第115話 偽物勇者
混乱の世になってから数ヶ月が経ち、今ここに一つの戦いが終わろうとしている。
「我が名は魔王アルモルド。死を振りまく死の王だ。勇者ルーカスよ、よくぞここまでたどり着いたものだ。」
玉座に座る魔王アルモルドがそう言った。
「あぁ、ここまで来るのに凄まじい人の命を失った。今この瞬間もたくさんの人々の命が失わられ、パーティーのみんなが俺をこの場に送り出すためにアーガストと死霊騎士団を抑えている。お前をいち早く倒し、この戦いを早々に終わらせる!」
勇者ルーカスはアルモルドを指差してそう言い放った。
「ふはは!考えが甘いな。お前はここで私に殺され、お前の仲間もアーガストに殺される。お前たちを殺し人間どもを殺す尖兵に変え、人の国を滅ぼそう。すべてを殺そう。だってそうだろう?…お前たちだけ生きているなんてずるいじゃないか。」
アルモルドはそう言うと玉座から立ち上がった。
「やはり、お前は倒すべき悪だ。」
「さぁ、決めようか。生か死を。」
アルモルドはそういうと魔法で雷を呼び出しルーカスに放つ。
ルーカスは光の剣を呼び出し、これを弾いた。
ルーカスは駆け出して向かっていく。
「これは私が独自に開発した魔法だ。魔力の物質化、魔力結晶!!」
アルモルドはルーカスに手を向けると手のひらから鋭い針のような黒い物質が枝分かれしながら凄まじいスピードでルーカスに向かっていく。
ガキン!!
ルーカスは剣でこれを受けるが、受け流し切れず頬に傷をつくる。
「か、硬い!それに枝分かれしながら向かってくるから動きが読みずらい!」
「それだけではない。この魔法は魔力に戻せるのだ。つまり、物質化と魔力化の変換コストのみでこれほど強力な攻撃を行える。これがどれだけすごいことかわかるかな?」
アルモルドはそういうとさらに多くの魔力結晶をルーカスに伸ばす。
空中に鋭い魔力結晶の塊を浮かび上がらせ、ルーカスに放つ。
「くっ!ホーリーバリア!!ぐぁ!!」
ルーカスはホーリーバリアを張るが魔力結晶が突き破りルーカスよ肩を貫く。
「お前はなにがしたいのだ?なにを成したいのだ?なぜ勇者なのだ?なにを持ってして貴様は勇者たり得ているのだ?」
「僕は…女神ジャスティナ様より加護を賜った勇者だ。正義を成すためこの力を与えられた。僕はただ正義を成すのみ!!」
「正義とは?貴様の唱える正義とはなんだ?その正義は、その正義を向けられる者にとっても正義なのか?」
「なんだと?」
「その正義を向けらた者からしたら貴様は悪だろ?お前だってあるだろう?いや、あるはずだ。仕方なかったとしても、罪のないモンスターや亜人を殺したことが。それは貴様の謳う正義だったのか?」
「それは…」
僕の脳裏にさまざまな記憶が蘇る。
その中には、ハードル領で処刑されたオーク達の記憶も。
「それは悪だろう!!わははっ!」
アルモルドはそう言うと無数の魔力結晶をルーカスにまた飛ばす。
「っ、それは…多くを生かすためだ!」
ルーカスはそれをかろうじて避けた。
「貴様の正義は多くを生かすために1人を殺すということか?都合の良い正義だな!!」
今度は手のひらからまた魔力結晶をルーカスに伸ばす。
「違う!!俺は…ただ、みんなのために…」
ガキンと伸びてきた魔力結晶を剣で弾く。
「いいや、違わないね。私のお前に対する見解を述べよう。お前はたまたま力のの適正があっただけ、そしてたまたま女神から貰えた力を使える、人間の…ただの兵器だ。お前は偽物だ。」
アルモルドはそう言ってルーカスを指差した。
「僕は…偽物?」
ルーカスはずっと思っていたことがあった。
僕は本物の勇者なのだろうかと。
図星をつかれたルーカスは剣を落とし膝から崩れ落ちた。
「潰れたな。ふはは、今度は私の尖兵として自分の仲間を殺すのだ。死ね、偽物勇者!!」
アルモルドはそう言って魔力結晶をルーカスの心臓目掛けて放った。
「ホーリーバリア!ハイヒール!!違うよ、ルーカスは偽物なんかじゃない。」
本物の正義、本物の勇者ってそもそもなんなのでしょうね。例え、すべての正義が偽物ならすべての正義は逆に本物なのかもしれません…
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