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第130話 バーバルの交渉

「ようこそ我が巣へ。私は蟻の女王 クルア。さぁ、話とはなにかしら?」

堅牢で真っ白な外骨格に巨大で鋭い顎、真っ赤な目の巨大な蟻 クルアがそう言った。


「わー、もしかして私より強いんじゃない?じゃなくて、失礼、私は地上の王国 夜の国の女王 バーバルです。我が国と同盟を結んで頂きたく参りました。」


「地上?同盟?なぜ?」

クルアは首を傾げる。


「まさか、貴方は迷宮の外のことを知らないのですか?」

バーバルはハッとしたように答えた。


「迷宮の外?」


「えぇ、ここは死の迷宮98階層です。そして、上に登っていくと迷宮の外、地上へと出てさらに世界が広がっているのです。」


「ギィ!そうであったのか。地上と言う場所があるのですね。はっ!蜘蛛の女王はそこに落ち延びていたのか!?」

クルアは地上の話を聞き、依然行方を掴めなかったナクアがどこに落ち延びたのかやっと答えが出た。


「魔王ナクアのことですね?彼女は今、広大な森を根城として地上で魔王となっています。」


「魔王ですか?」


「魔の王の総称です。そして私は大魔王を名乗っています。」


「ふむ、蜘蛛の女王は息災ですか?」


「はい、とても元気ですね。」


「ふむふむ、それで、其方は我らと同盟を結びたいと?なぜですか?」


「はい、夜の国は今他の国と戦争中なのです。魔王ナクアが貴方に敗れたと耳にしたので、その軍事力の一端を我らにもお貸しいただきたく。我ら夜の国は、地上に皆様が暮らせる土地を用意致しましょう。」


「ふむ。つまり、其方らはどこかの勢力とナワバリ争いをしていると。そのナワバリ争いをしている相手が強いから我らの力を借りにきた。そしてその見返りに安全な土地を用意すると。そう言うわけですね?」

バーバルの話から要所をまとめてクルアがバーバルにそう言った。


「はい。如何でしょうか?」

バーバルは頷いて答える。


「ギィ…気になる点がいくつかあります。まず一つ、地上が本当にあるのかどうかです。二つ目其方らが敵対している敵の強さ。蜘蛛の女王の勢力が地上でどのくらいなのかを知りたい。三つ目、其方をを本当に信頼できるのか。そして、一番気になる四つ目は…この迷宮の主が我らが外に出るのをそれを許してくれるのでしょうか?」


「一つ目の地上があるのかどうかは実際に見て確かめて貰えば良いかと。二つ目は魔王ナクアの強さは我ら大魔王にも匹敵する強さを待つといえばわかりやすいですかね?私の敵は大魔王ルーといいます。地上を実質的に支配している3人の大魔王の1人が私と私の敵、大魔王ルーです。それだけ大きな組織と敵対することになります。三つ目はまずは同盟締結後、貴方との親交をこれからも深めていければと思っております。四つ目は迷宮の主ですか?迷宮の外に出るのは許可制なのですか?」 


「ふむ、其方の国はかなり急を要するようですね。親交を深める前にまずは同盟を結びたいとは。まず、はじめに言って置きましょう。同盟には私は乗る気です。だが、条件は追加させてもらいます。其方、是が非でも我らと同盟を結びたいと見える。我らにもっと有利な条件を提示してください。その後、同盟を結ぶとしましょう。そして、迷宮の主の許可の件はわかりません。だけど、主はいるはずです。もしも、主の許可なく出てしまったら、我らは消されてしまうかもしれない。」


「主がいる根拠は?」


「明らかに知能を持つ者がここより二層下以降からこの階層に上がってきたことがあります。なにかの調査なのか知らないが、なにやらいろいろ調べていた様子でした。ここより二層下以降はレベルが違う。そこから来たということは主の加護があったに違いない。」


「でも、魔王ナクアは迷宮から出ても無事ですよ?」


「蜘蛛の女王と主とのなんらかの接触があり蜘蛛の女王は地上へ出る許可を得たのかも知れない。いずれにせよ、その真偽が確かめられるまでは私は地上へは行かない。これは絶対にです。」


「もしも、ダメでも追手を迎え撃てばよろしいのでは?」


「其方はここより二層下以降をみたことがないからそのようなことが言えるのです。あのモンスター達を従える主です、我らなど簡単に滅ぼされてしまいます。」


「では、魔王ナクアに確認しておきます。主の許可を得たのかどうかを。それで、もし許可を得ていなかったら同盟を結んでくれると言う事でいいですね?」


「いいでしょう。」


「では、譲渡する条件としてはなにがよろしいですか?」


「食料ですね。貴方の国が存続する限り永久的に我らに食料を提供しなさい。」


「具体的にどれくらい?」


「貴方の国で消費する量と同じくらいを毎年です。」


「できかねますね!ルーに勝てば国は大きくなります。いえ、大きくなり続けます。国が大きくなればなるほど要求される食料が多くなるのでしょう?10分の1でどうですか?」

バーバルにとって幸いだったのは、蟻もまた強大な敵と戦っていた事だ。

ナクアが地上に快適に住み着いた時点で同じ迷宮の蟻達も地上は住みやすい環境のはずだ。だから、地上に居場所を与えるこの交渉は難しくないとバーバルは踏んでいた。アイリスから蟻と強大な龍が敵対していると知ってからは確信していた。

蟻はこの話に必ず乗ってくると。

新天地の開拓は自身の勢力の更なる拡大を望める。それもその土地の大きな勢力の協力があるのならば、流涎ものの条件だ。それも、その地上の土地は蟻たちが蜘蛛を地上に追いやったようにもしも、龍に負けてしまった時の安全な落ち延びることができる避難地帯となる。


だから、バーバルも少しは強気に交渉に出れた。


「ギィ、兵がほしいのでしょう?今すぐに。」

クルアは少しバーバルに凄んだように言った。


「この話は貴方にとってもいい話のはずです。なぜならば、貴方も巨大な龍によって窮地に立たされている。迷宮ではない、地上の安全地帯が必要なのでは?」

バーバルは怯まずニヤリと笑ってそう言った。


「…ギィ、ならば、10分の1でいいでしょう。その代わり、用意する土地に加えて、これから同盟を組み、敵対する国の我らが攻め滅ぼした地帯は我らのものとする。それでいいですか?合同で滅ぼしたところなどの細かいところはその都度話し合う。」


「いいでしょう!では、これで同盟締結ですね!」


「共に敵を滅ぼし、生存競争を生き抜きましょう。…ギィ?さっそく一つ謝らなければいけないことがあります。」


「えっ?なに??」


「其方のお仲間が強大な個に襲われそうです。」

ちょうどアドバースが99階層からこの98階層に攻めてきたのであった。


クルアもまたバーバルに負けないくらいの知者です。


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