祈りの唄。
初めて二人ででかけた
世の中では当たり前の事が
私には特別だった
楽しい嬉しいとはしゃいで
子供のように笑っていた私
あなたを独り占めできて
喜んでいたの
一緒にひいたおみくじを
財布に入れて呟いた
「お前が思い出の証よ」と
きっと死ぬまで
捨てられないのだろう
手を合わせて眼を瞑る
あなたの事を祈ろうとしたけど
心から幸せなど
願えるはずもないから
途中で止めてしまった
こんな私に
罰があたればいいのに
側に居ても淋しくて
離れれば押し潰される
どちらも苦しいなら
もう少しあなたといたい
ずっとは一緒にいられない
いつかは別れが来るけれど
それが想像できなくて
漠然とした恐怖に泣くの
浮かれて沈んで
流された花びらの私
次に沈んだときには
いっそ泡になりたい
優しくてあたたかくて
嘘でも好きと言ってくれた人
この心はあなたのものだから
砕いて捨てても構わない
千切って散らせて
ずたずたにして
そうやって忘れていくの
罰ならとうにあたってた
あなたに愛されず
脱け殻になって
幸せも願えないのに
わがままに好きだった
時が止まればいいのに
そう言ったあなたの嘘を
おみくじと一緒に仕舞うことを
お願いだから、許して。
家庭のある人を好きになってしまったが為に、心から相手の幸せを願うことができない。
いつ離れるかも分からない人との思い出を、自分だけは生涯大事にするのだろう。
そんな詩にしました。