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永遠に・・・

家の近くまで行くと、人だかりができていた。近所中の人が全員出てきてしまったかのような人だかりに首を傾げる。そして、話し声が聞こえてくる。


「かわいそうに。即死だったんだって」

「雨でスリップした車が突っ込んだみたい」

「まだ高校生だって」

「こんな時間に公園で何してたんだろう」


 僕の家の裏手にある皆瀬川公園に、酒気帯び運転の車が突っ込んだのは、僕が土手でトワを見つけた時間と同じだった。

 

減速しなかった車は、ブランコに座る星野満月に突っ込んだ。即死だった。


 


葵へ

 僕のことかばってくれて本当にありがとう。教室で本を取り上げられたとき、葵が助けてくれたこと、泣きたいくらいうれしかったです。

 俺の本当の気持ちを伝えたくて、手紙を書きます。

俺は、牧瀬葵のことが大好きです。男なのに気持ち悪いって思うかもしれないけれど、俺は本気です。葵が僕の気持ちに気が付くんじゃないかと思うと怖くて、避けていました。

 葵が牧瀬さんのことを好きなのは見ているとすぐわかります。二人を見ていると、とてもつらいです。

でも、それだけじゃ前に進めないと思ったので、僕の気持ちを言葉で伝えたいと思っています。話だけでも聞いてください。

今日の夜、葵の家の裏にある皆瀬川公園で待っています。


                        星野満月


 

ミヅキからの手紙は誰にも見せていないが、トワは何かを悟ったように見えた。


トワはミヅキの葬式のすぐ後、岡山にある母親の実家に引っ越してしまった。父親から毎晩のように暴力を振るわれていたことを僕は知らなかった。


それから、僕とトワは一年に一回、ミヅキの命日にしか、顔を合わせなくなった。トワは僕のことをどう思っているかわからないけれど、律儀に一年に一回、僕の前に現れる。


午後一時、白い花束を抱えたスーツ姿の僕は、ミヅキの眠る墓を訪れた。花と線香を供え、手を合わせていると後ろから勢いよく押されて、思わず線香に頭から突っ込みそうになる。


「危ないじゃないか!トワ」

 一年ぶりに大切にしたい人の名前を呼ぶ。その瞬間のために、生きているのだと思えた。

 

永遠に結ばれることはないとわかっていても・・・・・・。


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