表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
逢魔が娘  作者: 冬泉
20/38

逢魔が娘-19◆「仲間が二人増えました!」

■ペーレンランド/都/練兵場


「見事だな、姫様とやら。流石の我が輩にも動きが全く見えなかった。まさに、乾杯だ」

「乾杯って・・・字が違うし」


 さりげに頭の悪さを露呈するバッコスに、完敗でしょう? と笑いながらも、娘は少しはにかむ様に、バッコスに手を差し出した。


「実力の1/100で十分、だなんて、失礼な事を言ってごめんなさい。」


 驚いた様に、バッコスは自分に差し出された華奢な手と、花綻ぶ微笑みを浮かべる小さな顔を交互に見やった。その綺麗な笑みを見ていると、何処か暖かい物が心に広がっていく。自尊心超肥大の、バッコスの心もすっかり溶かすかの様に。


「・・・いや、我が輩も不遜な物言いであった」


 その細い手をそっと取ると、バッコスはゆっくりと立ち上がった。


「姫様とやら、お主本当にやるな。」

「ルナマリオン・エリヤ・ラ・カイラム。」

「あぁ?」

「だから、私の名前。ルナマリオンでも、エリヤでも、どう呼んでもいいけど」

「そうか・・・ならば、我が輩は“ルナ”と呼ぼう。」

「おい、バッコス・・・」


 高貴なお方に対して、何を勝手なことをほざいているんだ、と些か慌てるライアンをルナは手で制して言った。


「わかったわ。それでいい」

「良かろう。では、我が輩のことは、心よりの尊敬を込めて“偉大なるバッコス様”と呼ぶがよい」

「了解、バッコスね」

「ルナ! 肝心の修飾語が抜けておるぞ!」

「聞こえなかった? うふふ、お馬鹿さんには聞こえなかったりして」

「なんだとぉ!」


 喉元過ぎれば何とやら――再び不遜で傲慢な態度に復帰するバッコスだが、ルナもきっちりお返ししていた。ま、これはお互い様なのだろう。


「我も“ルナ”と呼んでも良かろうか?」


 それまで黙って聞いていた静流が言った。


「いいわ。私も、貴女の事を“静流”って呼んで良い?」

「無論だ」


 ルナの言葉に、静流は大きく頷いた。

 ルナは、改めてバッコスと静流の二人を交互に見ると、姿勢を正して言った。


「じゃあ、バッコス」

「おう」

「静流」

「うむ」

「これから、宜しくね」

「任せておけ!」

「こちらこそ、宜しく頼む」


 三人が出来たばかりの友情(?)を暖めている間、蚊帳の外に置かれたライアンはやれやれと苦笑いを浮かべた。


「エリヤ姫様。お茶をお出ししますので、私の部屋にお戻り頂けますか?」

「えぇ、いいわ。隊長さんには、今後の事を相談する必要があるしね」

「では、こちらにどうぞ」

「最上級の茶を出せよ、隊長」

「お前に言われんでも無いわ!」

「隊長さんとバッコスって、仲良しさん?」

「「違うわ(ぞ)!!」」


 思わずハモってルナに突っ込むライアンとバッコス。


「ふむ。見事な複合技ではないか?」


 静かに、二人に止めを刺す静流であった。


 「逢魔」十九話です。漸く主人公ヒロインの名前が明かされました(笑)。名付け親は、RPGの盟友のらぱんどら氏です(どうも有り難うございました)。また、静流とバッコスがいよいよ仲間に加わります。だんだんと、パーティーの呈を成してきましたが、さて?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ