兄 後編
「お兄様今度我が家で夜会があるので来てください。近々招待状を送ります。」
妹に急に夜会に誘われた。嫁ぎ先には良い顔したいだろうし、もちろん行くよと返事した。ステラはホッとしたような顔をしていた。妹ながら怪しい。
「何かあるのか?」
「…無いです。」
あ、セシル様に早く帰ってくる様に言われてるんだったーと怪しさ満載で帰って行った。あれで侯爵家は大丈夫なのか心配になる。
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ステラから招待状が届くと同伴者必須と書いてある。今や恋愛至上主義の侯爵家に抗議したいくらいだ…天井を見つめ思案する。もう断ろうかな。うちの跡継ぎもステラの子に頼んだ方がいいのではないかと最近考えている。伯爵家が潰れるよりまだ見ぬ妹の子に譲る方が真っ当だ。
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「お兄様!何で夜会欠席するつもりなの??!私が肩身狭くてもいいの?」
「同伴者必須な方が悪い。」
あぁ…すっかり忘れてた。妹はいつも元気だな。侯爵家の夜会何だから口出しできないわよと拗ねている。
「今回リエンダも同伴者いないからって断ってきて…嫁の立場がツライ。」
「じゃリエンダ嬢と行こうかな。」
「…!!良いと思う。連絡しとくから当日迎えに行って!」
慌ただしく出て行く妹を、はいはいと見送る。いつになったら落ち着くのか…リエンダ嬢はもう少し落ち着いていたのに。
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「リエンダ嬢きれいだよ。」
「ありがとうございます。急ごしらえのパートナーにお気遣いは結構ですよ。」
にっこりと笑われ拒否された。私これでもモテるのに全く相手にされない。逆に相手にされなさすぎて笑えてくる。気を使わなくていいから楽だ。
「最近は屋台行ってるの?」
「あまり行けてないんですよね…最近両親がやけに縁談を勧めてきて邪魔してくるんですよね。」
「じゃ私と婚姻しないかい?」
はぁとため息をつくリエンダ嬢を見てつい言ってしまった。は?という怪訝そうな顔をしてるリエンダ嬢に笑える。
「私は結婚する気も子供を作る気も無くて、でも跡継ぎだしって悩んでいる。リエンダ嬢は働きたいけど縁談を言われる。私と婚姻して仕事をすれば良い。どうだろう?」
「なるほど…自由に仕事をして良いのですが?」
「いいよ。伯爵家手伝ってくれてもいいし、やりたい事有るなら別でもかまわないよ。すぐ答えなくても考えて貰えたら。」
「私します。私でいいのですか?」
「他の令嬢と違って自立してるし、妹のように暴れないし好条件だと思うよ?」
「では、よろしくお願いします!」
縁談止めて貰えるよう近々挨拶に行くねと言うとリエンダ嬢は花が綻んだように笑っている。恋愛としての純粋な愛は無いが打算的な煩わしさもない。1番良い相手を選べたのではないか。
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「私達婚姻する事になったから。詳しくまた話するよ。」
妹を捕まえ早速話をした。目玉が落ちるのではないかと思うくらい目を見開いて驚愕している。そらそうか。
「リエンダはお兄様で良いの?」
「もちろん!良いお話を頂けたと快諾したの。近々家に挨拶に来てくれるの。これからは家族として仲良くしてね。」
「リエンダと義姉妹か!不思議な感じ。婚姻式には呼んでね。」
2人が会話をしてるのを見届ける。セシルにも伝えたがありえないと言われ軽く言い合いをした。あの夫婦は私を何だと思っているのだか…。
その後順調に準備が進み婚姻式まであっという間にだった。あんなに避けていたものが、こんな流れるように進むのだなっと思っていたら妹が会いに来た。
「リエンダをよろしくね。お兄様は始めからリエンダとこうなるとは思っていたけど実際なると戸惑うね。」
「始めから?」
「うん。ハンカチの頃にあぁリエンダを好ましく思ってるんだなーって思ってた。気持ち悪い笑いしてた時。」
「なるほど。言われたらそうだな。」
…確かに。最初から他の令嬢とは違って嫌な感じがなかった。無意識に選んでいたのだな。えぇ…今更なのって嫌な顔された。本当この妹は。
支度が出来たとの事でリエンダを迎えにいく。とても綺麗だった。
「婚姻が決まって以降私達の進むスピードは早すぎたが、これからはゆっくり共に歩んでいこう。」
「ありがとうございます。私婚姻相手が貴方で良かった。きっと穏やかな日々を送れると思います。助け合い生きていきましょう。」
私はもうリエンダに対しての愛情を得たが、これからリエンダに好かれる様に頑張っていこうと決めた。遠くない未来にいつか愛情を返してもらえる日まで。妹夫婦までのはいらないがいつか愛溢れる家庭を築いていきたい。遠い昔に思い忘れていた2人を見て思っていた願いだった。




