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第51話 半精霊と一緒にガチャを回せ!(1)

 第二階層の終点。

 砂利の敷き詰められた学校グラウンドの中心にて。


 停車した車の横で真剣な表情の少女二人が魔石の分配をしている。

 茶々子達だ。

 周囲には三階層への魔法陣と青いガチャマシンがあり、どうやら魔石が集まったのでガチャを回すつもりらしい。


「ほとんどの戦果は茶々子の召喚したゴブリン達のお陰。半分は貰いすぎ」

「取得物は折半が基本なのです。それに一人だったら、猫又から反撃を貰っていたと思います」


 遠慮するチエを茶々子が説得している。

 合計八個の魔石を譲り合う二人に、ポン太から突っ込みが入った。


「さっさと先に進んで新しい魔石を集めた方が、建設的ポン」


「それもそうです。奥の方がレア輩出率が高いと聞いています」

「凄い納得した」


 ポン太の提案にハッとした二人は、それぞれ魔石を四個ずつ持った。


 魔石ガチャの前に立つ二人。

 青色のガチャマシンは迷宮内の擬似的な太陽に照らされて不思議な光沢を放っている。


「どっちが当てても恨みっこ無しですよ」

「うん。先に引いても良い?」

「どうぞです。残り物には福がありますので!」


 先を譲ってもらったチエはガチャマシンに魔石をセットすると、手のひらを何度か握り開きしてからガチャレバーを回転させた。


 カプセルが混ぜられる音がガチャマシンから聞こえてくる。


 音と共に排出されたのは白いカプセル。

 白色はC(コモン)なのでハズレである。食堂で低階層の渋さを聞いていたチエは、気にすることなくカプセルを開放した。


 開かれたカプセルから光があふれ出すと、チエの手には鋭いナイフが握られていた。もう一方の手に現れていた鞘へ刃を収めた彼女は、横で見守っていたゴブリンの背負いカゴに鞘に入ったナイフを放り込む。


「持っていて」

「ゴブ」


 次の魔石を用意したチエは、調子を掴んだのか手早く魔石をセットすると、そのままガチャレバーを回転させる。


 レバーの回転速度が速かったからか、ガチャマシンは素早くカプセルを排出した。


 今度のカプセルは黒色である。

 黒カプセルはUC(アンコモン)なので、ちょっとした魔法がかかっている。小当たりといったところだ。


 カプセルを開けたチエは、急に目の前に燃えさかる剣が現れたのでおどろいた。

 危うく取り落としそうになりつつ、軽く一振り二振りした彼女は小首を傾ける。


「燃えてるのが気になって使いにくい」

「低レアの魔法装備は欠点がつきもの……と聞いたことがあります。補いやすい欠点なら良いのですが、常に燃えてるのは困りますね」


 カプセルから出てきた燃えさかる剣は、先ほどのナイフと同じく鞘に収められると、背負いカゴへ放り込まれた。ゴブリンがキラキラした目で、物の増えてきたカゴの中を見つめている。

 

「昨日の茶々子はUR(ウルトラレア)出た?」

「私たちは昨日結構回しましたけど、ゴブリンの被っている兜くらいしかUR(ウルトラレア)は出なかったです」

「……まとめて回す」


 昨日の成果を聞いたチエは、低階層では期待が持てそうにないので、残り二個の魔石を一気にガチャマシンに投入すると、素早くガチャレバーを回転させる。


 すると青いガチャマシンがふるえだす。


「何これ?」

「レア演出です!」

「レア演出?」

「良いのが出やすくなります!」


 ふるえていたガチャマシンは光り輝くと、招き猫のような形状にその姿を変えた。

 招き猫型ガチャマシンは手招きする度に内部を混ぜているらしく、途切れることなくカプセルのかき混ぜられる音が聞こえてくる。

 招き猫の目玉は青、赤、紫と色を変えながら輝いており、どうやら排出するカプセルのレア度を表しているようだ。


 カッと目を赤く輝かせた招き猫型ガチャマシンは、赤いカプセルと青いカプセルを大きく開いた口から吐き出した。

 転がったカプセルを恐る恐るツンツンしたチエが、濡れていないことを確認して拾い上げる。猫のように見えるが完全にガチャマシンらしい。


 青いカプセルを開けたチエは目を見開いた。

 中に彼女たちの乗ってきた車そっくりなミニチュアが入っていたのだ。


「車。乗れる?」

「……それは自走爆弾ポン」

「爆弾!?」

「僕の自動車は同じ車体を流用しているポン。まさかダンジョンのガチャから出るとは……少しデザインをいじらないと自爆する子が出てきそうポン」


 魔法少女の貢献度ガチャではハズレとしてお馴染みの景品だ。

 しかしダンジョンガチャの景品として出てくれば、茶々子達の乗っている車と間違えられてしまうだろう。敵めがけて突撃する特性は持っているが、誤って追いかければ敵もろとも自爆することになる。


 ポン太の持つ紫の精霊スマホから山崎先生の声が聞こえてくる。

 探索の邪魔をしないように静かだったが、しっかりと配信中なのだ。


 :ダンジョン受付に連絡をしておいた。そっくりな道具とは……物品鑑定無しで道具を使うリスクも周知しておいた方が良さそうだな。


「一応レア度が違うことも伝えておいて欲しいポン。僕の自動車はSR(スーパーレア)で、自走爆弾はR(レア)ポン」


 :情報提供感謝する。


 話が終わったのを確認したチエは自走爆弾をゴブリンのカゴに放り込み、赤いカプセルを握りしめる。話を聞いていたゴブリンは放り込まれた危険物から目を離せない。


 赤いカプセルから出てきたのは、笑顔の彫刻された指輪だった。


「変な指輪」


 チエは指輪をつまみあげると、デフォルメされた笑顔と見つめ合う。

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