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テーマ詩集:四季

春よ

作者: 歌川 詩季

 秋のほうが好きです。

 咲いた花には 散りどきを見定め

 先まわりして 別れの涙をぼろきれで(ぬぐ)うとは

 (かしこ)いやつらが見せる 手慣れた作法を(さかな)

 一献(いっこん) ()りたいねと こぼれ咲く梅を(あお)


 春はまだ 息つぎをしたところだぞ

 ()いて 駆け来る 夏のせっかちを(いさ)めて


 冬の抱擁から(のが)れたぼくたちに

 のどかな季節は いましばらくの逗留(とうりゅう)の宿

 春よ なぁ ここらで ひとやすみしたらどうだ

 なんなら もう一献(いっこん) ()ってもいいんだぜ



 やがて散るなら とどめるを(あきら)

 先おくりした 別れの言葉 高らかに(うた)うとは

 (さか)しいやつらが見せる 小洒落(こじゃれ)た技法を尻目に

 一句を寄せたいねと 七分(しちぶ)の桜を()もう


 春はまだ 息ぎれもしていないぞと

 ()れて 駆け寄る 夏のやっかみを(しず)めて


 冬の寵愛(ちょうあい)から()かれたぼくたちが

 さかりの季節を むかえるための登龍(とうりゅう)の門

 春よ まぁ そんなに いそぐことないじゃないか

 返しに もう一句を ()んではくれないか

 夏が好きじゃないから、かなぁ?

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― 新着の感想 ―
[一言] 登山するなら夏のほうが都合良いですけど 普段過ごすなら秋が好きですね。 春は、まだ肌寒いので。 秋のほうがちょうどいい感じです
[良い点] 「冬の寵愛ちょうあいから解とかれたぼくたちが,さかりの季節を むかえるための登龍とうりゅうの門」、よくこう言う言葉が思い付きますね。私の頭では、とても、出て来ない言葉です。 [気になる点]…
[一言] 夏が好きじゃないのかなぁ と思いながら読んでいたら 後書きに書いてあった(笑)
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