003.こじらせたDT
『30歳まで童貞でいると魔法使いになれる』
延べ100歳越えるとどうなるんでしょう?
たんぽぽは、村長用のお茶をお盆に載せたまま、あたふたしてます。
今にもティーカップを落としそうです。
いや、お盆ごと村長に向かって投げ飛ばしそうです。
こ、このポンコツは・・・。
まぁ、現状のたんぽぽは、訳あって最適化された判断・行動パターンデータを使用できない状態で、本来の性能の1%くらいしか発揮できていないから仕方ないんです。
2重の制限がかかっている状態で、完璧に仕事をこなせって言うのも酷というもんだ。
生温かい目で見ていくしかないか・・・。
まずは、村長夫婦と村長が買った人形の事を終わらしちまうか。
朝食食べたいし・・・。
「ジン姉さん、怒るのは、ちょっと待ってくれ」
呼び名ひとつで人間関係はスムーズになるんだぜ。
良く覚えときな。
さすがに姉さんとは言いにくいがな。
50歳前後なんて、まだまだ若過ぎて、ちゃん付けしたいくらいだぜ。
「カーマちゃんが、そう言うのなら、あたし、いくらでも待っちゃう・・・あんたは、帰ったら覚えとくんだね」
ジン姉さんのテンションがジン姉さんと呼んだ事でマックスに。
そして、テンションマックスのまま、表情はダークサイド方面に・・・。
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」
村長の表情で思い付く擬音とセリフがピッタリだ。
「ジン姉さん、それくらいにしておいてあげなよ。村長は、どうも、詐欺に引っかかったみたいなんだよ。糖質教会って宗教組織のな。名目は宗教団体だが、実際は金儲けのための詐欺団体だ。二束三文の壺や絵画、そして、人形を洗脳した信者の女の子の身体とあっまーい言葉を使って高値で売りつける。それも、後は入れるだけの状態の枕元で『させてあげるんだから買ってよ』って交渉するからたちが悪い。ほんと、男だったら引っかかってもしょうがないんだよ」
俺もそうなったら、ぜってー引っかかる。
前世から経験無いしな。
おかげさまで、現世は立派な高レベルの魔法使いだぜ。
もしかして、妖精に近いハイエルフになったのも、このせいか?
そ、それは、い、遺伝だよな?
なっ?
「二束三文って、ちゃんと、B級って、聞いたんだけど・・・」
信じたくはないと思うけど、状況的にそうだろう。
「見てみないと分かんねーけど、E級にも届かねぇ売り物にならない人形じゃないかな?」
頭を抱える村長。
まぁ、仕方ないわなぁ。
E級の人形で金貨60枚ほどの値段だ。
それを金貨200枚買っても大損なのに、それ以下の価値しかないと言われれればな。
たぶん売り物にならないレベルの骨格に、上級の人工皮革を薄く貼っただけのモノだろう。
それに判断・行動パターンデータもほんの少ししか登録されていないんじゃないか?
でも、実際に見てみないと・・・。
【乙女流:接客術:売場把握】
気配、魔力、空気の流れ、温度、音などを収集分析することで、半径20mの情報を全て把握する。
外に止めてある村長の馬車の中に人形が横たわってるな。
「その問題の人形って、外の馬車にあるんだろ? 見てみるんなら見てみるけど」
「カーマちゃん、お願い出来るかい」
使い物にならなくなっている村長の代わりにジン姉さんが答えてくれた。
「一応、あたしのためにも買ってきてくれたみたいだし、直せるのなら直してくれる?」
「了解、了解。もちろん、直すとなったらタダって訳にはいかないぜ」
「それくらい、分かってるわよぉ。カーマちゃんが修理してくれるんだったら、金貨5,000枚だって出しちゃうわよ」
「ジン姉さん、そこまで出すならS級は無理だけど、A級の銘付き人形が買えちゃうぜ」
ジン姉さんと話しながら、馬車に積まれていた人形を工房まで運びました。
戻ってきても、たんぽぽは、あたふたしたままでした。
こ、このポンコツは・・・。
人形は車の値段を参考に




