145話 勇者と覇者の城へ
「来たか。」
俺は街の門の前で勇者パーティーを待っていた。
ルーカスを先頭にした勇者パーティーがこちらに歩いてくる。
「ジン、本当にありがとう。さぁ、向かおう荒野の覇者の城へ。」
ルーカスが覚悟を決めた顔でそういった。
「あぁ、そうだな。でも、もう少し待ってくれ。思ったよりお前たちが早かった。」
俺はそういって歩き出そうとするルーカスたちを止める。
「えっ?他に誰か来るの?」
アリルはそういって首を傾げる。
「えっ?まさか歩いて行くつもりなのか?」
俺はそういって首を傾げる。
「当たり前じゃ無いか。誰も荒野の城へに運んでくれる運び屋はいない。馬を使うにしても荒野だからな、水をあげられるところもないし途中に街もない。歩いていくしか無いだろ。」
マーミヤがそう言った。
「いや、道中まじでなにも無いから歩いて行ってもつまらないぞ?迎えを呼んだからちょっと待ってろ。」
「迎え?」
アベリオがそういって首を傾げる。
「お、おい、モンスターの群れが、いや、軍が来るぞ!」
ドルフがそういって指を刺す。
「おぉ、来た来た。」
そう来たのはファントムに率いられたスケルトンの騎馬隊ととても大きな大きな豪華な馬車。引いている馬もCランクの馬のアンデッドモンスターだ。
「なんだこの騎士は!?魔王アルモルドにも引けを取らない威圧感!?」
ルーカスが警戒を露わにし、剣を抜く。
他のパーティーメンバーも険しい顔で武器を構えた。
「お迎えに上がりましたジン様。遅くなり申し訳ありません。」
ファントムはそういって膝を下りジンに跪いた。
他の騎馬隊もアンデッドの馬から降りて、膝をつき跪く。
「ご苦労だったな。俺たちも今集まったところだ。」
「ジ、ジン、これはいったい…」
ルーカスが驚いた顔でそう言った。
そうはそうだろう魔王アルモルドにも引けを取らない威圧感を持つファントムがジンを明らかに身分の上の者としての対応をしているのだから。
「言っただろう?迎えだ。さぁ、出発するぞ。」
俺はそう言って馬車に乗り込んだ。
「楽だね。」
馬車に乗り込んでしばらく経って、アリルが笑顔でそう言った。
「あ、あぁ。正直きつい旅を覚悟していた。荒野しかないから街もないからな。まさか…こんな楽とは。」
マーミヤがふかふかのソファー席を触りながらそう言った。
「ちなみに、迎えを寄越してくれたと言うことは僕たちの話を何らかの方法でジンはハシャに伝えてくれていて、僕たちの話をハシャが聞いてくれると言うことで間違いないか?」
ルーカスが緊張した面持ちでジンに聞く。
「あぁ、話は聞いてくれるそうだ。」
「そうか、よかった!」
ルーカスは少し緊張がほぐれたように笑う。
「ねぇ、ジン。荒野の覇者ってどんな人なの?」
俺の隣に座っているアリルがそう言って俺を見上げた。
「んー、難しいな。」
俺ってどんな人なのって聞かれているようなものだからな。なんて言ったら良いのか難しい。
「じゃあ、どのくらい強いの?」
アリルが少し質問を変えてきた。
「あぁ、強さで言ったら三大王全員を同時に相手にしてもまだ余裕があるくらいの強さかな?」
「おいおい、それは言い過ぎだろう?」
ドルフが引き攣った笑いをしながらそう言う。
「いや?少し控えめに言っているくらいだぞ?」
「…ジンの知り合いなんだから、優しい人だよね?」
アリルはゴクリと唾を飲み込んで恐る恐るそう言った。
ちなみに、他の勇者パーティーは目を丸くして口が開いてしまっている。
「優しいか?んー、優しくはないかもなぁ。」
俺がそう言ったあと、馬車の雰囲気はすごく悪くなり緊張によって重く息の吸いずらい空気となってしまった。
快適な送迎です笑
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