012.ひよこVS軍用人形(アームドドール)
週1~2くらいの投稿ペースで頑張ります。
ほぼ同時に俺とひよこは動き出した。
たんぽぽが開けっ放しにした扉の外にへだ。
さっき調べた時と同じ、桜と兵士と人形のペアが10組。
家の裏には、配置されていないようだ。
桜以外は、ほとんどの軍用人形で採用されている鎧タイプの軍用人形で、桜のように人工皮革を使用していない。
人工皮革は高いんだよ。
マジ高いんだよ。
メンテナンスも大変だしな。
だから、軍用人形は、人工皮革の代わりに鎧タイプを採用しているんだ。
強度も出しやすいし、メンテナンスも楽だしな。
ここにいる軍用人形は、外殻の鎧とフレームで強度を出している。
パッと見、ヴァーマナ工房のA級軍用人形を真似たノーフューチャー社製の軍用人形に見えるが、似ているのはデザインだけだ。
本物のヴァーマナ工房のA級軍用人形をバッタもんのノーフューチャー社製のデザインに直していやがる。
イヤらしい仕様だな・・・。
フレームもオリジナルのチタンから、最新のカーボンに置き換えられていやがる。
カーボンはチタンより、強度は落ちるが、しなって、壊れにくくて、フレームには良い感じの素材で、単純に【土魔法】で作れないから、かなり良い値段がする。
どれだけ、金がかかってるんだよ。
いや、マジでどこから金がでてるんだ?
国王だった爺さんも質素な暮らしだったしな。
まぁ、今考える事じゃないか・・・。
桜たちを注意深く見る。
そして、桜と人形の手首を見ると、当然そこには人形コントローラーが・・・。
「ひよこ、そのままで、桜たちを牽制できるか?」
そのままと言うのは、パワーの封印をしたままって事だ。
素材の進化と、魔力の注入に失敗により、桜たち初期銘付き人形より、素で出せるパワーは、たんぽぽとひよこの方が大きい。
なので、たんぽぽとひよこには、パワーの封印がしてある。
それに、相手は、桜とカスタマイズされた軍用人形。
パワーもそのまんまって事はないだろう。
「ん~、大丈夫っです」
ほんの一瞬考えて、結論を出したひよこ。
笑顔を見せているって事は、本当に大丈夫そうだ。
「すまん、ひよこ、あいつらを倒さなくても良いから、少し時間を稼いでくれ」
たんぽぽをほんの少し後ろに下げて、家の中に入れるまでの時間を稼いでくれればいい。
【乙女流】で、チャチャッとやれれば良いんだが、動いていないヤツには、無理なんだ。
と言うか、たんぽぽのヤツ、重いんだよ。
暴走して、フリーズしてるっぽくて、ぴくりとも動かないから、さらに重く感じるんだ。
俺より2周りくらい大きいから持ちにくいし・・・。
「ん~、倒しちゃって良いっです?」
アゴに右手の人差し指を当てて、首を傾げるひよこ。
か・・・可愛いじゃねぇか。
「馬鹿にしやがって! ハート、コイツらを、捕獲しろ! 桜さまに良いところを見せるんだ!」
功に焦った兵士が人形に命令を与えた。
さっきの桜たちの会話が演技でなければ、褒められるどころか、怒られるだろう。
「貴様は、さっきから、何を言っているんだ。今日は交渉に来てるんだ。馬鹿な事を言ったり、手荒な真似はするな!って言っただろ。それに、国の資産である軍用人形に勝手に名前を付けるな。ええい、もう・・・」
ハートと呼ばれた軍用人形を止めようとする桜。
そして、桜より速く動いたのがひよこである。
【乙女流:合気術:北斗点穴・改】
ひよこが放った【乙女流】の技を喰らった軍用人形は『ずわいっ!』とか、美味そうな奇声を上げた。
外殻の鎧は爆発したように吹っ飛び、綺麗なカーボン製のフレームが現れ、軍用人形は崩れ落ちた。
いや、女性っぽくは作ってあるけど、色気も何にもない。
ただ、美しいだけのフレーム。
さすが、ヴァーマナ工房製の人形だ・・・。
感動してる場合じゃない。
ほんと、それより、何、その【乙女流】の技は?
【乙女流:合気術:北斗点穴】までは、分かる。
俺も使う技だからな。
身体に流れている気を乱れさせて動けなくする硬気功の技だ。
気が流れている重要な部分を少し強めに気を込めて突くだけの簡単な技である。
簡単だけど、マジ危険だから真似するなよ。
てか、気の流れがある人間にしか効かない技なんだけど?
えっ?
じゃあ、【乙女流:合気術:北斗点穴・改】は人形用に・・・。
『肯定です・・・人形に注入された魔力の流れを乱して行動不能にする技に改良してあります・・・魔力の再注入でしか回復出来ません・・・』
【四季】さん、何、心の中で考えていた事に、説明入れてるんですか?
「【四季】、心の中も読めるように?」
『否定です・・・マスターなら、そう考えつくと思って、先に説明しました・・・』
【四季】さん、パネェです。
と言うか、勝手に【乙女流】の技を作んないでくれますか。
いや、それより、ひよこのヤツが軍に手を出しちゃったけど、正当防衛って・・・・・・主張できねぇよな・・・。
いまだにプロット無し・・・。
この先の展開も当然考えていません。




