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第53話 ハシャの魔王会議参加

「さて、今回の会場は私の城となった。皆の者、恥ずかしくないよう魔王たちをもてなしてね。」


「はっ!バーバル様。」


全く、こんなに話すことなんてあるのかな?

ルーはパーティーが好きだなぁ。


魔王会議と言う名のパーティーはルーがいなければ成立しないだろう。


ルーと言う巨大な権威がなければ、曲者の魔王達はまず集まらない。皆ひとえにルーを敵に回したくはない。ルーを恐れているからこのパーティーに出席しているのだ。

しかし、これは無駄なパーティーではない。

お遊びに見えるこのパーティーもしっかりと魔王間での戦争や増長を抑制している。

だから、私やダイヤも参加しているのだ。


そして、今日は私の城で魔王会議と言うパーティーが開かれる。





「ふぉ、バーバルよ。宴の準備ありがとのぉ。」

最初に来たのはルーだ。


「いいよ。お互い様でしょ?」


「もうみんな来ているのかの?」


「えぇ、もう領内には全ての魔王がいるわ。魔王ナクアは城下町で生き血を飲み漁っているらしいわ。とっても楽しんでくれているみたい。」

まぁ、吸血鬼も食べようとしたらしいけど。

あいつは危ないから常に配下の上位吸血鬼達に跡をつけさせている。

あんな、なにをするかわからない化け物をさすがに私でも野放しにはしない。

私の国に入国してからの全ての行動を見張っている。

よくわからないが、どうやら今回お付きの上位アンデッドが数体いるようだ。



ルーが来たあと、続々と魔王達が会場に到着し、用意した円卓の椅子に座っていく。


円卓には用意した料理や極上の人間の生き血を用意している。


そして、最後に魔王ナクアが入室した。


「いらっしゃいナクア。貴方で最後よ。空いている席に座ってね。」


「ん、ありがとう。…そっか、ハシャさんの椅子がないか。ハシャさん座っていいよ。」

ナクアがそう言って椅子を引き、連れて来た龍の頭蓋骨を持つアンデッドに席を譲った。


「いや、いいよ。それはナクアの席だ。俺は隣で立っている。」


魔王達にどよめきが走った。

明らかにナクアがそのアンデッドに気を遣っているからだ。

あのナクアがだ。初対面の魔王全員を相手に殺そうとしたナクアがだ。


「ふぉ、その御仁はどなたかな?」

ルーがそのアンデッドを見ながら言った。


そのアンデッドは他にも2体のリビングアーマーの様なアンデッドとゴーレム?のようなものを従えている。護衛なのかな?


ん?よく見るとあのリビングアーマーのようなアンデッドは、ファントム!?

ファントムと言ったらAランクモンスターじゃないか!

ルーとダイヤも後ろの護衛のファントム2体に気づいたようで目を細める。あと、気づいているのはアルモルドは気づいて警戒しているな。…いや、怯えているのか?


「みんなに紹介したい。この人は荒野の覇者のハシャさん。」


「ハシャだ。ナクアの森の隣の荒野を根城にしている。よろしく頼む。」


「あはは!名前適当すぎない?」

明らかに適当に名前をつけたでしょ?


「ん?ナクアの森の隣の荒野と言ったか?そこには古代のゴーレムが居たはずだ。」

ダイヤがハシャに言う。


「あぁ、城を作るのに邪魔だったからね。壊してしまったよ。」


「ふぉ!?あのゴーレムを倒したじゃと!?嘘を申せ!?儂も一度あのゴーレムを見たことがあったが倒せる代物ではなかったぞ。」


私も見たことがあるが、あれを倒すのはかなりの被害が出るだろう。

やるとしたら私でも命懸けとなるだろう。


「ハシャさんは強い。」

ナクアがなぜか誇らしげに言う。


「いつからだ?お前はいつからそこに城を構えていた?あのゴーレムは近寄らなければ動かず害はない。荒野もわざわざ侵略しても旨みもないしな。だから、我が国がそのゴーレムを最後に確認したのは百年前だ。あのゴーレムと戦ったとなれば流石に我が国も感知できただろう。しかし、そんな報告は受けていない。つまり、お前が嘘をついているか、我々の誰にも気付かれずにゴーレムを排除し、さらには築城したということになる。そんなことは不可能だろう。」

魔族のルミオン魔導大帝国の帝王アナスタシアが腕を組みながら言う。


「ふふ、いつからかは秘密にしておこう。だが、本当のことだ。疑うなら今度我が城に来てみればいい。いつでも歓迎しようではないか。」

ハシャは不敵に笑う。


「もういい!やめろ、アナスタシア!」

アルモルドがたまらずといった感じで、なにか話そうとしていたアナスタシアを止める。


「アルモルドさん、どうしたのですか?」

魔王シャールブが様子がおかしいアルモルドを心配した。


たしかにアルモルドの様子がおかしい。


「お前たちにはわからないのか。目の前のあの、死が…」


ふむ。アルモルド君はアンデッドだからねぇ。なにかわかるのかもね。私も吸血鬼だからアンデッド系だけれども、すこしゾンビやスケルトンとは毛色が違う。

まぁ、とりあえずナクアがとんでもない大物を引っ張り出してきたってことはよくわかった。


「それで?君は何をしに来たの?まさか魔王に

なりたいとか?」


「そんなわけないだろ。毎回このふざけたお茶会に参加できるのは魅力的だけどね。」

私の問いにハシャはそう答える。


「あはは!じゃあ、なんで君はここにいるの?」


「そこのトカゲくんに用があるのだよ。このお茶会に来れば会えると思ってね。」


「貴様、まさかトカゲというとは俺のことか?」

ダイヤがハシャに敵意を向ける。


「そうそう、君だよトカゲくん。君、終末の死龍 イータルって知ってるかい?」


「死龍 イータル?あぁ、神話に出てくる神龍イータルのことか?」


「うん、君の国の龍の国がイータルを召喚しようとしているのは知っているんだ。その召喚をやめてくれないかな?」


「なにを言っているんだ?俺はそんなことしていないぞ?」


「でも、君の国から召喚魔法が発動されていることはわかってるんだよ。それにたぶんかなり大規模な召喚魔法だから絶対組織的に召喚しようとしているんだよね。」


「知らないと言っているだろう?」


「知らないもクソもないんだよ。もしも召喚に成功してしまったら世界が滅びるかもしれない。調査してやめさてくれないか?」


「はっ!なんでわざわざ俺がそんなことしなきゃならねぇんだ?」


「んー、調査してくれないなら、俺も動かざるを得ないないないんだよね?」


「あ?どう言う意味だ?」


「だから、お前が頑張って解決するか、滅ぼされるかの二択なんだよ。」


「調子に乗るなよ?お前が俺の国を滅ぼすだと?ホラをふくのも大概にしろ!」

ダイヤは怒り、拳を振り下ろし机を叩き割った。



そりゃ、怒るよねぇ。私でも同じこと言われたら怒るもん。

急に三大王であるダイヤに噛みついていく謎のアンデッド。他の魔王たちはハラハラですね。


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