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第131話 迫るアドバース

「そうですか、別に大丈夫です。彼らは傭兵のようなものです。死んでも構いません。それより、これからのお話を詰めましょう。」

バーバルはなんでもない風にそう言った。実際に彼らが死んだとてバーバルはなにも困らないだろう。もうバーバルの目的は達したのだから。


「いや、困るな。俺は救援に向かわせてもらう。いいか?」


「白銀は行ってしまうの?まぁ、いいけど。死なないでね。私はまだあなたを諦めたわけではないわ。できれば私のそばで私を守って居続けてもらいたのだけれど?」

バーバルは端麗な顔立ちを最大限活かして上目遣いで隣の俺にそう言った。


「俺にもパーティーメンバーがいるんでね。お前達の舌戦も楽しめたし、俺はここらへんでお暇させてもらう。」


「わかったわ。地上に戻ってしばらくしたら冒険者ギルドに寄りなさい。貴方は少し色をつけて依頼料を払っておくわ。」

バーバルはそう言って俺にウィンクをした。


「其方のお仲間を包囲していた我が兵を全てあの強大な個に向かわせている。少しは時間を稼いでいるだろう。長くは持たないだろが…救援に向うなら早いほうがいい。なぜか飢えた獣のように其方らのお仲間のところに一直線に向かっているようだ。」


「ありがとう。では、失礼する。」

俺はそう言って駆け出した。



さて、アドバースと戦うことは確定したな。


どうするか。この身体でどこまで戦えるか…

とりあえず、みんなが逃げるくらいの時間は稼ぎたい。


血が沸き立つな。圧倒的に強い敵との戦闘。久しぶりの感覚だ。


俺はまず装備を整える。

今のミスリルの装備一式では力不足だ。


銀流星の鎧、風神の小手、宝剣 速龍、最速のリング。


とりあえず、こんなもんか?おそらく一撃でも喰らえば致死の一撃になる。ならば、速さ重視で一撃も喰らわず封殺するしかない。


相手はSSランクだ。足止めすら難しい。

バフは必須だろう。


「バースト!風纏い!風神の加護!スピードアップ!怪力!チャージ!…」

俺は掛けられるだけのバフを掛けた。


これでかなり戦えるだろう。いや、まだ足りないかもな。これでやっとSランクとやり合えるくらいか?


あとは俺の戦闘技術に掛かっているだろう。


ワクワクするな。大地龍アドバース。俺はこの身体でお前にどこまで届くかな?





















「蟻が引いていく?」

アイリスが包囲していた蟻が引いていくのに不審がる。



ドカーン!!!


突如として大地を削るような轟音が轟いた。


そして巨大な龍が遥か向こうに姿を現した。


「出た…あいつだ!あの怪物がでた!みんな退避!!急いで97階層に戻るぞ!!!」

アイリスがアドバースを視認し、即座に指示を出す。


「待て!依頼人が帰ってきていないぞ!?この場を離れていいのか?」

アルドが至極真っ当なことを言う。


「死にたいのか!?あれには絶対に勝てない!いや、まだ挑むには早すぎる。あれがくる前に退避しなければ死ぬだけだ!死にたいのか?」

アイリスがアルドにそう言って詰め寄った。


「だが、しかし、白銀も戻ってきていない。パーティー クローバーよ、白銀のを待つか?」

アルドは心配しているであろう白銀のパーティーの3人にそう言った。


「「逃げよう。」ましょう。」

ルーファとアリの声が重なった。

即答であった。


「えっ?あ、あぁ…いいのか?」

即答で答えたルーファとアリを見たアルドが戸惑い、聞き直した。


「大丈夫だ、逃げよう。」「あれはやばいです。早く逃げましょう。」

ルーファとアリはなにも躊躇わずにそう言った。


「…薄情者。」 

リーナが半目で2人を見ながらボソッと言った。

 

「白銀ならば1人でどうにか逃げることくらい出来るだろう。それよりも今は我が身だ。決して薄情者だからではない。」

ルーファはもっともらしいことを言ってすぐに駆け出した。




パーティー クローバーは即答で逃げますよ?笑


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