桜を見るために
この作品は言わば、自叙伝である。中学受験に失敗し、高校受験でリベンジを誓った私が書く中学時代のエピソードである。この中二病の様な作品のこの部分だけでも見てくれた方には感謝してもしきれない。
中学受験は努力よりも才能で決まると言っても過言ではない。私にはその才能があると信じ、学校を休んで仕上げの勉強に励んだ。第四志望の学校が私の初戦だった。難しくはなかったので特待を取ることができた。第三、第二志望の学校はいわゆる進学校であった。そこも無事に受かった。第一志望は最終戦だった。合格の自信を持っていた。問題を見るまでは。
その時の第一志望校は去年までとは大きく異なった出題形式であった。一教科終わるごとに、次の教科でカバーしようと思った。しかし、最後の教科までカバーすることはできなかった。
その当日、自己採点をした。採点のとき涙が止まらなかった。結果もメンタルもボロボロであったため問題用紙も見たくなかった。しかし、最後まで採点した。
自己採点で予想していた通り、落ちてしまった。この自己採点がトラウマになったことにより、それ以降自己採点をすることは滅多になかった。
小学校の頃、私には同じクラスに親友がいた。彼は、私が落ちた中学に受かっていた。私が落ちたとき、彼は慰めてくれた。その後、彼は全国の有名私立に受験遠征に行った。その頃から私は彼を「師匠」と呼ぶようになった。
卒業式の日、師匠が私の第一志望だった中高一貫校に行くことを知った。その時に約束した。
「3年後また同じ学校に」
これが電車にはねられてタイムスリップするタイプではないリベンジの始まりである。