61層、つまり下層に到着した。
ちなみに、階層ボスなどはリスポーンする時期を考えてギルドが討伐依頼を実力のあるパーティーやクランに依頼して倒しているため基本的に合わないはずであり、実際に討伐済みであったため、アイリスはここまで階層ボスとは戦っていない。
アイリスの姿はもうボロボロである。何日も走り続けて、疲労困憊だ。最短ルートできているとはいえ、死の迷宮は広大である。S級冒険者でもそれなりの時間がかかる。
アイリスは今にも倒れそうだ。
「少し休むか。」
アイリスは壁の隙間に身を隠ししばらく休んだ。
下層のモンスターはCランクモンスターも出現する。場合によってはBランクモンスターも。
少し休んだアイリスはまたダンジョンを駆けていく。
いちいち戦っていてはキリがない。すべて逃げ切って走り抜ける。
「ぐぅ!強い。身体も重い。」
Bランクモンスターのデュラハンナイトとの戦闘になり苦戦する。
Bランクモンスターは1人で勝つことは基本難しい。高ランク冒険者のパーティーなどを組んで戦わなければならない。
だから、アイリスはデュラハンナイトの隙をつき先へと駆け抜けようとした。
「ッぐぅ!疾走!!」
駆け抜ける際にデュラハンナイトの剣がアイリスの腹を切り裂いた。
アイリスは痛みに耐え、スキル疾走でその場を駆け抜けてなんとか逃げ切った。
しかし、デュラハンナイトの厄介なスキル 呪い を受けてしまう。
アイリスには痛みの呪いが付与された。
アイリスは痛みに耐えながら先に進む。
その後もさまざまなモンスターに出会したが走り抜けて逃げるか、隠れてやり過ごした。
そして、ついにたどり着いた98層。
そう、ナクアが支配していた深淵の森がある領域である。
そこは地獄だった。
「なんだあの地龍は…」
アイリスがそこで見たものは蟻と龍の戦いだった。
巨大な地龍が蟻をむさぶり、ドラゴンブレスで蟻を焼く。
蟻も負けずと数の暴力で応戦し地龍に噛み付いたりはしているが硬い龍鱗に阻まれダメージが通っているのかどうか。実際に地龍は怯んでいない。
蟻は決して弱くない。おそらく、あの龍に群がっている蟻1匹1匹がBランクモンスターだ。それにあの指揮をしている一際強大な力を持っている蟻はおそらくAランクモンスターの上、Sランクモンスターなのではないか?
私では絶対に勝てない。そう思わせるだけの力を感じる。
「ギィ!」
「あっ、くそ!」
気づいたら私は蟻達に囲まれていた。
終わった、もう逃げられない。私の限界は98階層か。ははっ、なかなかやるじゃないか私。
死んだらまず仲間に謝ろう。
私は死ぬために目を閉じる。
だが、次に起こったのは凄まじい衝撃と強風だった。
「うぅ、はっ!?あんな遠くにいたのに…ははっ、私を食うために飛んできたか?」
そこにいたのはさっきまで蟻と戦っていた巨大な地龍だった。
地龍の足元にはさっきまで私を囲っていた蟻達の数匹が無惨に踏み潰されていた。
他の蟻は逃げたのかいなくなっている。
そして地龍の大きな口が開き、私に向かう。
今度こそ終わりだと思ったその時、
—待て、アドバース—
誰かの声が響き渡った。
アイリス怒涛の迷宮疾走ッ!!
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