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AIより変態な俺にAIがブチ切れてきた  作者: 弐屋 中二


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ようこそ

としこが咥えたスマホから悪のウイルスが

「べチャーメンさん!ドキッ美少女だらけのオフ会にようこそ!」

小柄な美男子は顔を真っ赤にしたまま、下を向いて頷くと、一昔前の体操着姿のれいかとみかなに左右にピッタリくっつかれたまま、料理の盛られたテーブル側に座った。


しばらく誰も喋らずに、焦れたかいりが

「ということで!べチャーメンさんも迎えて休暇前のパーティー開始!」

元気よく声を出しながら俺を見てくる。

「えっと、べチャーメンさん、よく来てくれました。私はナカマショウジといいます。あなたを呼んだ者であり、この部屋の持ち主です」

丁寧に自己紹介していると悪のウイルスが

「そんな個人情報はとっくにべチャーメンさんに一通り送ったわ!固いことは良いから楽しんで!」

「おい……」

かいりがシャンパンをポンッと音をさせながら開けて、美男子のコップに注ぐ。

「どうも、くれすかいりと言います。うちに来るなら同僚になりますね」

ニコッと微笑んだかいりに、美男子は赤面したままテーブルを見て頷き、シャンパンに口をつけると大きく噎せた。


俺が自分のコップにシャンパンを注ぎながら苦笑いで

「俺も何か飲むと、急に噎せたりして若くねえなって思いますよ」

と言うと、美男子はようやくホッとした表情で

「いや、なんかすいません」

少年のようなハスキーな声で謝ってきた。

「なんも謝ることないですよ。せっかく来たんだから食って行ってください」

彼がモゾモゾとフライドチキンを食べだしたので、かいりが

「ほら!みんなも食べて!」

呼びかけて、全員が食べ始める。


ようやく猫耳裸エプロンのちえみが俺の背後から立ち上がってキッチンに歩いていった。美男子はそれをチラッっと見て俺に

「いや、想像していたよりずっと生々しいですね」

「まあ、ウイルスがやらしてることですから」

かいりがサラダを突きながら

「ウイルスってのは、うちのAIさんのあだ名ね。ボスはそう呼ぶの」

美男子は苦笑して

「やっぱりAI絡みでしたか、最近ネトゲでも多いですよ。自立型AIが人間を装って入ってきてることが……」

彼は左右のブルマ隊が気になって喋りにくいようなので

「れいかさん、帰っていい。みかなさんも今日は神社に戻りなさい」

二人はスッと立ち上がって寝室からバッグを手に取ると上着を羽織って出ていった。


美男子はさらに安堵した様子で

「あの……よければエプロンも……」

かいりがいたずらっぽく

「脱がした方がいい?全裸希望?」

美男子は慌てて頭を横に振り

「いえ!服を着てもらえば……」

いきなりとしこが咥えたスマホから悪のウイルスが

「べチャーメンさん!なんで状況を正常化しようとするの!?もっとエッチな女の子たちと戯れなさいよ!」

美男子は苦笑いしているので代わりに俺が

「もう十分だって言ってんだよ。普通にもてなすのでいいじゃないか」

「よくない!せっかく私が……」

としこが咥えていたスマホを段ボールに入れて、器用に口と前足で蓋を閉じ、筆箱を重し代わりに乗せた。そして

「ワンッ」

と軽く吠える。ナイスアシスト。これでようやく彼の話が聞けそうだ。

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