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真実の愛に目覚めたそうです

「ソラ・モナコ侯爵、貴様との婚約を破棄する」


弱小国家のランベルグ王国、この国は莫大な借金を抱えている。それもこれも現おバカ王太子の散財の結果、しかも、そのおバカさは、究極の極みまで達している。

平気で浮気をするというより見境なしに女を口説いて抱く、彼に純潔を散らされ泣き寝入りしている女子がかなりいるのだ、なので、王太子”カリスマ”を”バカリスマ”と影で呼ぶ。そのバカさぶりで話題になったのは、15歳で私と婚約したことだった。しかも、彼はすでに婚約者がいるにもかかわらず。


元婚約者の彼女も被害者の一人、かわいそうに純潔を散らした翌日にこんなことをした。それも、理由は、国王陛下の意思とか、陛下がかわいそうだし、元婚約者は自殺未遂をして今は、教会に入っている。


しかも、バカリスマの行動は無茶苦茶、彼の我儘で婚約させられた私、更に我が侯爵家に輿入れの代金として借金の帳消しにしろと無茶苦茶ないことを言って来たのだった。


当然、お父様は反対をしたのだが、国王陛下からの意向もあり、誓約書以外に契約書を作ると言う条件付きで渋々了承したのだった。


誓約書の内容は以下の通り


国王の名の下に両名の婚約認める

結婚の儀が終わるまで、お互い性的関係の禁止

どちらかに非がある時、非がない方から婚約破棄を言い渡すことができる

その他は大体、一般的な項目が100項目書かれており、最後にその他、婚約破棄が成立した場合、別途契約書に示す通りとすると記述が書いてある。


しかし、バカ王太子は、これらの誓約書と契約書を確認もしないで、サインをしていた。その姿を見た国王陛下は、大きなため息をつきながら、サインをしていた。


しかも、バカ王太子は、国王陛下に対して、「これで借金を無くすことができました」と自画自賛したそうだ。そのことを聞いた国王陛下は頭を抱えたと聞いている。


そんな王太子殿下が私に対して婚約破棄を言って来たのだった。


「殿下、それはどういうことですか」


「俺は真実の愛に目覚めたのだ」


「は?」


その場にいた貴族都市の教養たある者たちはあきれた声を上げた。そんな理由で婚約破棄などありえないのだから、さらに言うと、彼に純潔を散らされた女子たちから殺気がでている。


「そんな理由で私との婚約を破棄すると」


「そんな理由とはなんだ!!それ以外にもこのアマリアへに対する悪事の数々、ここで貴様も断罪してくれる」


アマリアへ・ミュラー、神聖教会の主事ミュラー子爵家のご令嬢なんだけど、元々平民出身、彼女は聖女として、その美貌と天然で学園で色々と問題を起こしたんだけど、最後はこれとは、


「まさか!!その女といたしたのですか?」


「はっ?そんなことしていない」


嘘をつくのは、相変わらず下手だ。しかも、その横で顔を真っ赤にしている彼女を見ているとあ〜あ、やっちゃったのね。


と言うことは、こちらからも婚約破棄はできる。


「アマリアヘ嬢には、貴族として忠告をしたまでてすわ」


「相変わらず嘘が下手だな、お前の悪事は全て明白だ。だから、婚約破棄の上、貴様を死罪を言い渡す」


「本気なのですか」


「本気だ」


その時だった。衛兵が会場に入って来て私を捕らえたのだった。


「ソラ!!これで終わりだ。最後に言い残すことはないか」


「これは誓約違反と契約違反ですわ」


「ハハハ!!何を言っている!!あんな紙切れに効力なんかあんものか」


「衛兵!!早くこの女を牢獄へつれていけ!!」


「連れて行けるものなら、やってみなさい!!」


するとバカ王太子は、私の顔を持ち上げて、下品な舌舐めずりをした。


「誓約書で思い出した。もう婚約者でもないから、最後にお前を抱いてやる!!衛兵、俺の部屋へ連れて行け!!」


「このクズが!!」


「貴様!!俺に対して!!」


ブチ切れた王太子は私を蹴り上げた。


何回も何回も


激痛の後、鼻と口から血が流れていた。しかし、私は最後の手段を取った。


「わ…私は…ここに宣言する…お…王太子は誓約違反と契約違反をした」


「まだ、世迷言を言ってやがる」


王太子殿下がそう言った瞬間、私を捕らえいた衛兵達は、突如苦しみだした。


「死にたく無かったら、この手をはなしなさい!!」


「何を言っている!!この女!!」


王太子殿下は再び私を蹴り上げ用とすると彼のあしからニブイ音が鳴った。


ぼき!!


ぎゃぁぁあああ!!


王太子の足がボキリと折れたのだった。


ぁあああ!!僕の足がぁああ!!、足がぁあああ!!


足を抱えて疼くまる王太子は金切り声を上げ


「早く!!この女を切れぇぇええ!!」


衛兵の一人が刀を抜いて、上段の構えをした。そこへ


「そこまでだ!!」


そこに現れたのは、国王陛下と近衛兵達だった。そして、私を切ろうとしていた兵士は炎に包まれた。


「モナコ侯爵令嬢を放しなさい」


「父上!!何故ここに!!」


「王太子。この場で王太子は廃嫡とし、王族から追放とする。これより平民カリスマとして、生きて行くことを命ずる」


「は?意味わかんねえ!!何故!!俺が追放?父上!!どう言うことなんだ!!ええ!!」


「捕らえよ」


「なっ何をする!!俺は王太子だそ!!」


まだ暴れようとする王太子は魔法を発動しようとしたので、雷が落ちた。


ぎゃぁああ!!


「ち…父上!!これは?」


「カリスマ、お前を労役の刑とし、魔石工場送りとする」


魔石工場、名前の通り魔石を作る工場、普通の労働者はそれぞれの魔力に応じて魔力をこめて魔石を作るのだが、労役の刑となると話は別、ある装置に繋がれて無理矢理魔力を吸い出されるのだ。その時、相当な激痛が走るらしい。


実は、カリスマがこのパーティーで婚約破棄をすると言う情報は入っていたので、誓約破棄と契約破棄の状態に既になっていた。


なので、そのままだと契約魔法と誓約魔法によって、死を迎える予定であったのだか、そうなるとモナコ侯爵家としても貸し倒れになること、国王陛下も我が息子を殺したくはない。


このことから命までは取らないことが決まっていた。


労役で散財して作った借金を返してもらうことになったのだった。まあ、契約書には契約違反をした場合の借金の利息はトイチになること、王太子が返済しないといけないことが書いてある。


更に本来は不貞防止用の魔術具を王太子につけた。


「いやだーー俺は王太子だぞー!!こんなのはみとめない!!」


そう叫んで拒んでいたが、近衛兵に勝てるはずもなく、魔道具を取付られ、捕縛されたのだった。


そして、一生、魔石工場で生きることになったのだった。


私はと言うとヒールで怪我を治してもらった後、国王陛下から正式な謝罪を受けた。


こうしてバカ王太子事件は幕を閉じた。




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