第118話 ハシャとの外交
「我が師よ、バーバルは竜王ダイヤへの攻撃を血盟騎士団に任せ本国に一度帰国しました。」
真っ白なローブに、ボブくらいの青い髪。小柄な体に対して大きな杖を持っている見かけの少女がそう言った。
人化の魔法により人の姿をしているが、彼女の種族はマーメイド。人魚だ。
最強の特殊部隊の戦略魔導特別隊の隊長であるメロがルーにそう報告した。
「ふぉふぉ、まぁ、予想通りじゃな。各国の間者には通達してあるな?」
「はっ、バーバルに協力することになれば首を飛ばすと伝えてあります。」
「上々。魔王アルモルドも滅した。これで戦局は儂に大きく傾いた。」
「さすが我が師です。先まで見通す圧倒的な知略!学びとなります。」
メロは大きな目をキラキラ輝かせて言った。
「ふぉ、こんなもの大したことないわ。」
「そんなことはないです!ルー様が本気を出せばすぐに世界制服できるのですね!あぁ、ルー様が治める世界が待ち遠しいです!」
「ふぉ、そんな簡単ではないわ。バーバルも油断できない相手。ここから儂の予想できなかった逆転の一手を投じるかもしれんし、ダイヤだってそうだ。それにまだ人類の大国も残っている。まだまだ時間がかかるし、いつどう転んでもおかしくはない。」
「はは、ルー様の予測できない手などバーバルが取れるわけありません。」
「ふぉ、そうじゃな。例えば、儂が手を回すことのできないハシャやナクアとバーバルが手を組むとならばどうじゃ?儂たちど同等以上に戦えるこの二つの勢力のどちらかと手を組むとなれば一気に我らは劣勢となる。」
「…たしかに。しかし!彼らとまともに手を組めるとは思いません!」
「そうじゃ、彼らと手を組めるとは思えない。じゃが、もしも手を組めてしまったら大変なことになってしまうのぉ。」
「まずはハシャかしらね。話してみたかったし。」
やはり、ルーは調略の手を各国に送っており私からの同盟の誘いはすべて断れてしまった。
まぁ、ルーがなにかしなくても悪名高い私の国と同盟なんて結んでくれる国なんてないと思うけどね!
私はまず最初にハシャの元を訪れた。
「ふーん、こんな感じの城なんだ。」
巨大な城だ。相当な力がなければ建てられない。
この城を見ただけでどれだけハシャが力を持っているのかがわかる。
「こちらへ。」
巨大な城門の前に来ると自然と開門されていき、中からリッチが現れて私を誘導した。
「ありがとう。」
私はハシャの配下のリッチに誘導され、ハシャと謁見することとなった。
「三大王バーバルだったかな?何の用かな?君は今すごく忙しいだろ?」
強大な魔力を持ち、100万もの大軍勢を従え、巨大で堅牢な城の主。ドラゴンの頭蓋骨をもち、夜のような暗くその中に星々のようにがキラキラと光る夜空のようなローブを纏う超越者。
荒野のハシャが玉座に座っていた。
「急な訪問に応じてくれてありがとう。わかる?すごく忙しいのよ。そしてやばいの。素直に言うわ。私と手を組まない?手を組んでこの世界を手に入れましょう?」
私は急な訪問をしたことをまず謝り、早速本題に入った。
「ふむ、俺は世界征服には興味がないな。俺がお前と手を組むメリットも感じられない。」
ハシャは骨の指を顎に当て考えるように言った。
「まぁ、そうよね?なにかない?私が貴方にできることは。私と組んでくれるだけのなにかが?」
「ないな。」
即答だった。
まぁ、そりゃそうだろう。私にできることはハシャにもできることだ。
「そうよね。ちなみに、気になっていたのだけど、貴方の目的はなに?いや、貴方ってなに?なんで急にこの世界に現れたの?」
そう、ずっと気になっていた。どうして急にハシャほどの強者が世界に突然現れたのか。
「別に俺と同じ存在は前からいたさ。ただ交代しただけ。先代と俺のやり方の違いだ。俺は面白おかしくさ。」
「先代?ふーん。よく分からないわね。」
どう言うこと?交代?先代?と言うことはハシャではない者がもともといて、ハシャが交代したと言うこと?何らかの役割をもっている?
よく分からないわ。
「お前が知る必要はないし、説明する気もないからな。」
「そう…どうやっても私と手を組む気はないわけ?」
「一つだけあるぞ?」
「えっ!?ほんと?」
「この城を攻略してみせろ。そうすれば、俺はお前の望みを叶えてやろう。」
「無理ね。そんなことしてる暇ないし。あーあ、期待して損した。貴方つまらないわ。」
そんなの絶対無理だろう。だって、あのルーですら、本気の大軍を率いて攻撃したのにコテンパンにやられて追い返されたんだ。
今の私にその余力はない。
「俺は楽しませてもらっているぞ?お前やあのトカゲがルーの手のひらでコロコロと転がされているのは見ていて楽しい。」
そう言ってカタカタと笑う。
「ちっ、全部お見通しってわけね。」
こいつどこから情報を仕入れているわけ?
「ルーの手が届かない俺に交渉しにきたのだろうが、俺は無理だろう。」
「そうね、もう1人のめんどくさそうな人のところに行ってみるわ。」
「ナクアかな?やつはお前が御せるほどのやつではないぞ?ははっ、どうなるかな、楽しみにしている。」
くそ、他人事だと思って面白がってやがる。
そうして私はハシャの城を後にした。
バーバルは次にナクアの森へと向かいます。さて、無事に帰って来れますかね…
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