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第127話 番外 アリア編 集う英雄1

「そうか、アグー殿は討たれたか。」

元オーク騎士団団長 ガータは部下からの報告を受けてそう言った。


アグー殿はまさに我が国の英雄だった。

ブーモル様亡き後、オークをまとめ上げるのはアグー殿だと思っていたが、勇者に討たれてしまった。


残る大きな砦もこの要塞 セントラルのみとなった。

幸いなことに、ブーモル様亡き後、我が国に猛攻撃を仕掛けていた魔王アルモルドは勇者に討たれたため、侵攻は止まり首の皮一枚繋がったが…それもいつまで持つのか。人間の国だって攻めてきている。いつまた誰が攻めてくるかわからない。


こちらの兵力は生き残った元オーク騎士団500名。オーク兵1000名。

そして多くのオークの難民。

おそらく次のどこかしらの襲撃で我らの命運は尽きるであろう。


あぁ、ブーモル様、なぜあなたは負けてしまったのですか。

あの時、あの蜘蛛に勝てていれば…私が他の国に侵攻に出ておらずブーモル様の側で戦うことができていたのなら…



そしてある日、このオークの砦に新たな魔王が現れた。



「ほ、報告!ガータ様、クマのモンスターに乗った人間の少女がガーダ様に面会をと、門の前に来ております。」

戸惑った部下がそう言って俺に報告してきた。


人間の少女?


「なんのようだ?なにか要件は言っていたか?」


「そ、それが「ここを私の砦にしますわぁ〜」とか言っています。」


「敵?なのか?」


「いや?そう言う感じでも?」

俺は部下を顔を見合わせて首を一緒に傾げた。


よくわからないから、とりあえずその少女の元へ行ってみることにした。



門に着くと大量のオーク兵たちに囲まれた人間の少女と強そうなクマのモンスターとスケルトンがいた。


テイマーなのか?


「私がこの砦を今まとめ上げているガータだ。人間の少女よ、何のようかな?」


「貴方がここの要塞の長ですね?私はハードル・アリアです。主を失い路頭に迷っている貴方たちを救いに来ました。」

小さな少女が胸を張って言った。


「俺たちを救う?」


「えぇ!私はこれから魔王になります。貴方達は私の最初の兵となりなさい。」


「頭のおかしな子供だ、なにを勝手なことを。我らは元ブーモル様直下のオーク騎士団。ブーモル様と数多の戦場を駆け抜けたオーク軍最強の兵団だ。」

そんな我らがこんな小娘に付き従うだと?冗談じゃない!


「知っています。だから、貴方達を手に入れにきました。私は兵力が必要です。」


「なぜ我らがお前に従わなければならんのだ!」

俺は少し脅すように言った。俺の大きさはあのアグー殿にも負けてはいない。強さだってそうだ。

こんな小娘、比喩なしに小指でも殺せる。


「私がオークを救うからです!!」

アリアと名乗った少女は俺を恐れずそう言った。


「どうやって救うのだ!?もうおそらくまともに戦える生き残っているオーク兵は我らだけだ。森にはオークの難民が溢れている。だが、助けられない、今この砦に収容しているオーク達を守るのでやっとだ!お前が本当に救ってくれるのであれば俺はお前に命を捧げよう!俺たちを従えたいのであれば教えてくれ!!どうすれば生き残れる?どうすればオークの民を救えるのだ!?お前みたいな小娘がどうやって我らを救うのだ!!」

今までの不安が爆発したようにガータはアリアに怒鳴りつけ、詰め寄る。

少女の顔の目の前まで自分の顔を寄せて大きな声で怒鳴る。唾が少女の顔に飛び散るが拭こうともせず、真っ直ぐに恐れず俺の目の奥を見つめてくる。

そんな、このまま一口で少女の身体半分を食いちぎれそうな小さな少女に俺は少し畏れを抱く。


「私が皆さんを守ります!!」

アリアは魔力を全力で解放する。解き放たれた膨大な魔力が暴風となり吹き荒れる。


「な、なんだと?」

少女に釣り合わない魔力と迫力にガーダは驚く。


「私は魔王となります。誰も見捨てない優しい全てを導く魔王に!オーク達よ!私に付き従いなさい!私が貴方達を導く王となる!!」


「おぉ!!」「すごい、すごいぞ!?」「なんだこよ人間は!?」「俺はこの子に着いていくぞ!!」「まだ終わってない!まだ終わってないぞ!!」

アリアの宣言に感化されたオークたちが次々に雄叫びを上げていく。



「待て!皆のもの、流されるな!相手は人間だぞ!確かに膨大な魔力はあるようだが、本当に我らの救いとなるからわからない!まずこの現状をどうするのだ!?お前はどうやってオークの難民たちを助ける!?」


「まずは砦周囲に広大なキャンプを作ります。幸いにもこの森は広い。木を切ればその木材で住居を作ることは可能でしょう。オークはもともと森の民。食料はこの森の恩恵でなんとかなるでしょう。実際に魔王ブーモル亡き後、かなり時間が立っていますが、多くのオークの難民達が森に逃げ込み生きながらえています。あなた達に今必要なのは指導者と守る力です。そして、私が導くのはオークだけではありません!!助けを求めるものには手を差し伸べます。私に付き従う以上、皆もそうあってもらいます!」


「…わかった。我が名は魔王ブーモル軍 最強のオーク騎士団 団長ガータ。そして、生き残ったオーク騎士団500名、オーク兵1000名はこれより魔王アリア様に従おう。俺たちを救ってくれ、新たな魔王アリアよ。」


「混迷している者達たちよ、私に手を差し伸べなさい。私がその手を取りましょう!!これより私が貴方達の王です!」


オークたちの歓声が森中に響き渡ったのだった。


俺は助けを求められずには居られなかった。

俺たちを救ってくれると言う人間の、それも少女の魔王に。希望を持たずには居られなかった。









オーク達の王となった新しき魔王の姿を見ているスケルトンが轟く歓声の中でカラカラと下顎骨を鳴らして1人笑っていた。

アリアの王道の始まりです笑


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