014.桜の暴走?
暴走シリーズ第2弾?
ピクリとも動かなくなった軍用人形とは対照的に、アルカニダのスパイは、プルプルと震えている。
喜びを隠せないようだ。
「ウェハハハ。これで、人形を売り払って大金はオレのモノニダ。いや、銘付き人形が手には入ったニダから、この国は俺のモノニダ。オレ様が、新しい国王ニダ! 王国の財宝や女は、全て俺のモノニダ! ウェハハハ。ホルホルホルホルホルホル」
欲に目が眩んで、有り得ない未来像が見えたようだ。
国王になるためには、桜の所有権が取れたとしても、クーデターを起こして、国王や軍を倒さないといけないんだぜ。
まぁ、妄想全開の、今、この瞬間が、このアルカニダのスパイの人生が一番、輝いた時だったんだろう。
すでに、過去形だが・・・。
ドサッドサッドサッドサッドサッドサッドサッドサッドサッ
「マスター、終わりましたっです」
9体の軍用人形が崩れ落ちた。
それを見て呆気にとられたアルカニダのスパイ。
口を開けてポカーンとしてやがる。
実際に、こんな表情するヤツがいるとはって思ったね。
ひよこは、アルカニダのスパイのセリフから判断して、軍用人形を無力化するために、【乙女流】を惜しげもなく使って、軍用人形を片付けた。
ぶっちゃけ、保険のようなモノだけどな。
でも、ひよこ・・・・・・グッジョブ。
「ただ、乱入者に邪魔されて、桜姉さんは・・・っです」
村の外れの家の屋根の上にいる人物に、ひよこは目をやった。
乱入者がひよこから桜を守ったのは、俺にも見えた。
こそこそとこちらを探ってる気配はあったが、頭隠して、アフロ隠せず・・・、ほんとに、あの人は・・・もう・・・。
と言うか、桜を助けたって事は、桜と関係あるのか?
いや・・・あの人なら、その上と関係あるっぽいな。
マジで一体何者なんだ?
「ひよこ、一応、残念ながら、マジ、残念だけど、あの人は、味方なんだ」
「本当っです? じゃあ、乱入者が助けた桜姉さんもっです?」
敵の可能性があったから、その可能性は排除してたが・・・。
「どうも、そうみたいだ」
ひよこは、それを聞いてちょっと複雑な表情をしてから、笑顔を見せた。
「桜姉さんと、ちょっと戦ってみたかったっです。乱入者が味方って事より残念っです」
状況をまとめると、桜が言っていた交渉が本当で、この欲に目が眩んだアルカニダのスパイが暴走したって事か・・・。
たんぽぽも、ひよこも、そして、俺も、桜の方についてれば、悪いようにはならなさそうだ。
また、あの人への借りが増えたがな。
『報告です・・・少し遅れましたが・・・マスター・・・【ハッキングツール・50Rocks】・・・解析完了・・・無効化のため、焼き切り完了しました・・・』
【四季】も、グッジョブ。
アルカニダのスパイへの対応としては、こっちが本命。
元から原因を断った方が良いからな。
ただ状況について来れていない桜と兵士たちは・・・固まっているようだ。
まぁ、仕方ない。
俺が前にでるか・・・。
「おい、そこのコリア○サイズ野郎!」
とりあえず、指差したりせずに相手を特定しないで声をかける。
「誰か、コリ○ンサイズニダか! 俺のは60cm・・・いや、1mはあるニダ」
反応したのは、今のセリフで正気に戻った1名だけ、それもアルカニダのスパイ・・・。
心当たりが有り過ぎたんだな。
息を吐くように嘘をつく。
それも、1mとか、言い直す前の60cmとか、盛り過ぎだろう。
それだけあったら、レイピア代わりに・・・ごめん、無理だ。
他の兵士たちも正気に戻ったようだ。
そして、アルカニダのスパイの盛り過ぎた数値に、首を振りながら失笑している。
「ちょ、ちょっと、さば読んだだけニダ。本当は60cmニダ」
兵士たちの溜め息のハーモニーが聞こえてくる。
まだ、盛り過ぎだろ。
「30cmニダ」
アルカニダのスパイさんよ。
兵士たちのヒソヒソ声が木霊してるぜ。
「15cmニダ」
兵士たちは、アルカニダのスパイの下半身を黙って見つめてる。
「・・・・・・6cmニダ」
アルカニダのスパイは、観念したようだ。
「こ、これでも、組織の中では大きい方ニダ。ビッグニダ」
観念してなかったみたいだ。
最後の抵抗をしている。
このセリフで、兵士全員が目元を擦りながら、アルカニダのスパイから目を背けました。
「バカにしやがって、桜、新しい国王への不敬罪で、コイツらを全員殺すニダ」
アルカニダのスパイは、壊れたハッキングツールを使って桜に命令した。
コイツには【四季】の念話の声が届いていないから、ハッキングツールが壊れた事をしらないのか・・・。
「ああ、分かった。新しい国王へ不敬を行ったヤツを殺せば良いんだな」
アルカニダのスパイのセリフで正気戻った桜。
桜は凍えそうな笑顔で、アルカニダのスパイに向かって歩き出した。
・・・本当に正気か?
桜の笑顔を見たひよこが、俺の後ろに隠れて震えているんだが・・・。
なかなか話が進みません




