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第135話 死の迷宮の神

「あーあ、やっぱり勝てなかったか。」

冒険者ジンから玉座に座っている本体に意識を戻した俺は目を開けてそう言った。


「それはそうでしょう。ランク差2つは無理ですよ。では、私はあの龍を処分してきます。お疲れ様でした、ゆっくりとおやすみください。」

俺の前で膝をつき、臣下の礼をとっていたアステリアはそう言うと一度頭を下げてから玉座の間から出て行こうとする。


「待て待て待て、お前は行かなくていい。別に処分もしない。俺がこれから行く。」

俺はそう言って立ち上がると黒いフード付きのローブと認識阻害がある上位マジックアイテムの黒い仮面を被る。ジンと俺の顔は一緒だからな。この仮面を被れば、顔はもちろん、たとえ聞いたことのある声の人だとしても声で誰かはわかない。


「お待ちください、主様の手を煩わせるまでもありません。命じてください、私が行きます。」

アステリアはそういうと再び膝を折り、頭を下げる。


「いや、いい。俺が行きたいんだ。いいね?」

俺はそう言ってアステリアに魔力を放つ。

俺は今少しだけ機嫌が悪い。冒険者ジンではアドバースに勝てないとわかってはいたが、やはり負けると悔しいものだ。


「…わかりました。お気をつけて。」

アステリアは不服そうだが、理解してくれた。


「あぁ、行ってくる。」

俺はそう言うと転移でアドバースの頭上に現れた。


ちょうどアドバースが冒険者ジンを踏み潰すところだったみたいだ。


「そこまでね。」

全く、踏み潰そうとしてるなんて。


あーあ、こんなにぼろぼろにされちゃって。


「アドバース君、そこまでだ。いいね?」

俺はそう言ってアドバースの頭に手を置いた。


「ガァ。」

アドバースはそうやって怯えたように鳴くと震えながら小さく蹲る。

アドバースも本能でわかったのだろう。


従わなければ殺されると。

そしてそれは事実だ。

もしも反抗すれば消し飛ばそうと思っている。

ムカつくから。


俺は冒険者ジンに近づいて身体を回収する。

あとで直さないと。


アドバースは怯えたようにそう鳴いて震えながら小さく丸まった。



「貴方様は迷宮の主様であられますか?」

遠巻きで見ていた蟻が近づいてきて、俺に念話を飛ばしてくる。


蟻の女王 クルアだ。








「あぁ、そうだよ。蟻の女王よ。」

俺は前にナクアにしたようにクルアの背後に急に転移してそう言った。



「おぉ!神よ、ようこそ!ようこそお越しくださいました!」

クルアは感極まったように平伏する。


あれ?あんまり驚かないな。ナクアは驚いたのに。ん?神?


おっ、バーバルは信じられなくらいの汗をかいて目を見開いて驚いてる。よしよし。

そりゃ、びっくりするよね。


「蟻の女王よ、名前は確かクルアと言ったか?」

俺はそう言って平伏しているクルアを見る。


「はい!クルアと申します!名前を覚えて頂いている!!あぁ、なんて光栄なのでしょう!」

クルアはそう言ってさらに頭を下げる。


なんか大袈裟だなぁ。


「クルアは外にでたいのか?」


「そ、外?地上ですか?はい、地上に進出したく。ただ!神がやめろと申すなら私は…」


「あぁ、外に出るなら俺からちょっとプレゼントをあげようと思ってね?」

ナクアにだけ人の姿を与えてこいつらに与えないのは不公平だと思ってね。こいつらにも与えてあげよう。


「プレゼントですか…?」

クルアは頭を傾げる。


「あぁ、ナクアにもあげたからね。君達にもあげないと不公平だろう?君にも外の世界の人と話しやすい身体を与えよう。」

俺はそう言ってクルアの今に手を置いた。

クルアにスキル人化を与える。

みるみるクルアは縮んでいき、形が変わっていく。

サラサラの地面まで届きそうな綺麗な銀髪に見惚れるほど綺麗な銀眼、豊満な胸にさらっとした身体。俺の手からもサラサラの銀髪の感触とほんのり暖かい体温が感じられる。


うおぉー!かわいい!ナクアは美人系だけどクルアはかわいい系か?いいね!!


「おぉ、これはまた美人が産まれたな。ほら、とりあえずこれを着ろ。」

俺はそう言っていい布の貫頭衣を投げた。

このままではずっとみていてしまう。

流石にこれ以上はセクハラがすぎる。


「あぁ、感謝致します!こんな素晴らしい身体を与えてくださるなんて。下賜してくださったこの服も大切に致します。」

クルアはそう言って裸のまま跪いた。


「な、なんかお前異様に忠誠心高くないか?なんでだ?初対面だよな?…まぁ、いいか。」


「私の身も心も我が神の物でございます。」

クルアはそう言って跪きながらうるうるとした目でこちらを見つめてくる。


神か…あれ、これってもしかして。


「あっ、これ忠誠心じゃないな、信仰心だ。なんか怖いな…。まぁ、美女に信仰されるのも悪くないが。」


100層より上のダンジョンのモンスターは俺が産み出したモンスターでない限り、別に俺の指揮下に入っているわけでもないし、俺に忠誠を誓っているわけでもない。

だから初対面のクルアが俺に信仰心を向けてくるは謎であり、すこし気持ち悪い。

まぁ、かわいいからいいけど。


「そうだ、ナクアとナラ2人にその姿を与えたんだ。クルアももう1人その姿を与えるよ。誰か与えたい者はいるか?」


「では…ネロ、ここへ。」

クルアはネロという一匹の蟻を呼んだ。


「彼は、この巣で唯一の雄です。我らは一匹の最強の雄を産み、彼が蟻の一族の指揮を取り戦います。生殖能力はなく、すべてが戦うためだけに力を注がれた存在。それがネロです。彼にも私と同じような姿を与えていただきたく。」

そう言ってクルアは頭を下げる。


呼び出されたネロという蟻はたしかに強そうだった。


「ネロ、君にも新たな姿を与えよう。いいね?」

俺はそう言ってネロに手を向ける。


ネロにもスキル人化を付与するとネロの身体もみるみる変わっていく。


整った顔立ち、完成された肉体美、鋭い切れ目の黒髪センター分けのイケメン青年が現れた。


なんかモンスター人化するとみんな美男美女なのはなんでだ?


「なんでこんなにみんなビジュがいいんだ?」

俺はそう言って首を傾げながら腰に巻くための黒いタオルをネロに渡す。


「ありがたく。」

ネロはまるで宝剣を受け取るかのように膝を折り、黒いタオルを受け取った。


えっ?タオルだよ?


「まぁ、とにかく、地上には出ていいよ。俺を楽しませておくれ、クルア。そして、バーバルよ。じゃあね!あははは…」

俺は転移で姿を消した。


最後、急にバーバルの名前を呼んだ時のバーバルの表情、面白かったな。



まるで死を前にしている顔だ。

思わず笑ってしまったよ。あははは!


主人公視点でした。しっかり楽しんでます笑


「面白い!」「続き読みたい!」「最後まで見たい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!一言でも感想お待ちしております!!


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