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第52話 夜の国

盗賊たちはナクア達がペロリと平らげた。


そして俺らはついに大魔王バーバルの夜の国の領土に入った。


「本当にずっと夜なのだな。あそこに検問所があるぞ?」

道に大きな検問所がある。どうやらあそこを通らないと入国できないようだ。


「止まれ。まずはお前らの身分を明かせ。そして、夜の国入国の目的を話せ。」

おそらく吸血鬼であろう検問所の兵士がやって来て尋ねた。


「魔王ナクアだ。魔王会議に出席するために来た。」


「魔王ナクア?…たしかに、通行許可名簿にあるな。最優先国賓!?し、失礼致したました!どうぞお通りください!」

名簿を確認した検問の兵士の対応がガラリと変わり、俺たちは検問所を通過した。


…付けられてるな。検問所を抜けてしばらくすると何人かが馬車をつけて来ている。おそらく夜の国の兵士だろう。隠密がかなりうまいから上位吸血鬼か?検問所の兵士が連絡したのだろう。


ナクアたちも気づいているが気にした様子はない。

まぁ、そりゃナクアみたいな化け物が来たら見張りくらいは付けるわな。

気にしない、気にしない。




大魔王バーバルの居城は気品がある綺麗な黒い城だった。


「まずは腹ごしらえしよう。あそこに行こう。」

ナクアは馬車の中からあるお店を指差して言った。

亜人戦士の生き血と書かれた看板が出ている。


店の前で馬車を止め、ナクアとナラが中に入っていく。


「いらっしゃいませ!おや?吸血鬼ではないですね?食人のモンスターの方ですか?」

出迎えた太った店主もやはり吸血鬼だった。吸血鬼以外の客がくるのは珍しいのか不思議そうな顔をしている。


「あぁ、我らは肉食だ。おすすめの生き血はなんだ?」


「今日入荷したばかりの活きのいいのがいましてね、獣王国の騎士団の娘を入荷しました!獣人は癖がすこしありますが、とても力強い味わいで好きな人も多いんですよ。特に訓練を詰んだ獣人はマニアも多いんです。」

店主はそう言うと店の奥に中に入っていき、ガチガチに縛られ、猿轡をされた狼の獣人の娘を連れて来た。


「んー!んー!」


「ほら、まだ一回も血を吸われていない新品の商品です。いかがですかな?」


「お前はいくらだ?」


「え?」


「お前はいくらだと聞いている。」


「わ、私でございましょうか?」


「あぁ、この獣人の娘よりお前の方がうまそうだ。いくらだと聞いている。」


「じょ、冗談は勘弁してくださいよ。」

太った店主は後ずさる。


「族長は脂乗ってる方が好みですからねぇ。私は筋肉質なこっちの娘のほうがいいですけど。」

ナラはしゃがんでちょんちょんと縛られた獣人の娘をつつきながらぺろりと唇を舐めて言った。


「こ、ここは大魔王バーバル様のお膝元だ!そんなことしてただで済むと思っているのか!?」


「だから金を払うと言っているだろ?」


「馬鹿野郎!俺は商品じゃねぇ!」


「いや、お前もそこの娘も私達からしたら、等しくただの肉だ。」


「ひぃ!」


「いや、ダメに決まってるだろ。店主、詫びにそこの娘1人買おう。すまなかったな。」


「ダメなのか?」

ナクアが首を傾げる。


「売ってる人を食べるやつがあるか。この娘を買ってやるから我慢しなさい。」


ナクアはしょんぼりした顔で頷いた。


「あ、あんた、ありがとう!殺されるかと思ったよ。」


「脅かして悪かったな。で、いくらだ?」


「お持ち帰りってことだろ?じゃあ、2550万Gだ。こいつは騎士団の娘だ。かなり値が張るぞ?」

俺は店主に金を払う。


「おぉ、すげなぁ。こんな大金をポンと出しちまうのかよ。何者だ?いや、答えなくていい。もう関わりたいないからな…これはストローだ。一緒につけとくよ。」

店主がそう言って先端に針がついたチューブの束を渡して来た。


「どうやって使うの?」

受け取ったナラが首を傾げる。


「え?あぁ、このストローを血管に刺して血を吸うのさ。まずは腕を紐かなにかで締めて血管に刺してあとは吸うだけだ。」


「なるほど、なるほど。」

ナクアも頷いた。


買った獣人をファントムが馬車の中に担いで連れて行く。獣人は抵抗しようと体をくねらせるがファントムは意に返さない。


俺たちも馬車に乗り込む。


「さて、早速頂こうか。んー、うまい。だが、やはり私は脂が乗っているほうがいいな。」


「んっ!私はこっちの方が好みですね。…この太もも筋肉質で美味しそう。うん?なんか言いたそうですよ?」 


ナクアとナラが早速ストローを刺して血を啜る。

獣人がんーんーとなにか訴えてるのを見てナラが猿轡を外す。


「やめろ!私は獣王国第一騎士団 ベネットだ!このモンスターどもめ!殺してやる!殺してやるぞ!!」


「はいはい。チュー。」

ナラが聞き流して血をゆっくり吸う。


「血を吸うな!やめろー!むぐっ!」

ナクアがうるさかったのか猿轡を締め直した。


「他のお店にも行こう。」

ナクアが目をキラキラさせて言う。


「いいけど、お前まさか俺の全部奢りじゃないよな?」


「大丈夫。お金はいっぱい持って来た。ほら。」

そう言ってナラが袋一杯の大金貨と白金貨を見して来た。


「なんでそんな金持ってるの?」


「魔王ブーモルの城にいっぱいあった。まだまだいっぱいある。たぶんお金は私とナラしか使わない。」


あーなるほどね、ブーモルが溜め込んでたのね。


そのあとも何軒かお店を回ってナクアとナラは生き血を吸いまくっていた。

ちなみにナラは、いちばん最初に俺が買った獣人の生き血が気に入ったらしく、巣に生かして持って帰るらしい。


この世界では人間が必ずしも食物連鎖の頂点ではないです。

人間が動物に当たり前にしていることが人間に置き換わっている場合もあります。

しかし、それはこの世界では間違ったことなのでしょうか?

人間が食物として売買されている。それが間違っているとしたら動物は間違っていないのか?

我々が商品として陳列されている豚肉を見て違和感を感じないようにこの世界では人間が陳列されていても違和感を感じないのかもしれません。


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