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三角関係ね!

睨み合っていると眠くなってきて、ウイルスと議論する気力ももうないので、作成した画像をプリントした後に、パソコン画面を向こうに向け、ササッとことを済ます。その後、軽くシャワーを浴びてから寝袋に入り俺は寝た。


ちえみから頬を突かれて起こされる。

「どうした?」

「としこがーみんなで散歩行きたいそうですー」

すでに散歩する服装のちえみは「散歩いくぞ ぜんいんで」というとしこが書いたであろうメモを見せてくる。俺は了承して起き上がり、インスタントコーヒーを1杯飲んだあとジャージを着てキャップを被った。


スマホも携帯しているので、ウイルスも一緒に来ていることになる。起きてすぐの朝の光は眩しくて、サングラスか色眼鏡がいるな……などと思いながら、電柱にマーキングをしているとしこを、あくびしながら眺めていると、黒キャップと黒コートのれいかが向こうから歩いてきた。黒いボストンバッグを提げていて如何にも怪しいし、目立っている。声をかけるとビクっとして、頭を下げてくる。

「例のものは持ってきた?」

といきなりスマホからウイルスが話しかけたので、ポケットから出してれいかに向けてやると、れいかは頷いた。


全員でマンションに戻り、ちえみが朝食を作り始めたのでリビングでウイルスとれいかのボストンバッグの中身を確認し始める。中身は予想通り、アナログカメラや下着などんちえみの私物だった。うなだれるれいかにウイルスが

「で、ちえみちゃんのことは好きなの?」

れいかは顔を真っ赤にして頷いた。

「うー……いいわ!三角関数ね!これはいい美少女ゲーム的設定!そうでしょ!?」

「俺に言ってるなら、全く同意できんぞ」

どこを勘違いしたら三角関数になるのか。

スマホをれいかに向けテイッシュの箱に立てかけて

「そろそろ着替えないとな。あとは喋っていてくれ」

勘違いしたあげくにスベリまくっているウイルスに付き合っている暇はない。


着替えて、ちえみの朝食を食べる。としこはドッグフードを床に置かれた皿から食べていた。メイド服のれいかとエプロン姿のちえみから

「いってらっしゃいませ」

と頭を下げられて、なんとも言えない気持ちで出勤する。


そして事件は、会社前のバス停に降りた時に起きた。

「あの……これ」

と黒髪ボブのスーツ姿の女性から紙切れを渡されて戸惑っていると

「連絡ください」

そう言って彼女は走り去って行った。紙切れには丸文字でラインIDと電話番号まで書かれていた。

「これは新手の詐欺かもしれませんねえ」

ウイルスがポケットの中のスマホから言ってきたので

「調べてくれ。女子から告白とか、いつ以来だよ……」

首をかしげながら、目の前の会社に出社する。

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