第112話 ルーファ
俺たちはルーファのお父さん、世界樹の守り人 イムラに会うために城の中を進んでいき、イムラのいる部屋まで来た。
「やっと帰ってきたか。ルーファ。全く、せっかく空間の精霊に気に入られたというのにお前はその力を逃げることばかりに使いおって。」
部屋に入ると、そこにはルーファと同じ金髪の長い髪をした壮齢の男のエルフがこちらを見て言った。
「久しぶりです、お父様。いいえ、この子達は逃げる私をみて力を貸してくれるって言ってくれたのです。これが正しい力の使い方でしょう。」
「まぁ、良い。力を貸しなさいルーファ。今の我々は1人でも多くの精霊術師が必要だ。」
「三大王達に喧嘩売ったからでしょ?私は知らないわよ!っていうかよく喧嘩ふっかけたわね。」
「いや、ルーファ聞いて。チャンスだと思ったのよ。巨人の国アトラースも大軍で攻めるって言うから私も今こそ人類が一致団結して魔王達を滅ぼす時だと。」
なんかお父さんフランクな感じなの?この見かけの感じで?
「無理でしょ!あの三大王達なんだよ?逆立ちしたって勝てないよ。私たちは森で大人しくしてれば安全なんだから余計なことしなくていいのよ。」
「そうだな。私達は自然の中では精霊達の力を借りて無類の力を発揮できる。それもここは精霊が1番力を使える世界樹の森。いかに三大王の軍勢といえども簡単には攻め込めない。私達はここにいれば安全だろう。だがな、ルーファよ。エルフとて人類の一員。他の同士達の国々が立ち上がったにも関わらず我らエルフも指を咥えて見てはいられないのよ。」
「その結果負けて三大王達に怯えて森にこもっている!それも各地から戦士達を集めて、私も呼び戻して守りをガチガチに固めて。よくもまぁ、そんな偉そうに言えたものだ。失敗してるじゃないか!」
「仕方ないだろ、強いんだから!だが、攻める好機であったことには変わりない!それに決して無駄ではなかった!竜王ダイヤがうまく軍をまとめることができず、反撃に失敗。三大王達は仲違いし、竜王ダイヤと始祖の吸血鬼バーバルが激しくぶつかり合っている。その影響で派閥の魔王達もお互いに潰しあっている。魔王達の結束は破られたのだ。」
「確かに、そうだな。無駄ではなかったな。」
ルーファは頷きながらそう言った。
「そうだろ?今は守りながらまた機を伺うのだ。だから、王女としても、ルーファ帰ってきてくれ。」
「…お父様の言い分はよくわかった。だけど、私は帰らない!戦争?世界情勢?王女だから?知ったことではない!私はそんなものに縛られたくないから国を飛び出したのだ。今の私には仲間がいる!楽しい冒険もしている!金も稼げている!美味い飯も食べて冒険者の仲間達と楽しくやっているんだ!王女だから精霊術師だからといって国には帰らない!!」
「もうわがままはやめなさい!国が大変なことになっているんだ!」
「だからそんなの知らないと言っているだろう!」
これは平行線だな。今もルーファとルーファのお父さんの言い争いは続いている。
「守り人よ、もうそこら辺でいいでしょう。」
包帯ぐるぐる巻きのエルフの男が壁を伝いながら部屋に入ってきた。
「ポッシル!」
ルーファのお父さんが驚きの声を上げる。
「大精霊術師ポッシル殿!その傷は!?」
ルーファも驚きの声を上げ、ポッシルに近づき肩をかす。
「ルーファ、久しぶりだな。守り人よ、無理やり娘を呼び戻すのは間違っている。それに空間の精霊と契約を結んだルーファを我らが縛りつけられる術はない。諦めるのだ。」
「しかし、ルーファの力はあまりにも惜しい!ルーファは精霊に愛されている。」
「彼女がその気になれば自然と彼女の方から帰ってくるはずさ。彼女もまた世界樹の民の1人なのだから。」
「…わかった。ルーファ、すまなかったな。私が間違っていた。」
ルーファのお父さんが頭を下げる。
「ルーファもわかってあげてほしい。おそらく守り人はお前のことが心配なのだ。だから、安全な森にいてほしいのだ。こんなに世界が荒れている。お前にもしものことがあったらとずっと心配ている…まぁ、お前なら上手いこと逃げられるだろうが。」
「わかってくれればいい…まぁ、もちろん逃げ足なら自信がある。そんなに心配しないでくれ。」
ルーファもそう答えた。
なんだ、話がわかる王じゃないか。
心配して損したな。
その後、俺たちはエルフの国をルーファに案内されながら満喫した。
やっぱりエルフの料理は量は少なかったが、手の込んだものが多くすごく美味しかった。
意外に肉類も多かった。
気さくな人も多いし、一つ気になるのはエルフってなんか異名で呼ぶのが好きみたいだ。
俺の鎧を見てお前只者ではないな?何者だ?てきな話をしてルーファがクーリッヒの町の英雄 白銀の名を持つ冒険者だと言うとみんな白銀、白銀って言い出した。
なんなの?
ルーファに聞くと異名で呼ぶのが礼儀であるらしい。なによりかっこいいかららしい。
どんどんエルフに対するイメージが崩れていく。
王城には泊まらず俺らは宿屋に泊まった。
俺はシャワーなどを済ませアリとルーファに挨拶を済ませてから自分の部屋に入る。
ダンジョンの身体に意識をシフトチェンジしようとしたその時。
コンコンコン。
ドアがノックされた。
誰だこんな時間に?
俺はドアに近づき、ドアを開ける。
そこにはルーファが立っており、じっとこちらを見ている。
「どうしたんだルーファ?」
ルーファはなにも言わずスタスタと俺の部屋に入ってくる。
俺は訳がわからず後退りした。
バタン。
ルーファが扉を閉めた。
ルーファ…なにかが始まりそうな予感…
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