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第54話 山盛りの魔石でガチャを回せ!(1)

 第三階層の最奥。地下にある試練の部屋にて。

 茶々子達はたくさんの魔石を抱えながら、石レンガの壁に向き合っていた。


 壁にはガチャレバーがポツンと突き出ており、省スペースといえばその通りだが、普通に見逃してしまいそうな場所にある。


 これが第三階層のガチャマシンなのだ。


「私の目は誤魔化せませんが、意地の悪い場所にあるのです!」

「流石」


 そんなガチャマシンに魔石を抱えた茶々子が、紫の半目をきらめかせながら指を突きつける。

 どんなに見つけにくい場所に有っても、色々な種類の悪魔と相対して鍛えられた彼女の目は、獲物を見逃さないのだ。


「今回は私が先にいきますね」

「わかった」


 前回はチエが先に回したので、交代といったところだろうか。

 たくさんの魔石を抱えながらガチャマシン、というよりもガチャレバーの前に陣取った茶々子。彼女はガチャレバーに魔石をセットし、ゆっくりと回転させる。


「まずは小手調べに一つ」

「何時までも終わらないから、一気にやった方が良いポン」


 急かすポン太に対して独自の理論をお披露目した茶々子は、自分のペースを乱すことなくガチャレバーを回転させた。

 ポコンと空いた穴から出てきたのは、白いカプセル。白色はC(コモン)なのでレア度としては最下級。ハズレである。


「ダメです。ガチャの調子を見ながら投入しないと、当たりは引けません」

「……魔石ガチャにそんな機能は無いと思うポン」


 ポン太の反論を聞き流した彼女は手慣れた様子で新たな魔石を投入し、ガチャレバーを回転させた。今度は空いたままの穴から黒いカプセルが出てきたのでUC(アンコモン)、レア度としてはC(コモン)の一つ上だ。これもまたハズレである。


「……回転数を上げますよ!」

「いっそ全部入れた方が良いポン」


 今度は三つの魔石を投入した茶々子。

 ちなみに第三回層で集まった魔石は四十個だったので、二人で半分こにして一人二十個の魔石を用意してある。


 現在投入したのは五個なので、茶々子の手持ちは残り十五個だ。


 すかさず回されたガチャレバーは特に変化を起こす事は無かった。

 しかし出てきたカプセルの色に、茶々子は紫の半目を更に細めた。

 青いカプセルが三連射されたのだ。


R(レア)三連ですか、ここは一気に行きます!」

「魔石ガチャでR(レア)三連は珍しいポン」


 吉兆を感じたらしい茶々子は残りの魔石を目にも止まらぬ早業で納めると、ガチャレバーを気持ち重そうに回転させる。


 するとガチャマシンと一体化しているらしい壁一面が、真っ白に光り輝いた。


「演出来たぁ!」

「おめでとう」


 様子を見た甲斐があってか、開始された演出に茶々子の目が光り輝く。

 彼女の頑張りを見ていたチエは、拍手と共に祝っている。


 真っ白に光り輝いていた壁面に現れたのは、巨大なスロット画面だ。

 スロットというのは回転する絵柄を任意で止めて、同じ絵柄の一列を揃える遊びなのだが、ガチャの演出のためスロット自体は自動らしい。


 次々と絵柄の揃わない状態で停止されては、白や黒に青のカプセルを吐き出すガチャマシン。


 その様子を茶々子達は真剣に見守っている。


 :全然出ないね~。スカ演出?

 :やはり宗寺そうてらは運が良い。演出自体、早々始まるモノでは無いはず。

 :そういうモノなのですか、毎度、演出が発生しているので勘違いしていました。

 :あっ、絵柄が揃ったね。何が出るかな?


「日頃の行いが良いお陰ポン」


 ポン太の持つ精霊スマホからの声が言うとおり、壁面スロットにて、デフォルメされた雑魚悪魔が横一列で揃っていた。


 三体のデフォルメ雑魚悪魔が腕を組んで踊り出す。


 穴からポコンと射出されたのは紫色のカプセル。紫はUR(ウルトラレア)、最高レア度だ。茶々子の目的とする品はUR(ウルトラレア)なので、目的の品が出てくる可能性もある。


「よいしょ!」

「今日一番の動きポン……」


 勢いよく飛んでいこうとしたカプセルは、茶々子が飛び上がってキャッチ。

 その場でゆっくりと開かれていく。


 開かれるのと同時に、カプセルは光り輝いた。

 光が収まり、残っていた物を見た茶々子とポン太は渋い顔をした。


「げ……」

「ポン……」


 後に残されていたのは、直径一メートルほどの玉である。

 大玉と言うには小さく、小玉と言うには大きな玉の中心には青い渦巻きのマークが描かれていた。


 :極級の術式兵器ですか、氷結属性みたいですね。

 :『物質鑑定』魔法の爆弾だと? 好き勝手に外へ持ち出されたら大問題だぞ。

 :起動にフクザツな手順が必要だから、大丈夫だよ~。


「魔法少女の登場で廃れてしまった残念兵器ポン。これは後で僕が回収するポン」


「わ、私のURがゴミに……」


 茶々子は当ててしまった粗大ゴミを前にして、膝をつき嘆いた。

 彼女はこの爆弾を貢献度ガチャのSR(スーパーレア)景品として、何度も当てたことがあったりする。故に渋い顔をしたのだ。

 オマケに極級氷結術式こおりつくだいちは、火属性と氷属性を扱える【バフォメット】でも使える為、彼女にとってこの爆弾は不要な品。ようするに外レアである。


 そこらに散らばったカプセルを集めてきたゴブリンは、ガチャ前を陣取る自分と同じ高さの玉に困っている。


 とりあえず、玉を軽く押して横へ転がしたチエが、ガチャ前へ出てきた。

 茶々子は残念な結果になったが、次はチエの番だ。

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