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第4話 母の涙
今回超短めです
byしとらす
机上が地上を離れ風と一つになろうとしている頃、月極兎貸子は毛虫と心を一つにしようとしていた。
「世界を救うのは英雄とは限らないんですよ、意味わかりますか? トッキーちゃん」
「英雄が救いようのないクソ野郎なんだからめちゃくちゃになるに決まってんじゃねーかっ! ってことっスか?」
「何言ってんですか、違いますよ。英雄はいつだってみんなの憧れゆるふわ愛されガールなんですから。ところで我が家に代々伝わる毛虫鍋ってご存知ですか?」
「知らねぇ……あ、あれ!なんか飛んでるっス!なんですかねあれ?鳥?飛行機?」
YES!プロペラカウボーイ!
それを見た月極は静かに口を開く。
「お、おかあさん……?」
頬に涙を伝わせて叫ぶ。
「おかあさんっ!!!!!!」
カウボーイの目から落ちた水の塊は灰の世界の色を変えた。