第128話 黒牛
俺たちは何事もなく70階層まで進むことができた。
突然だが、実は死の迷宮にはまれに知能があり、蟻の一族や蜘蛛の一族のように群れを作って生活しているモンスター達がいる。
なぜ急にそんな話をするかと言うと…
「我らのナワバリに立ち入るとは何者だ?」
50体以上のミノタウロスを従えた黒く巨大なミノタウロスが突如として姿を現して俺たちの道を塞いだ。
「こいつは黒牛!?」「黒牛がでたぞ!」「Aランクモンスターだ!!」「戦闘体制!」
「キュア殿、下がれ!大物がでた!」
アイリスがそう言ってキュアを下がらせた。
この黒いミノタウロスは高位冒険者の中では有名なモンスターだ。
冒険者達から黒牛というネームドされているモンスター。
出会ったら死ぬ迷宮の要注意モンスターである。
「ふーん。白銀さん、任せました!」
キュアは大したことでは無いようにそう言って下がった。
「いや、俺D級冒険者だから…」
D級冒険者がA級、S級冒険者たちに指示を出すのはおかしすぎるだろう。
「白銀どうする?一戦やるか?」
アルドが警戒体制で聞いてくる。
えっ?俺が決める感じなの?
「普段なら絶対に逃げ出す場面だけど、この戦力なら全然やり合うのもあり。ここで黒牛を仕留めるのも悪くない。」
リーナが剣を抜いてそう言った。
確かに向こうもこちらの異常な戦力に手を出せずにいる。黒牛とかいう黒いミノタウロスもこちらに対抗する為に仲間のミノタウロスたちを片っ端から集めてきたのだろう。
「んー、戻る時もこいつらが邪魔してきたら面倒だな。それに…お前たちもやる気だろう?」
俺はそう言ってミスリルの剣を抜いた。
黒いミノタウロスはニヤリと笑った。
「ここに見た顔が何人かいる。まとめて屠れるのであれば好都合。皆のもの、攻めてきたニンゲンどもを殺せ!」
「行くぞー!黒牛を仕留めるんだ!!」
アイリスがそう叫び、ミノタウロスとの戦いが始まった。
「クーリッヒの冒険者達の実力。まだ私は過小評価していたのかもしれません。」
キュアはミノタウロス達と一歩も引かずに戦う冒険者達を見てそう言った。
黒牛はアルド率いる奇跡の剣が引き受け、その他のミノタウロスはアイリスの指揮の下、次々に撃破されていった。
「くっ!やっぱり強いな黒牛!!」
アルドの大剣が黒牛の巨大なハルバートと撃ち合い火花が散る。
奇跡の剣のメンバーのアッシュが隙をついて蹴りを入れるが黒牛は腕でガードする。
「ぐぅ!?このニンゲンども強すぎる!一族の者もかなり数が減らされた…皆もの、引け!巨大化!!」
黒牛はスキルによって巨大化し一族が逃げる時間を稼いだ。
実際に巨大化した黒牛は強く、一族を逃がすのに成功し、黒牛も俺たちは取り逃してしまった。
しかし、俺たちはミノタウロス達の半分を倒すことができ、ミノタウロス達も俺たちをしばらくは襲ってくる力はないだろう。
えっ?俺か?俺は依頼者のキュアを守らなければならないからな、キュアの隣で観戦してた、じゃなくて、戦場を注意深く観察していたぞ!
もちろん、ルーファとアリも避難…じゃなくて依頼者の守りを重ねていた。
クローバーのメンバーのリーナがミノタウロスをたくさん倒していたからチーム クローバーとしては戦闘にはかなり貢献したと言えるだろう。
…たぶん!
リーナがクローバーの要かも知れません笑
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