第57話 終末のモンスター
「そうか、カエル君は城にすら辿り着けなかったか。俺あいつ嫌いじゃないんだけどなぁ。」
アステリアから報告を受けながら、俺はカエル君の進軍を記録した映像を見る。
「はい、マスターに言われた通り生きてルーは逃しましたがよろしかったのでしょうか?」
「あぁ、いいんだ。あいつはあれを持っていた。あんまり追い詰めすぎるとあれを使われる。」
「禁忌の宝石ですか?」
「あぁ、あれを使わせたら面倒だ。流石に俺自身が行かないと対応ができなくなる。もう、深層の終末のモンスターは増やしたくない。」
禁忌の宝石
ランク:ゴッド
強制的にその者を進化させる。
しかし、強制的に進化させるためどれほどの代償を課されるかはわからない。
世界を滅ぼせるほどの力を持つ者に進化できる可能性を秘めているため禁忌の宝石である。
「いえ、もしも、ルーが終末のモンスターとなれば私が向かいましょう。この命に替えてでも始末して見せましょう。」
「だめだ。終末のモンスターは殺してはいけない。」
「なぜでしょうか?」
「終末のモンスターは言わば世界にかけている圧だ。」
「圧?」
「そうだ。終末のモンスターは内包するその強大なエネルギーゆえに世界に圧をかけている。もしも、圧が急になくなってみろ、世界がどうなるかわからないだろ?」
「…。」
「あまりわかっていないようだな。例えば人間で例えると、いきなり血を抜きすぎるとぶっ倒れるだろ?それは流れる血の量が減って血圧が下がるからだ。つまり、圧を急に下げることは世界にとっても良くない。何が起こるかわからない。天変地異とかな。」
「なるほど、では新しく終末系のモンスターが生まれて圧が上がることもよくないのですか?」
「いい質問だな。それに関してはある程度平気だ。だが、終末系のモンスターになってしまったら、この迷宮の深層に閉じ込めるしか、こちらのできることはなくなる。あいつらめちゃくちゃ強いしな。放っておけば世界を滅ぼすだけの力があるから放っておけないし、戦ってもその周辺の地域は更地と化すだろう。だから新しい深淵系のモンスターは増えてほしくない。そして、逃すこともできない。1匹でも逃したら世界が滅ぶ。だから、俺の本体も極力このダンジョン内からは離れたくないんだ、なにかあってもすぐに対応できるように。」
魔王が大魔王に勝てないようにランク一つにはかなりの力の差がある。これはランクが高くなればなるほど力の差は大きくなっている。
AランクモンスターがSランクモンスターに勝つことは徒党を組んでも難しい。つまり、SランクモンスターがSSランクモンスターに勝つことはもっと難しい。
では、SSSランクモンスターは?
どれだけSSSランクモンスターがやばいのかがわかるだろう。絶対にSSSランクモンスター、つまり終末のモンスターは世界に放ってはいけないのだ。
「なるほど、放置しても世界を滅ぼすほどの力を持っているから危険、始末しても世界にどんな影響を与えるかわからないからできない。厄介な存在ですね。」
「そう言うことだ。まぁ、お前もそのうちの1人な訳だが。だから、殺すのではなく捕獲しなければならない。それは、終末系のモンスターに対しても圧倒的な力を持つ俺にしかできない。」
「くっ、お役に立たず申し訳ありません。」
「いや、お前には感謝している。この迷宮の調整や雑事、他にもさまざまことを俺に代わってやってくれている。そのおかげで俺が遊んでられるのだ。本当にお前を作ってよかったよ。」
「おぉ、勿体無きお言葉。このアステリア、身も心も全て我が神に捧げます。」
アステリアは兜を脱ぎ、跪き俺を見上げて俺に忠誠を誓う。
漆黒の黒く長いさらさらとした髪が兜脱いだことで腰まで落ちる。
綺麗に整った顔立ちに満天の星空のようにキラキラと輝く瞳、透き通る白い肌。
この顔を見るたびに自分に言っている言葉がある。
グッジョブ!俺、天才!
「うん、ほんとに作ってよかった!」
俺の言葉を聞いてアステリアは白い頬を少し赤く染めた。
死の迷宮の本来の役割は迷宮というより監獄ですね…
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