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The dream never ends〜良音極組編〜  作者: 小山シホ
良さを極める音姫たち
9/9

第7話「その翌日は」

ライブが失敗してから数日。

~新未大附属にて~

「.......あれ?今日、相楽さん暗くない?何かあったのかな。」

「うーん。分からないけど。まあ静かだから良いか。」

「..............はあ。アタシどうしよう。」

和樹奈はいつもと違い、落ち込んでいた。

「(新しい『極ノ音』のライブを失敗してしまったし...きっと音芽さんも落ち込んでいるだろうな...)」

「(...っと。今日は抜き打ちテストがあるんだっけ?いつもはだるいけど...今日、音楽の事ばかり考えていても仕方が無いし...今回は頑張ろうかな。)」

「和樹奈…」

歌奏は珍しく心配そうに和樹奈を見る。

そして抜き打ちテスト時──。

「………」

「?お、おい!相楽起きろ!」

和樹奈は爆睡していた。

「嘘だろ?起きないだと?」

「(………休み時間は良いな〜アタシも休まないとね…って)」

和樹奈は自分の時計を見て驚く。

「(もう三時間目!?てことは抜き打ちテストじゃん!え!?後、何分?)」

「えっ!?後、15分!?嘘でしょ…?絶対、終わらないじゃん!)」

「(しかも今回、先生が裏ありますって言ったし…終わった…どうしよ?)」

「…できる所はやろうかな。」

そしてテスト終了後。

「はい。これでテストは終了だ。もう休み時間に入っていいぞ。」

教師がそう言った後、皆は休憩を始めた。

「今回のテスト良い感じ。」

「え!?私も!」

他のクラスメイト達が喜んでいる中、和樹奈は全くと言っていいほど喜んでいなかった。

「(今回のテスト…いつもと同じくらい、いやいつもよりも出来なかったな…)」

「……和樹奈。やっぱりあの時の事を気にしているのかな。」

歌奏は心配して見る。

「(自分も勿論心配しているけど…譜久村さんは大丈夫かな…本当に。彼女にとっては楽しいものになる筈だったのに事故でそうなってしまったから…)」

歌奏も和樹奈と同じように音芽の事を心配していた。一方、その頃。音芽は──。


〜渋谷川学園 Ⅱ-C 廊下にて〜

「……はあ。」

「あ、音芽ちゃん!」

「かのんちゃん…」

落ち込んでいる音芽に話しかける香音。

香音に話しかけられて音芽は苦笑いする。

「か、かのんちゃん?大丈夫だよ?確かにおとめ達はライブを失敗した。でもそれでもプロの世界では良くあることだし!おとめが落ち込んでいる場合じゃないよね!」

「…音芽ちゃん。それでも泣きそうなのはどうして?落ち込んでいないなら──音芽ちゃんは笑顔で楽しそうな顔をして、声も元気そうなのに。」

「わたしでも音芽ちゃんの悲しそうで笑顔なのに笑っていない顔を見ていたら…なんでかな、私も悲しくなるんだ。」

「あ、勿論、音芽ちゃんが泣いたら友達辞めるとか信じられないとかじゃないよ。ただ、今の音芽ちゃんは涙を我慢している気がするんだ。」

香音ははっきりと言った。

「…おとめは…っ!ほんとうは…かなしかったんだ…せっかくのライブが失敗して…っ!」

「だけどおとめは…極ノ音に入っているからっ…歌奏さんや和樹奈さんはそれでも現実を受け止めていると思って…!」

「だからおとめも現実を受け入れないといけないって思ったんだ…!」

「現実を受け入れないとおとめは…ただのメンタルが弱いだけ…だから…」

音芽は香音に向かって感情を、言葉を放つ。

「…音芽ちゃん。言ってくれて…正直に言ってくれてありがとう。」

「私も音芽ちゃんの悩みに寄り添いたい!出来ることは何でもするよ!」

「…!ありがとうかのんちゃん!」

二人の暖かな気持ち。それはどちらにとっても最高の空気となるのだった。

一方で高一の廊下は別だった。


〜高一の教室の廊下〜

「…譜久村さん。」

「(昨日、わたくしは貴女のユニットのライブを見に来ていました。)」

「(──音成歌奏。貴女はメンバーの体調を理解していなかった。)」

冥は歌奏に対する不信感が増える。

「(だからこそ相楽さんって人や、譜久村さんは突然のトラブルに対応できなかった。)」

「(あの人は本当に二人以上での活動が向いていないですね。だって…)」

冥は一人で突っ立ってると。

「──姉さん?」

「莉衣?どうしたんですか?」

「いや、少し心配になっただけ。ほら、譜久村先輩だったかしら?その人のライブがあったって聞いてね。」

「噂だったら失敗したって聞いたから。それで通りかかった姉さんに譜久村先輩の事を聞こうかなって思って。」

「だってあの人、純粋だから心配しちゃって…」

「……そうですね。それはわたくしも心配です。」

冥が明確に心配する数少ない人が音芽だった。

「確かに譜久村先輩は精神が強い所もあるわ。それはあたしも見習う必要があると思っている。」

「だけど……譜久村先輩は…情熱が失われていく高二の時期にあたし達よりも好奇心があるから…それでよくない事を知ってしまったらって思ってしまって。」

「…莉衣。わたくしは譜久村さんをどうすればいいでしょうか。」

冥は真剣な眼差しで聞く。

「……譜久村先輩を見守る事だと思うわ。あたしの場合だけど。」

「で、でも!譜久村さんは音成歌奏に裏切られて…!」

「裏切る?姉さん、流石に音成さんもそんな酷くはないと思うわ。最近姉さん、音成さんへの偏見が酷くなっていない?」

「それは…だけどわたくしは譜久村さんの事を考えているだけで…」

「姉さん。譜久村先輩って音成さんの事が好きなこと知っているでしょ?だから姉さんが音成さんを非難ばかりしても譜久村先輩は寧ろ悲しむわ。」

「もしも姉さん…いいえ、貴方が譜久村先輩を助けたいのならできるだけ近くを見守ってあげて欲しいわ。」

「…見守って……」

「ええ。姉さんが譜久村先輩を思っているなら──」

「──譜久村先輩のユニットに入って。」

「…え?」

莉衣に言われたのは衝撃の言葉だった。

「音成歌奏と同じユニットに…?」

「嫌かしら?譜久村先輩と一緒にいる事が出来るのに。」

「いや、その…わたくしは色々、学園でも浮いていますし、ユニットで浮いて迷惑になるんじゃないかと思ってしまいました。」

「姉さん。それはきっと慣れていくと思うわ。それにもし最初でも譜久村先輩はムードを盛り上げるのが得意でしょう?譜久村先輩と一緒なら大丈夫よ。」

「莉衣…ええ。莉衣が言うならそうかもしれないです。」

「ありがとうございます。莉衣。お陰で考えがまとまりました。」

「それは良かったわ。」

「それじゃあわたくしはこれで。」

冥は去って行った。

「姉さん。応援しているから。」

「(と言ってもまあ、あたしも最近は少し詰まっているけど。)」

莉衣は表情が少し暗くなる。

「(あたしとメンバーの仲は良いけど…あたしのユニットのとあるメンバーがもう一人のメンバーと仲が悪いみたい。)」

「(…成城先輩に相談しようかな。)」

成城先輩(本名:成城(せいじょう)日名子(ひなこ))は莉衣の事務所の先輩であり、学園の先輩。ドジと言われる事もあるが誰よりアイドルが好きな明るい性格。

「あの人、アイドルの事をあたしの遥か何倍も知っているし…決めた!成城先輩に相談しに行こう!」

莉衣も日名子がいる所に向かって行った。

そして時は進み放課後──。

〜Square カフェスペース〜

「…さてわたくしも勇気を出せなければ」

「(前は音成歌奏に酷い事を言ってしまいましたしもしかしたらユニットに入るなと言われるかもしれませんが)」

「──アタシね!カナって優しいんだなって思った!だってさ!」

「ちょっと和樹奈…声が大きい。聞かれるでしょう?」

「大体自分達はライブを失敗させてしまったから…見られたら失望される場合もあるんだよ。」

「(彼処に音成さんと相楽さんがいますね。)」

「(二人は楽しそうに話していますね…話したらタイミングが悪いでしょうか。)」

「あ、ごめんアタシトイレ行く!カナはそこで待ってて!」

するとタイミング良く和樹奈がトイレに向かった。

「(これはいいタイミングです。彼女に話すなら今ですね。)」

「──あのすみません。音成さん。わたくし貴女達のユニットに入りたいのですが。」

「………え?」

皆さんこんにちは。小山シホです。すみません全く更新できていませんでした。

とにかく今回はライブ失敗の後の話です。悩むそれぞれ。果たしてこれからどう挽回して行くのでしょうか。

次回予告

ユニットに入りたいと言った冥。歌奏は悩むが、一応入っても良いと言った。ただしそれには条件があって──?

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