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序文
これは、金閣寺の真実と、それに翻弄される少年の運命の物語である。
金閣寺。それはそれは美しい建物だそうだ。
誰もが礼賛する。誰もが喜びと共に口にする。
きっと私が想像するよりも美しいのだろう。
私はそれを、燃やし尽くしてしまいたい。
この世から痕跡も残さぬ程に、強い力で。
何度も踏み潰したい。
何度も燃やし尽くしたい。
何度でも侮辱し、陵辱し、そして消滅させたい。
私にはそれが出来る。
私はそれをやらねばならない。
そうせねば、私は満たされない。
乾き続けるこの心を満たしたい。
……
遠く遠く、遠くから、それを目がけて私は行く。
続きます。