8. 「死んでしまいましたから」
マダットの補佐であるタミアとセレンが会ったのは本当に久しぶりだった。 普段、二人の動線は完全に反対だったため、顔を合わせることはなかった。
セレンは主に部屋と図書館を往復し、タミアはマダットに従ったり執務室で時間を過ごしていた。 今日は彼が探している書籍があって図書館に立ち寄ったため、偶然会ったのだった。
「……こんにちは。」
タミアは神殿の権力者であったが、セレンに礼を尽くした。 彼は彼女を殺さず、絶えず探し求めるマダットを思い浮かべた。自分でも掴みきれない主の心を掴んだ女だった。
そろそろ過去を追跡しようと思っていたが、予め親切に接しておいて損はなかった。
「はい。」
しかし、セレンは特に反応を示さなかった。 残念だったのはタミアだった。彼は美しい外見を十分に利用しようという心構えで、明るく微笑みながら口を開いた。
「お過ごしに不便はないですか。」
「ああ、はい。」
彼女は本を選ぶのに夢中だった。 最初はちらっと視線を向けたが、今は関心がないように本棚だけをひたすら見つめていた。
タミアは内心で舌打ちをした。 普通のおもちゃなら、自分が生き延びる方法を少しでも探るために周囲に取り付こうとするものだ。 しかし、この女はその普通の範疇に入らないようだった。
そうだ。平凡な人間がマダット様の心に入るわけがない。 気分は悪かったが、納得はできた。
「もしかして会いたい人はいませんか。親しくしていた友人でも……。」
彼は今度は別の部分を攻略することに決めた。 会わせるように接近して好感を得るのも悪くない方法だった。どんなに冷たい女でも、親しくしてくれる人はいるだろう。
さらに、マダット様の話によれば、彼女は親を失い、かなり多くの村を回っていたという。
「友人。」
セレンはその言葉に反応するように一瞬目を伏せてから、タミアの方に身を向けた。 彼は瞬間的に理由のわからない緊張状態に陥った。 女の黒い目をこうして正面から見るのは初めてだった。
「残念ながらいません。」
「……そうですか。」
「死んでしまいましたから。」
ゾクッ。 瞬間、鳥肌が立った。
タミアは慣れた手付きで感情を隠しながらも、まつげが少し震えた。 奇妙な女だった。 何よりも見れば見るほど思い出しそうで思い出せない何かがあった。
「もしかして以前に私を見たことがありますか。」
「そんなことはありませんよ。」
セレンは冷静な顔をしていた。 しかし、その場をすぐに立ち去ることはなかった。不愉快な静寂が漂った。
しばらくして先に口を開いたのはセレンだった。
「お名前は何とおっしゃいますか。」
「……マダット様にお仕えする神殿の従者です。名前はなく、タミアと呼んでください。」
彼もまたマダットのように名前が与えられない存在だった。 タミアは自分を紹介しながら再び頭を下げた。
そのため、彼は一瞬柔らかく歪んだ彼女の顔を見逃してしまった。
「そうですか。」
セレンはこの言葉だけを残し、タミアを通り過ぎた。 得るものはなく、後味の悪さだけが残る出会いだった。




