プロローグ1
「この程度か。今回のユニオンどもの攻撃は」
戦場の真ん中で人ならざるものどもの死体の山の上でつまらなそうにそう吐き捨てたのは、15歳程度の少年だった。彼は右手に持っていた日本刀のようなものを鞘に納めながらあの日のことを思い出していた。それは彼が10歳の時のこと。初めて地球にユニオン達が攻めてきたときのことだった。
西暦20XX年早朝その悲劇は起こってしまった。地球外生命体通称ユニオンと呼ばれる異星人達の大進行。大気圏を一気に突き破り現れた約400万の未確認飛行物体に世界中の人々は恐怖した。そして何の前触れもなく現れた奴らは人類にたいして攻撃を始めたのだ。人類の理解できない多彩な武器を使い一気に奴らは地球人達の8割を消し去ることに成功してしまった。
もちろん人類側も反撃をしたがどんな攻撃も奴等の宇宙船には傷一つ着けることができなかった。核を打とうが電子パルスを撒こうが一切意味をなさなかった。人類のほとんどは絶望した。
しかし人類もあるものを発見した。それは希望と呼ばれた。
かつて栄えたと言われるアステカ文明その遺跡の地下から魔道具が見つかったのだ。そしてその魔道具を人類の生き残りは研究した。その研究した組織が現在世界中でユニオンに対して解放運動を起こしているキャスターとなり、人類の希望となっている。
今小規模なユニオンの進行をたった一人で潰しその死体の山の上に立っている少年もキャスターの一人で世界に5人しかいないSランクの戦士だ。Sランクと言うのは魔道具を保持して使いこなせているものを意味する。
「早く見つけないといけないな。この魔道具で。最強の10人を」