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第114話 ハプニング

「う、うん?白銀?ここは?えっ!?は、白銀!これはどう言うことだ!?」

ルーファが目を覚ました。俺が抱き抱えている中で。


あっ、やばい。


「いや、これはな。なんていうか…」


「たしか、ご飯を食べて、お風呂に入って、その後自室に戻ったはずだ…はっ!まさか白銀、私に何か盛ったな!?そして頃合いを見て私の部屋に忍び込んだ!?お前!いくら私が美しいからと言ってもパーティーメンバーだそ!?そういう欲求はお店に行け!」


「いや、ここ俺の部屋。」


「へ?」

ルーファはあたりを見渡す。



エルに乗っ取られていたと話しても信じてくれないだろうし。なぜエルがルーファの体を乗っ取り俺と会っていたのか、話した内容。すべてはルーファには説明できない。

よし、ルーファが寝ぼけていたことにしよう。



「お前がこの時間に尋ねてきて、急に倒れ込んで来たんだ。だから俺が受け止めてやったというのに。お前こそ変な薬でもやってるんじゃないか?それとも寝ぼけてるのか?」


「そんな訳ないだろ!変な薬もやってない!寝ぼけてもない!白銀、まさかお前、寝ている私を無理やり自室に連れ込んだんじゃないか!?」


「そんなことしない。」 


「まったく、まさか私に好意を持っていたとは。だが、やり方が好かんな。まずは何回か食事に連れて行け。それでこれからの話をだな…」


「やめろ、話を進めるな。もう用がないなら早く部屋に帰ってくれ。」

どんどん話がへんな方向に行くので、俺はそう言ってルーファを部屋から追い出した。






「アリ、聞いてくれ。昨日白銀に部屋に連れ込まれたんだ。」

次の日の朝、ルーファとアリと朝食を食べているとルーファがこちらを見ながらニヤニヤ見ながらアリに話した。


「えっ!?どういうことですか?」

アリは驚いた顔で言う。


「おいおいおい!」

俺は昨日ルーファが尋ねてきて、急に倒れ込んで来たことをアリに説明する。


「あー、なるほど。」

アリがわかったように頷いた。


「白銀よ、違うだろ?お前が私に薬を盛って私を自室に連れ込んだんだんだろ?」


「いや、それは違うと思いますよ。」

アリがキッパリと言い張る。


「「えっ?」」

俺とルーファが疑問の声を上げる。


「僕の部屋は2人の間にありました。僕は一度聞いた足音ならば誰の足音かわかります。昨日僕の部屋を通ったのはルーファさんと他の部屋に泊まっている人です。ジンさんの足音は一回も聞こえませんでした。つまり…ルーファさんは嘘をついています。1人で、自分の足でジンさんの部屋に行きました。ただ、少し気になったのは歩き方の音、テンポが少し違った気がしますが…」


「えぇー!?」

ルーファが驚きの声をあげる。


「ルーファさん、そんな嘘をついてなにが目的ですか?…まさか、その嘘をネタにしてジンさんから金を巻き上げようという魂胆ですか?さすがにそれはあまりにも卑しすぎませんか?」

アリがルーファに軽蔑するような目を向ける。


「ちっ、違う!本当に私は寝ていたはずなんだ!」


「アリもこう言っている。本当にお前が1人で尋ねてきたんだぞ?覚えていないのか?」

ルーファ、すまん。エルに操られていて、ルーファに記憶がないことは知っているが、ここはアリに乗っかっておく。


俺の保身のために。


「まさか…本当に?…すまない。今日は診療所に行ってくる。」

ルーファは深刻そうな顔をしてそう言った。




もちろん異常などは見つからず事件はルーファの嘘ということで俺たちのパーティー内で完結した。

それ以来、ルーファが少しでも女の子のような仕草をするたびに、アリが軽蔑の目を向けて警戒するようになってしまった。


まぁ、これはエルのせいだから仕方がない。俺のせいでは断じてないのだ。


こうして俺たちはクーリッヒに戻ったのだった。

アリさんかなり鋭い感覚を持っていますね。


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